例えば

  • うつ病・抑うつ・適応障害・不安障害などの精神疾患やメンタル
  • 骨折・椎間板ヘルニア・腰痛などの怪我
  • その他、体調不良など

を起こしてしまった場合、一度休職期間を設けてから改めて退職するパターンもあると思います。

 

でも、そこで気になるのが

  • 復職するのと退職するの、どっちがいいのか
  • 休職中、どんなタイミングで退職を伝えればいいのか(退職の何日前に伝えたか)
  • 退職の切り出し方・伝え方はどうすればいいか(退職理由など)
  • 有給が残っている場合、退職に向けて有給消化はどうなるのか
  • 休職中に退職の申し出をして、会社に出社する必要はあるのか
  • 会社の荷物や私物はどうすればいいか
  • 休職中に退職したいと連絡した場合、引き止めはあるのか
  • 休職中に退職を伝えた場合、退職日はいつになるのか(また、即日退職はできるのか)

ですよね。

 

そこで今回、実際にうつや適応障害等で休職をしてから退職された方にインタビューをしてみました。

上でご紹介したような気になる疑問に加えて「そもそも、どうして休職したのか」等も聞いています。

 

また休職中に退職を伝える際の

  • 電話
  • メール
  • 手紙の郵送

等で使える具体的な例文も後で紹介します。

適応障害とは

まず、適応障害について簡単に説明します。適応障害は、特定のストレス要因に対して精神的な適応ができず、心理的または身体的な症状が現れる状態を指します。適応障害には以下の特徴があります。

特徴 説明
ストレス要因 職場、家庭、学業などの特定の環境的なストレスに対する反応。
主な症状 抑うつ気分、不安、集中力の低下、睡眠障害など。
発症時期 ストレス要因が発生してから3ヶ月以内に症状が現れることが多い。
治療法 カウンセリング、投薬治療、ストレス回避などの療法が推奨される。

適応障害の症状が進行すると、仕事に支障をきたすことが多く、退職を検討するケースが増えます。以下に適応障害の診断に関する統計データを示します。

症状 発症割合(%)
抑うつ気分 60.3
不安 40.2
睡眠障害 35.8
食欲不振 20.1

このような症状が続く場合、適応障害が原因での退職を検討することが適切です。

退職を考えるタイミング

適応障害での退職を考えるタイミングは個々の状況によって異なりますが、以下のポイントを基に判断することが重要です。

判断基準 説明
業務に支障をきたしている 適応障害による集中力の低下や不安感が、日常業務に影響を及ぼしている。
治療に専念する必要がある 医師からの指示に基づき、長期間の療養が必要な場合。
休職が無理な場合 休職しても改善が見込まれない、または休職制度がない場合。
会社側との調整が難しい 会社との話し合いがうまくいかず、ストレスが増大する場合。

これらの判断基準をもとに、適応障害での退職を検討することが適切です。

休職から退職した方にインタビューしてみた(切り出し方・退職理由・有給や退職後の出社など)

※各見出しをクリックしていただくと、具体的な体験談が読めるようになっています。

うつ病で休職したSEのAさん

1.休職した理由
うつ病を発症してしまったから。
システムエンジニアをしていましたが、無理な納期、無理な機能の開発、長時間労働(徹夜続きのような)といっ状態が長く続き、うつ病になってしまったため、業務を続けることが出来なくなり、休職を余儀なくされました。

2.退職を選んだ理由
もともと休職後に退職すると決めていましたが、とりあえず復職の可能性も残し、健保から休職手当も支給されるので休職を選択しました。
会社からすれば迷惑だったと思いますが、ソフトウェア業界では普通の手段だったので、まずは休職することを選択しました。

3.退職の意志
週一回ペースで会社の総務に状況を連絡することを義務付けられていました、休職開始3ヶ月くらいの定期的連絡の時に伝えました。

4.退職を伝え方
これ以上休職しても回復の見込みもないので、退職させて欲しい旨電話で伝え、退職願いは郵送にさせてもらいました。

5.プロジェクトの切れ目で休職にはいったので、引き留めはとくにありませんでした。

6.退職は法定通り2週間後でよかったのですが、その後給料の締め日を持って退職とさせてもらいました。
休職前に有給も残っていましたが、消化せず退職とさせていただきました。

会社へは出社せずに手続きしてもらいました。
私物と貸与品の返却(社員証とバッチ)に関しては宅配にて送付させてもらいました。

部署異動をきっかけにストレスで休職したBさん

私は20代後半のとき中間管理職として仕事をしていました。
部署異動によりこれまでの仕事内容から畑違いの仕事となり、基礎知識はあったものの一から知識及び技術の習得をしなくてはなりました。

この時、異動した部署では職務上の違反があったこともあり、上司及び部下ともに人間関係はよくありませんでした。
上司には作成した資料を確認してもらっても中々了解を得れず仕事は貯まる一方、部下からも異動部署の知識及び技術がなかったので信頼を得るのに苦労し、ストレスが貯まり、心身ともに疲労していました。

他部署の役職上上司にあたる人から社内カウンセラーへの受診を薦められ受診したとこ「うつ」と診断を受けました。 よっぽど様子がおかしかったのでしょう。
カウンセラーから会社に報告があり、とりあえず一ヶ月間の休職の辞令を受け、休職することになりました。

休職の間、実家に帰省し、心身の回復と病院の受診をしてました。
実家は家業を営んでおり、父から体を壊すぐらいなら今の仕事を辞め家業を継いで欲しいと言われ、会社とも相談し、家業を継ぐため転職することになりました。

もちろん、他の部署への再度異動など会社からの引き止めもありました。
退職まではなんとか復帰し、業務の申し送りや残務の処理など約半年ほど期間はかかりました。

その間、残務の処理に対しても上司は相変わらず了解を中々貰えないパワハラまがいのことを受け、最後にはケンカまでしてしまいました。

極めつけは退職日にまで提出済みの資料の修正を頼んでくるなど最悪のクソ上司でした。
退職して結構時間がたった今でもムカムカします。

転職後は、収入は減ったもののなんとか生活できています。
残っていた有給(代休)はそのまま捨てることとなり、給与への引き換えはなく、退職時期や業務の引き継ぎなどで半年間、出勤しました。
会社の私物は逐次自宅へ持ち帰り退職日までに片付けました。

妊娠をきっかけに休職したCさん

妊娠をしたため、産休・育休というカタチで休職の手続きをしていただきました。
残業が多い仕事のため育児との両立は不可能だと思い、妊娠が発覚した時点で本当は退職をしたいと考えたのですが、結婚前の妊娠であったことと正社員登用をしていただいてから約1年ほどしか経過していなかったということもあり、大変心苦しい気持ちで専務(社長の奥様)に報告をしたところ、会社として”女性が働きやすい職場”をPRしていくために育児休暇の実績を増やしたい時期であったことも重なり「退職」という言葉を出す隙さえ与えてもらえず。

妊娠=育休が当たり前の流れで話が進んでしまい、それを否定することができないまま臨月となり、そのまま産休に入るカタチになりました。
退職に至った理由は旦那さんの転勤による県外への引っ越しです。

転勤が決まった時点でメールで専務(社長の奥様)に連絡をし、退職を承諾していただけました。
自社の営業所が近くにあればそちらで復職の可能性もあったのですが、引っ越し先がちょうど営業所が近くにないエリアであったこともあり、過度な引き止めにあうこともなくスムーズに退職することができました。

退職の申し出をしたのが20日ごろだったと思うのですが、その月末には退職の扱いとなった気がします。

残っていた有給は結局使えませんでした。
専務は「有給は権利なんだから使いなさいね」とおっしゃってくれましたが、総務の方が有給消化の処理をしてくれなかったことが原因です。

すぐに有給処理されていないことに気づきましたが、指摘する勇気がなく、30日ほどの有給はそのままになってしまいました。
引っ越し先が県外だったということもあり、退職までの手続きは全てメール・郵送で完結できました。

会社の私物は休職する際にほとんど整理済だったので特に困ることはありませんでした。

適応障害で休職したDさん

退職した理由は、直属の上司との関係が上手くいかなかったことです。
「社会人として失格だ」「ミスは許されない」などの言葉を日常的に言われ続け、精神面・体調面が崩れ始めたことにより3日間会社をお休みしました。

どうしても会社に行く気力が湧かなかったため、休み中に心療内科に診察に行ったところ適応障害であることが発覚。
1カ月程度の休職を要するという内容の診断書を書いていただきました。

会社に事情を説明し、診断を受けた翌日から休職をすることになりました。
休職に入る際、原因となった上司から「診断自体が嘘ではないか」というような言葉をかけられ、休職に入るタイミングから復職は難しいのではないかと感じていました。

休職開始から半月後、直属の上司の上司から連絡がきました。
休職に至った理由を伝え、別のチームで復職できないかと打診されましたが、小さな会社で別のチームに配属されたとしても毎日直属の上司と顔を合わせることに変わりはないことに不安を覚え、退職の旨をお伝えしました。

その際、休職に至った理由については謝罪をいただき、復職した場合は毎日顔を合わせなければいけないことについては相手も理解していたので、強い引き留めはありませんでした。
退職日は上司の上司と電話をしてから半月後、休職期間を合わせて1か月後でした。

中途入社後4カ月での退職だったため、有給休暇は残っていませんでした。
リモートワークでPCや携帯など会社から貸与されたものが手元にあったため、返却のために一度出社しました。

一度出社した際、会社に置いてあった私物も受け取りました。

仕事を考えると過呼吸・涙が出るようになり休職したEさん

介護職の正社員をしていました。
夜勤や早番、遅番などがあるシフト制の仕事だったため、生活が不規則になり、眠れなかったり起きれなかったりを繰り返していました。

そんな中先輩社員との人間関係のトラブルがあり、仕事に行くのが嫌すぎて布団から出られなくなってしまいました。
職場に電話をかけることもできず(電話をかけようすると涙が出て過呼吸になってしまう)なんとか上司にショートメールを送り現状を報告しました。

その後2週間ほど家で過ごし、回復したため職場に電話連絡し、現在の体調を離したところしばらく休職することになりました。
2か月ほど経ったころ、再び職場から連絡がありました。

体調は回復していましたが、再び職場に行こうとするとまた過呼吸になってしまうのではないか、仕事をしている自分を想像するだけで涙がでそうになったたため退職したいということを伝えました。
職場の上司は復職することを待っていたようですが、電話の声が震えていたようで「残念だけど仕方ないね」と言っていました。

その電話が月の中旬だったため、その月末に退職するという形で話が進みました。
郵送で退職届や保険証などを送り、私物や離職票なども郵送で受け取りました。

有給は残っていなかったです。休職してから一度も会社に行かず退職しました。手続きや私物などすべて郵送でやりとりしました。

一度休職したものの改善せず、退職を決めたFさん

私が休職した理由は、体調不良になったからです。
中小企業で人が少ない中、社長とそりの合わなかった先輩達が次々と辞めていき、私に回ってくる仕事の量が多くなりました。

自分の仕事だけでも精一杯だった新入社員の私は、先輩の仕事まで頼まれて、朝から晩まで働いていると精神的にもおかしくなり、仕事ができないくらい身体的にも不調が現れました。
いわゆる、抑うつ状態です。

一度、休職して復職したことがありますが、仕事量は少し減ったものの精神的には変わらず、また体調を崩してしまい再び休職してしまいました。
その経験を踏まえて、環境を変えるために思い切って退職することを選びました。

休職中、実家で死んだように一日中ベッドにいる私を母が見かねて心療内科へ連れて行ってくれ、診断書を書いてもらいました。
声を出すことも難しかった私は、まず先輩に退職したい旨をLINEで伝え、先輩が課長へ、課長が社長へと話を繋げてくれました。

社長から家に電話がありましたが、母が対応してくれ、体調が戻ったとしても、また同じことを繰り返すかもしれないし迷惑をかけるという旨を説明してくれ社長も納得してくれました。
先輩からも社長からも、引き留めはありました。

勤務時間を短くし、仕事内容を変更するのはどうかと提案してくれましたが、職場が同じだと繰り返してしまうと思った為、断りました。
退職の申し出をしてから2週間後に退職できました。

ブラック企業だったからか、新入社員だった私には有給はありませんでした。
退職するまでに、退職にあたっての書類一式と診断書などを提出しなければいけなかったですが、郵送しました。

ですが、私物を取りに行くのと、社員の皆さんに挨拶しに行くために最後に一度出社しました。

1年3か月の休職を経て退職したGさん

病気のため、約1年3ヶ月休職していました。仕事をしていた際は一人暮らしをしていました。
しかし病気になり実家から職場まで通える距離ではなかったため退職しました。

また正社員としてフルで勤務する体力が無かったからです。
タイミングは休職期間が満了する2.3ヶ月前に職場から復帰するのかどうかを手紙で聞かれました。

そのため文面で退職することを伝えました。その後職場から退職届を提出するよう言われ、フォーマットが送られてきたため記入し、退職の挨拶に伺う際持参しました。
本当ならば職場から確認される前に自分で伝えた方が良いように思います。

退職理由は自己都合でした。
しかし、実際は休職期間満了による退職のはずなのに、自己都合の退職になっているため、これで良かったのかなと退職届を提出した後に思いました。

そのため就業規則を読み、職場に確認してから提出することをおすすめします。
理由によってはハローワークでもらう失業手当にも影響が出るかもしれません。

引き止めはありませんでした。
入職して1年目だったため、これからなのに残念だけど、体調に気をつけて過ごしてくださいと言われたと思います。

退職を申し出て休職期間満了日に退職しました。
有給は休職してすぐ使われたと思います。退職するまでは無かったです。

会社の私物は退職の挨拶の時と同日です。

障碍者雇用で休職⇒退職したHさん

私は障害者雇用でその職場には採用されており、コミュニケーション面には元から難があるのは伝えていたのですが、全員には伝わっていなかったようで人間関係で上手く行かなくなってしまい、仕事中に泣き出したり気分が悪くなるようになりこのままでは仕事にならないと思い相談の結果一ヶ月程お休みを頂きました。

その後精神科にも通い出し、別の部署で職場復帰したまでは良かったのですが、他の部署の方の仕事も掛け持ちして行っていた事により再度体調を崩しました。
最初は風邪と診断されましたが薬を飲んでも治らずもう一度病院に行くと頑張ろうと思っていても体がもう動けないとサインを出しているのだと言われました。

お医者様に長い休みを取ったほうがいいと言われ、今度は3ヶ月ほど休職させて頂く事になりました。
社長さんはいつでも戻ってきてくれて良いと言って頂いていたのですが、色々な事が重なり職場に行くと言う行為が苦痛に感じてしまう状態になってしまい、

障害者就労支援の方とも相談を重ねて退職の決意が固まったので辞めさせて下さいとこちらからお願いしました。
理解のある職場で本来であれば退職する一ヶ月前には話をしなければならないところ告げたその日に退職という形になりました。

有給の話は特に出ていませんでしたし、雇用保険等の関係で使われていたのかもしれませんが全てお任せしていたのでよくわかりません。
退職の日に私物の荷物は持って帰りました。

プレッシャーから休職したIさん

接客の仕事をしていたのですが、業務がほぼ個人で一貫して行うものであり、そのうえかなり高額な商品の提供の接客であったことからとてもプレッシャーを感じていました。
そして、そのプレッシャーからか、ストレスから身体をこわしてしまい、休職を申し出ました。

休職をしている間も、普段より職場からの連絡が絶えなかったので、連絡が来るのではないのかと気になってばかりで、体調の改善の見込みがなかったため、退職を決意しました。
退職の申し出はその部署のマネージャーに伝え、体調を壊してしまったこと、この体調の改善の見込みがないこと、復職したとしてもまた体調を崩してしまうのでないかと心配なことを伝えました。

マネージャーからは「なんとか会社から力になれることはないか」「会社の支えの中で復職のきっかけを作り出さないか」などとおっしゃって頂きましたが、やはり3点の懸念点から、それはおそらく難しいだろうということを伝え、退職の件をマネージャーから上の人へ伝えて頂きました。
退職を申し出てから、マネージャーより上の人はかけあって頂いたり、有給が約2〜3週間あったので残っていた有給分を使ったりとしていたため、退職は申し出てから2ヶ月ほどかかりました。

残っていた有給を全て使い切り、その間は職場からの連絡があったものの、特に出社の依頼はありませんでした。
有給消化の最終日に、挨拶回りとあわせて、まとめていた荷物を全て持ち帰りました。

 

いかがでしょうか?

やはり皆さん、一度体や心を壊して休職し、復職したとしても治る見込みがないと考えて退職されるようです。

ちなみに:「引き留めが怖い」「二度と出社したくない」「有給はしっかり消化したい」なら退職代行サービスがおすすめ

今回の体験談でもありましたが、お勤めの会社次第では

  • いくら退職を伝えても強く引き止められ、言いくるめられそうになったり、まったく話を聞いてくれなかったり
  • 退職を伝えた後の気まずい中、会社に挨拶や私物を取りに出社しないといけなかったり(何言われるかわかったもんじゃないですよね)
  • 誰もが使う権利のある有休を使わせてもらえなかったり

することがあると思います。

そういう場合には、第三者として間に入ってくれる退職代行サービスをぜひ利用してみてください。

 

退職代行サービスを利用すれば

  • 間に入って断固として会社に退職を伝えてくれる(本来は誰でも退職の意思を伝えれば必ず退職できますし、会社の同意があれば即日退職も可能
  • 明日から一度も出社する必要がなく退職できる(私物や書類などは郵送でやり取りするように伝えてもらえます。そもそも必ず出社して取りにいかないといけないわけではありません)
  • 有給を使いたい旨も伝えてもらえる(有給を使わせないのは違法であり、間に第三者が入ることで有給が使えるようになることがほとんどです/労働組合が運営している退職代行サービスだと特に強い)

という特徴がありますから。

>>退職代行サービスの全てがわかる解説ページはこちら<<

 

それではここからは、休職中に退職を伝える際のメール・電話・手紙の例文についてご紹介します。

会社への退職の伝え方

退職を伝える際には、適応障害というデリケートな事情を考慮し、慎重に対応する必要があります。以下に、退職を円滑に伝えるためのステップを示します。

(1) 退職を伝えるタイミング

適応障害で退職を決意した場合、退職の意向を伝えるタイミングが重要です。適切なタイミングで会社に伝えることで、スムーズに退職手続きを進めることができます。

タイミング メリット
症状が軽い段階で 業務の引き継ぎがしやすく、会社側も調整が可能。
休職期間中に伝える 症状の回復を優先できる。
診断書が出たタイミング 医師の診断書を基に退職を伝えることで、信頼性が高まる。

(2) 退職理由の伝え方

適応障害での退職理由を伝える際は、適切な表現で簡潔に伝えることが大切です。以下は退職理由の伝え方の例です。

状況 伝え方の例
上司との面談時 「一身上の都合により退職を希望しています。現在、適応障害の診断を受けており、医師からも休養が必要とされています。」
書面で伝える場合 「私の一身上の都合により、退職を希望いたします。適応障害の診断を受け、業務を継続することが困難であると判断しました。」

症状や治療内容に関する詳細は、必要以上に話す必要はありませんが、医師の診断書がある場合は提示することを検討しても良いでしょう。

休職中にメール・電話・手紙で退職の意思を伝えるための例文

まず退職の伝え方としては、流れとしては

  1. メール・電話・手紙で退職の理由や意思を伝え、別途退職届を郵送する旨を伝える
  2. 郵送でテンプレート的な退職届を送る

こうなります。

 

退職自体は”退職の意思を伝えること”だけすればいいので、以下のようなそっけない転職届をただ郵送すれば問題ありません。

退職願・退職届の書き方ガイドより引用:https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/guide/taishokutodoke/

 

ただいきなり退職届を送り付けても、貰った側は「どうしたの!?」と思いこちらに連絡してくる可能性があるため、一応は事前にメール・電話・手紙などで退職理由等を伝えておいた方が無難です。

 

また、必ず「退職願」ではなく「退職届」と書いてくださいね。

退職願ですと”退職の相談”となりますので、あまり効果的ではありませんから。

 

それでは休職中に退職を伝える例文をご紹介します。

(すべて今回のインタビューで教えていただいたものです)

メールで休職中に退職を伝える例文

例文1

業務上多大なるご迷惑をおかけしております、○○です。
休職を続けさせていただいておりますが、この度主治医より、業務を続ける言葉は困難であるという診断がなされ、また私自身も復職しても業務に戻れる自信もありません。

この状態のまま復職させていただいたとしても、再度会社にご迷惑をお掛けする事は間違いないと思います。
つきましては、退職とさせて頂きたいと考えております。

取り急ぎメールにて退職の意志をお伝えさせていただき、出社も困難な状態ですので、退職届けについては郵送にてご勘弁頂けるよう、よろしく御配慮お願いいたします。

例文2

●●さん、お久しぶりです。
●●課の●●です。

初めての育児で悩むことも多々ありますが、子供の成長を日々感じながら幸せな時間を過ごしております。
それも●●さんをはじめとした周りの方々に、安心して育休をとれる環境を用意していただけたからこそだと改めて感謝しております。ありがとうございます。

この度はご相談がありご連絡させていただきました。
急遽ではありますが●月から主人が●●に転勤することになり、私たちもそれについていくことになりました。

そのため●月からの職場復帰は難しい状態になりました。本当に周りの皆様によくしていただき仕事でも充実感を味わえる大好きな職場だったので非常に残念ではありますが、退職の方向で進めさせていただけませんでしょうか?

お忙しい時期に私事でお手数をお掛けして申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。

例文3

お疲れ様です。
お忙しいところ申し訳ございません。

現在、声を出すことが難しい為、LINEでの連絡失礼致します。
今回2度目の休職で、ご迷惑をおかけしております。大変申し訳ございません。

体調は少しずつ回復しておりますが、先日、心療内科に行きまして、抑うつ状態と診断されました。
以前のように、体調が回復したら復帰しようとも考えましたが、また同じことを繰り返してしまうのではないかと思っています。

皆さんにもご迷惑をおかけしてしまうと思いますので、環境を変えるためにも、退職させていただきたいです。
まずは先輩に報告をと思い、連絡させていただきました。
よろしくお願い致します。

例文4

お世話になっております。
先日から体調不良が続き、連日によりお休みを頂きましたこと、申し訳ございませんでした。

病院で診察して頂き、今の状態では完治するまでにはかなり時間がかかるだろうとのことでした。
その為、これからも皆様にご迷惑をおかけしてしまう可能性が非常に高いことから、大変申し訳ないのですが、退職をさせて頂きたく思います。

現在の仕事が勿論楽しく、好きではあるのですが、体調に左右されてしまう点が非常に心苦しく思っていました。
すみませんが、宜しくお願い致します。

電話で休職中に退職を伝える例

例1

上司の上司からの電話での質問に対し、答えるような形で退職を伝えました。

上司「これからも一緒に働きたいと思っている、他のチーム配属に変更することは可能です、今後どうしたいなどはありますか?」
私「他のチーム配属になったとしても、(今回休職の原因となった)上司と顔を毎日合わせなければならないことを考えると、復職は難しいと考えています」

上司「そうですよね。顔を合わせるのも辛いですか。」
私「はい、難しいと感じています。休職期間を終えたら、退職させていただければと思います」

例2

職場から電話がかかってきて、上司の言うことにこたえるという形で会話が進みました。
そこで退職したいということを伝えました。はっきりとは覚えていないのですがこのような会話だったと思います。

上司「体調はどうですか」自分「数か月前よりは体調も良くなり元気です」
上司「よかったです。職場の環境も今はいろいろと変わって、〇〇さんも異動になったり新しい職員さんも入ったりしていて、みんな心配しているんだけど、また働いたりできるかな」

自分「今は元気なんですけど、また職場に行こうと思うとまだ怖くて、働けるとは思わないです」
上司「そうしたら退職という形になっても大丈夫かな」自分「はい、そのほうがいいと思います。お願いします」

手紙で休職中に退職を伝える例文

例文1

下記は手紙でお伝えした内容です。
ご参考にしてください。

皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
お世話になっております。お返事が遅くなりましたが、休職期間の満了にともない、退職させていただきたいと思います。

この度は大変お世話になりありがとうございました。
退職のご挨拶に伺う際に退職届をお持ち致します。

ご挨拶で伺うご都合のよろしい日時等ございましたらお伝えいただけると幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。

 


診断書の提出とその役割

適応障害による退職を考える際には、医師の診断書が重要な役割を果たします。診断書は、症状の客観的な証明として会社側に提出することで、トラブルを避けるための手段となります。

診断書の項目 内容
症状名 適応障害などの診断名を明記。
休養の必要性 どの程度の休養が必要か、期間の目安を記載。
治療の指示 カウンセリングや薬物療法など、治療に関する指示が含まれることがある。
復職の可否 必要に応じて、復職の見込みや難しさについての見解が記載されることも。

診断書は、退職の正当性を証明するための重要な書類であり、会社側との話し合いをスムーズに進めるために役立ちます。

退職後の手続きとサポート制度

適応障害で退職した後は、いくつかの重要な手続きやサポート制度を利用することができます。以下に、退職後に利用可能な制度を紹介します。

(1) 健康保険と傷病手当金

退職後も健康保険を継続することが可能であり、適応障害で働けない状態が続く場合には、傷病手当金を申請することができます。

制度 内容
健康保険の継続 退職後も、任意継続制度を利用することで最大2年間、健康保険を継続可能。
傷病手当金 病気やケガで働けなくなった場合、最大1年6ヶ月間、給料の3分の2が支給される。

傷病手当金は、経済的な負担を軽減するための重要な制度です。特に、適応障害で療養が長引く場合には、この制度の活用を検討することが推奨されます。

(2) 雇用保険と失業手当

退職後に雇用保険に加入していた場合、失業手当の申請が可能です。ただし、適応障害で退職する場合には、失業手当の受給条件に注意が必要です。

制度 内容
失業手当 退職後、失業中に支給される手当。
自己都合退職 通常、3ヶ月の給付制限期間があるが、適応障害の場合、特別な理由と認められる場合もある。
特定理由離職者 病気やケガで退職した場合、失業手当の給付制限がなくなる可能性がある。

適応障害で退職する場合、診断書を持参してハローワークで申請することで、給付制限期間が短縮されることがあります。


以上になります!

今回は怪我などの外傷ではなくうつ病や適応障害の方にインタビューにご協力いただきましたが、メンタル面の問題は一度完全に頭の中から仕事を追い出さないとなかなか完治せず再発してしまう事が非常に多いと思います。

以下でも紹介しているように退職後に28か月間手当を受ける方法もありますので、まずはゆっくり休まれてください。

退職したいけどお金が心配?退職後28か月間手当を貰い続ける方法