疲れた顔のサラリーマン

「毎日のように残業しているのに、残業代がでない」「会社の規定だからと言って誤魔化されてしまう」など、残業代がもらえないことについて、疑問を抱いている人は少なくありません。

最近はサービス残業が当たり前だという風潮が強く、社会的に大きな問題になっています。
実は、会社が主張する「残業代が出ない理由」によっては、法律に違反している可能性があるのです。

この記事では、残業代が出ない3つの例や対処法について解説します!

「残業代がでない」は違法の可能性あり!

驚くビジネスウーマン

まず、労働基準法には、1日の労働時間や深夜労働などについて、定められています。

残業に関連する法律
  • 法定労働時間は1日8時間、週40時間以内
  • 週に1日もしくは4週間のうち4日は法定休日
  • 22時~5時は深夜労働として、割増賃金が発生する

上記のような法律があり、時間外労働や休日労働・深夜労働に対して残業代が発生します。

また、会社が労働者に残業させるには、「36協定」を結ばなければならないことをご存知ですか?
この協定がなければ、法定労働時間を超えて働かせることは禁止されています。

労働基準監督署に届け出をすることで、上限つきの残業が許可されます。
無限に残業させられるわけではないので、その点も注意が必要です。

残業代がでないことに慣れてしまっている人が多い

時計とキーボード

残業代がでない状況でもサービス残業をすることに慣れてしまっている人や、疑問に思っても言い出せない人は少なくありません。

上司や同僚がサービス残業をしていたら、自分だけ早く帰るのは気が引けてしまいますよね。
勇気を出して指摘しても、「みんなやっているから」と話を聞いてもらえないケースもあります。

会社全体が「サービス残業は当たり前」という風潮である限り、なかなか改善は難しいでしょう。

朝早く出勤したり、遅くまで残って仕事をすることが美徳とされる風潮はよくありますよね。
上記のツイートにあるように、本来は時間内に仕事を終わらせられる人が仕事のできる人です。
必要のない残業はなくし、正しい意識を持った会社が増えてほしいものです。

「残業代がでない理由」よくある3つの例とは

タイムカードとお金

1.タイムカードを定時に押さなければならない

残業があっても、定時にタイムカードを押さなければならない会社も多いのではないでしょうか。
別途残業の記録を提出できれば良いですが、サービス残業になってしまうケースもあります。

表向きでは「残業禁止」とし、残業しても残業代を出さないという会社もありますが、それは違法である可能性が高いです。
また、「残業代が出るのは45時間まで」という決まりがある場合は、先ほど説明した36協定に沿って上限を決めているのでしょう。

残業を禁止するならば、時間内に終わらせられる業務を労働者に回すべきです。
定時までに終わらせる努力をしても、残業しないと無理な業務量である場合は会社に責任があります。
そのような場合でも残業代がでないのならば、注意が必要です。

2.「みなし労働時間制」を利用して残業時間を誤魔化す

みなし労働時間制とは、前もって設定した時間の分だけ働いたとみなすものです。

「設定した時間を超えて残業しても、残業代はでない」と思ってしまいがちですが、残業代が発生するケースもあります。

例えば、みなし労働時間が9時間だったとします。
法定労働時間は8時間であるため、1時間は残業したことになるのです。
その分は残業代が発生するため、「支払えない」と言われた場合は違法である可能性があります。

また、固定残業代と同じ意味に捉えてしまう方も少なくありません。
固定残業代は、もともと給料に残業代が含まれているものです。
みなし労働時間制とは意味が異なるため、注意しましょう。

3.管理職は残業代がでないという規定がある

「管理職には残業代がでない」と会社に言われたという方は多いのではないでしょうか。
その理由は、労働基準法に「管理監督者には残業代を支払う必要がない」という内容が記載されているからだと考えられます。

しかし、必ずしも管理職が管理監督者に該当するとは限りません

管理監督者であるかどうかの判断基準例

  • 働く時間や仕事量を自分で決められる
  • 管理職として、十分な給料が支払われている
  • 人事関係のことなど、重要な仕事を任されている
  • 上記のように、会社の経営に関与するなど、重要な立場にある場合は管理監督者であると言えるでしょう。
    そうでない場合は、残業代を支払わないための肩書きである可能性も考えられます。

    残業代について、労働基準法で定められている!

    弁護士

    残業代については、労働基準法で定められたものと、会社ごとに定められたものがあります。
    会社の規則の内容にかかわらず、労働基準法に沿った残業代は支払わなければなりません。

    法定労働時間は、1日8時間、週40時間です。
    上記を超えた分は残業代が発生します。
    正社員だけでなく、アルバイトや契約社員にも適用される法律です。

    「労働基準法は関係ない」というスタンスの会社があるのも事実です。
    しかし、労働基準法は絶対なので、違反している場合は訴えることができます。

    残業代を請求するには?

    悩むビジネスウーマン

    証拠集めをしておく

    残業代を請求するには、証拠を十分に集めておくことが重要です。

    証拠になるものの例
    • タイムカードなどの勤務時間記録
    • 給与明細
    • 業務日報
    • 仕事のメール
    • 交通ICカード

    定時でタイムカードを押さなければならない場合や、会社に勤務時間記録がない場合は、自分で記録したものや時計の写真なども証拠になります。
    交通ICカードの履歴も、退勤時間がわかるため有力な証拠です。

    証拠がないと、「残業はさせていない」と支払いを拒否されるリスクが高まります。
    第三者にも残業したことがわかる証拠を集めておきましょう。

    直接会社に交渉する

    証拠を集めたら、直接会社に残業代について交渉するのも一つの手です。
    その際は、必ず提出用と保管用の証拠を用意しておきましょう。

    また、内容証明郵便を利用して請求書を送る方法もあります。
    郵便局が、公的に書類を郵送したことを証明するものです。

    十分な証拠により、会社が残業代の支払いに応じれば問題ありませんが、それでも拒否されるケースも少なくありません。
    その場合は労働基準監督署に相談することをおすすめします。

    弁護士に任せると安心

    自分で交渉するのは不安だったり、感情的になって冷静に話し合うのが難しそうだという方も多いのではないでしょうか。
    そのような場合は、弁護士に任せると安心です。

    証拠さえそろっていれば、法律に従って交渉を進めることができます。
    費用はかかってしまいますが、より確実にスムーズに解決するにはもってこいの手段です。
    相談無料の弁護士も多いため、まずは相談してみましょう。

    今すぐ辞めたい場合は退職代行もあり!

    退職届

    今すぐ会社を辞めたいという方もいらっしゃるでしょう。
    上司に退職の意思を伝えるのが億劫だったり、引き止めに合ってしまったりというケースも少なくありません。

    ストレスなくスムーズに退職したい場合は、退職代行サービスがおすすめです。
    退職代行とは、依頼者の代わりに会社と連絡を取り、退職の申し出や手続きを行うサービスです。

    最短で即日退職も可能で、退職のプロである第三者が間に入ることでトラブル防止に繋がります。

    まとめ

    残業
    残業代がでない例や、対処法について解説しました。

    最近は、サービス残業を当たり前だと思ってしまう人が増えてきています。
    しかし、残業代が支払われない会社は法律に違反しているケースが多いのが事実です。

    法定労働時間を超えて働いている場合、一度証拠を集めてみてはいかがでしょうか。
    「みんな我慢しているから」などと思わず、残業代を受け取りましょう。