理学療法士は増えすぎ?今後の需要や生き残るために必要なことを紹介!
「理学療法士は増えすぎなの?」 「理学療法士の需要はなくなっていく?」
上記のような疑問をお持ちの理学療法士の方が多いのではないでしょうか。
実際に理学療法士は毎年増えていますが、今後も需要がなくならない職種だと言われています。
この記事では、理学療法士の数の推移や、生き残るためにすべきことをご紹介します。
理学療法士は増えすぎなの?
理学療法士は毎年1万人前後増えている
理学療法士の国会試験合格者数の推移は下記の通りです。
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
令和3年 | 12,503人 | 11,946人 | 9,434人 | 79.0% |
令和4年 | 13,377人 | 12,685人 | 10,096人 | 79.6% |
令和5年 | 13,648人 | 12,948人 | 11,312人 | 87.4% |
理学療法士を目指す人が年々増え続けており、毎年1万人前後の合格者が出ています。
さらに、理学療法士を養成する施設も増加しており、職に対する関心の高さがうかがえます。
理学療法士の年齢分布
理学療法士の平均年齢は、男性が35.6歳、女性が34.7歳です。
以下の表は、全体の年齢分布をまとめたものです。(2023年現在)
年齢区分/性別 | 男性 | 女性 |
21~25 | 10,639 | 8,291 |
26~30 | 19,209 | 13,271 |
31~35 | 17,449 | 10,455 |
35~40 | 13,201 | 8,019 |
41~45 | 9,061 | 6,100 |
46~50 | 6,550 | 4,059 |
51~55 | 3,488 | 1,926 |
56~60 | 1,931 | 1,036 |
61~65 | 821 | 244 |
66~70 | 309 | 49 |
71~75 | 149 | 16 |
76以上 | 72 | 10 |
総計 | 82,879 | 53,476 |
データを見ると、20〜30代の理学療法士が全体の半数以上を占めていることがわかります。
年齢を重ねるにつれて理学療法士の数が減っているため、「将来性がないのでは?」と不安になる方が多いのでしょう。
理学療法士の将来性・需要
理学療法士の年齢層は20〜30代が最も多いですが、何歳まで働けるのか気になりますよね。
以下の表は、厚生労働省による「理学療法士・作業療法士の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果です。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
男性 | 44 | 44.4 | 44.7 | 44.4 | 38.7 |
女性 | 43.8 | 43 | 43.7 | 43.8 | 40 |
結果から、20代から60代までの労働時間に大きな変化はないことがわかります。
つまり、年齢を重ねたからといってフルタイムで働けなくなるわけではありません。
ただし、50代の理学療法士は管理職に就いている人が多いため、一概に同じ働き方ができるとは言えないでしょう。
理学療法士は今後も必要な職業!
理学療法士の仕事と高齢化は相性が良い
近年、日本の少子高齢化が著しく、2065年には高齢化率が38.4%に達すると予想されています。
実際に支援を必要とする要介護の認定が増えてきており、理学療法士の活躍の場が広がっています。
理学療法士は主に高齢者をターゲットとしたリハビリなどの仕事だけでなく、スポーツ業界などでも活躍できることから、今後も重宝される職種です。
AIなどの技術は理学療法士に及ばない
AIやロボットの技術が進歩し、将来は仕事がなくなるのではないかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、AIやロボットでは、会話をしたり利用者の精神的負担を緩和したりなど、対人コミュニケーションは難しいのが現状です。
肉体労働や単純な作業をAIやロボットにサポートしてもらう現場は増えるかもしれませんが、今後も人間である理学療法士の力が必要です。
技術の進歩は理学療法士の仕事を奪うものではなく、より効率的に働けるように導入されるものと思っておきましょう。
理学療法士として生き残るためにすべき4つのこと
①基礎を磨き直す
理学療法士として働いていると、つい技術的な面に目が行きがちなのではないでしょうか。
養成学校で習った仕事の基礎は、業務において意外と重要なものです。
例えば、カルテの情報と併せて実際に利用者の状態を確認し、ひとりひとりに合ったプランを修正しながら実行していくという基本的な工程は、精度が上がるほど効果がみえるでしょう。
キャリアに自信がなくても、基礎がしっかりできていれば、あとは実績を積んでいくだけです。
②新しい資格をとる
理学療法士の認定資格には、「認定理学療法士」「専門理学療法士」、2022年に加わった「登録理学療法士」があります。
登録理学療法士の資格は、既存の資格と同じく5年毎に更新する必要があります。
常にスキルをアップデートしている証拠になるため、持っておくと良いでしょう。
また、今後は転職やキャリアアップの際に資格を持っておくと、有利になる可能性もあるため、挑戦することをおすすめします。
③ビジネスマナーやパソコンのスキルを身につける
理学療法士の技術以外にも、ビジネスマナーやパソコンスキルが社会人生活に役立ちます。
ビジネスマナーは、職場の人や利用者とコミュニケーションをとる上で大いに役立つでしょう。
また、パソコンスキルを身につけておくと、他業種に転職することになった場合や、新しい仕事を任されたときに活かせるかもしれません。
最近は海外で活躍の場を広げる人も多いため、外国語の勉強をするのもおすすめです。
④理学療法士が所属できる協会の活動に参加する
理学療法士は、日本理学療法士協会や学術協会などに所属できます。
協会では勉強会や研修会を定期的に開いているため、新たな知識やスキルを身につけるのに役立つでしょう。
また、協会の活動に参加することで、向上心のある仲間に出会え、モチベーションアップにつながります。
まとめ
理学療法士の将来性や需要、生き残るためにすべきことについてご紹介しました。
理学療法士の数は年々増えていますが、高齢化が進む現代には必要不可欠な存在です。
近年はAIやロボットなどの技術が発展しているものの、全ての業務を任せることは到底難しいでしょう。
今後も長くキャリアを築いていくために、積極的にスキルを磨いてはいかがでしょうか。