【30代理学療法士・PT】の年収事情｜給料アップを狙う4つの方法

こんな悩みにお答えします。

30代はライフスタイルの変化が大きい時期。

キャリアプラン、仕事と家庭の両立、将来のマネープランについて悩む人も多いです。

本記事では、気になる人も多い30代理学療法士の年収事情を詳しく解説します。

年収相場を知ることは、これからの働き方や将来設計を考える上でも非常に大切です。

後半では、年収アップの方法を紹介もするので、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事は令和３年賃金構造基本統計調査｜厚生労働省のデータを元に作成しています。

30代理学療法士の年収事情を解説

30代理学療法士の年収に関するデータをピックアップして、詳しく解説します。

30代理学療法士の平均年収

年代	男女計	男性	女性
30代前半	414.5	429.9	386.7
30代後半	437.5	462.5	414.2

30代理学療法士の年収は、30代前半で414.5万円、30代後半で437.5万円です。

理学療法士は女性でもしっかりと稼げる職種ですが、年収は男性よりおよそ40万円低いのが実情のようです。

30代理学療法士の総支給額

年代	男女計	男性	女性
20代前半	28.8	29.4	27.5
20代後半	30.2	31.6	28.8

30代理学療法士のひと月あたりの総支給額は、30代前半で28.8万円、30代後半で30.2万円です。

※総支給額：基本給に全ての手当と残業代が含まれたもの

理学療法士の平均残業は5～6時間/月と他業界と比べるととても少ないです。残業代による給料アップは見込みにくい業界といえます。

30代理学療法士の手取り額

ひと月あたりの手取り額はざっくり総支給額の8割前後です。

税金などの控除額が人によって違うのであくまで目安ですが、実際の手取り額は30代前半23.0万円、20代後半24.2万円となります。

30代理学療法士のボーナス

30代理学療法士のボーナスは、30代前半で69.4万円、30代後半で75.7万円です。

年代	男女計	男性	女性
30代前半	69.4	76.7	56.2
30代後半	75.7	83.4	68.5

勤め先の規模や業績などによってボーナス額に開きが大きい業界といえます。

他の30代医療福祉職の年収と比較

医療福祉職の30代前半・後半の平均年収はこちら▽

職種	30代前半	30代後半
医師	939.3	1259.5
歯科医師	665.7	854.8
獣医師	538.9	656.4
薬剤師	547.0	613.6
保健師	396.5	486.7
助産師	476.3	584.1
看護師	478.6	497.9
准看護師	382.0	384.2
診療放射線技師	501.2	548.0
臨床検査技師	434.8	487.2
PT,OT,ST,CO ※1	414.5	437.5
歯科衛生士	357.0	393.4
歯科技工士	358.7	420.0
栄養士	343.5	385.3
介護支援専門員	381.5	400.9
介護職員（医療福祉施設等）	361.6	373.0
訪問介護従事者	374.3	362.0
看護助手	308.3	315.8

※1：PT=理学療法士、OT=作業療法士、ST=言語聴覚士、CO=視能訓練士

理学療法士の年収は、他の医療福祉職と比べても年収の上がり方が緩やかです。

年収が上がりにくい要因は、昇給額が低い、役職につきにくいといったものが挙げられます。

理学療法士全体の年収事情

ここからは、理学療法士全体の年収事情について解説します。

理学療法士全体の平均年収

理学療法士全体の平均年収は426.5万円(平均年齢が35.1歳)です。

年代別の年収と労働者数のグラフ

グラフをみると年齢が上がるにつれて年収も上がっていき、40代で500万、定年前で600万手前までいきます。

「えっ？意外と高年収！」と思った人は注意。

現在、診療点数の引き下げや理学療法士の飽和問題などで、今後はいままで通りに年収は上がっていかないだろうという意見が多いです。

他の医療福祉職の平均年収と比較

理学療法士の平均年収を他職種と比較したものがこちらです。

職種	平均年齢	平均年収
医師	45.3	1378.3
歯科医師	38.7	787.2
獣医師	36.1	592.1
薬剤師	41.1	580.5
保健師	41.8	480.7
助産師	37.1	553.9
看護師	41.2	498.6
准看護師	50.4	406.7
診療放射線技師	41.9	546.7
臨床検査技師	41.6	496.5
PT,OT,ST,CO ※1	35.1	426.5
歯科衛生士	34.9	386.7
歯科技工士	39.4	427.3
栄養士	37.4	367.6
介護支援専門員	50.9	409.7
介護職員(医療福祉施設等)	43.8	352.8
訪問介護従事者	46.8	364.1
看護助手	46.9	304.3

※1 PT=理学療法士、OT=作業療法士、ST=言語聴覚士、CO=視能訓練士

理学療法士の年収は医療福祉職のなかで18職種中の11位。

上位の職種と比べると見劣りはしますが、平均年齢が低い点を考慮すれば悪くはないでしょう。

施設別の平均年収と比較

つづいて、理学療法士の年収を施設別に比較した結果がこちら。

施設種類別の年収

基本的に年収は、医療分野が介護分野より高い傾向にあります。

令和3年度データでは、医療分野462.3万円、介護分野423.7万円と約40万円の年収差あり。
※第23回 医療経済実態調査(令和3年) および 介護従事者処遇状況等調査(令和3年)より

施設別のおおまかな年収相場はこちらです。

施設の種類	年収
病院	300 ～ 580
クリニック	300 ～ 550
デイケア	280 ～ 480
デイサービス	280 ～ 480
訪問リハビリ	330 ～ 600
介護老人保健施設	280 ～ 500

施設規模別の年収

また、職場の施設規模は年収に影響する傾向にあり、平均的に規模が大きい方が年収も高いです。

特に、施設規模が1000人以上の職場になると給料が上がりやすい傾向にあります。

30代理学療法士が年収を上げる方法

30代理学療法士が年収アップを目指せる具体的な方法を4つご紹介します。

①専門性をさらに高める

まず一つは経験とともに関連する資格や認定理学療法士などの取得をすることです。

診療報酬が上がるというわけではないですが、会社によっては資格取得で昇給があります。

注意すべきは、資格や認定理学療法士になったからといって必ず給料が上がるわけではないということ、そして資格取得自体で大きな昇給は見込めないということ。

また資格取得の試験は年1回のものもあるので、長い目でみた計画が必要になります。

②管理職に昇格する

管理職になると、手当てが付くところが多く、給料が大きく上がります。

施設によっては年100万円以上上がるところも!

ただ近年は20代、30代の理学療法士が多いということから管理職は狭き門になりつつあるようです。

同期が多くいる中、管理職になるには職場内の評価とキャリアが重要になってきますね。

③副業・起業

起業して売上げを立てれれば年収は飛躍的に上げることができます。

ただ起業にはリスクが付きもので、理学療法士のキャリア・スキル以外に経営スキルやマネージメント力が必要になります。

起業したい場合は、早い段階でこういったスキルの習得準備をしておく必要があります。

④転職する

年収をすばやく上げたいなら転職が一番早いです。

転職すれば必ず年収が上がるという保証はありませんが、年収UPにコミットして求人探しをすれば実現できる可能性が高まります。

ただ転職は、職場の人間関係や業務内容なども大きく変わるので、年収だけではなくトータル的にプラス方向へ働くかの選択が必要です。

年収アップにおすすめな職場は、インセンティブ制のある訪問リハビリとリハビリの診療点数が高い一般病院です。

具体的な転職戦略と職場の選び方については、「勝ち組理学療法士になるための2つの戦略を解説」で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

30代理学療法士の年収事情｜まとめ

今回は、30代理学療法士の年収事情について解説しました。

現実を知ってどう行動するかは自分次第です。

30代は人生のなかでもライフイベントが大きい時期。

理学療法士として、1人の人間としてこれからの働き方を見つめ直す時間も必要です。

現状に不安や不満のある人はちいさく行動をはじめてみるのもいいですよ♪