悩む会社員

毎日のように残業しても残業代が出ないのは辛いですよね。
モチベーションが上がらず、自由な時間も奪われてしまいます。

いざ退職しようと思っても、自己都合での退職になるのか、会社都合にできるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。
どちらの扱いになるかによって、メリットとデメリットがあるため、詳しく知っておく必要があります。

この記事では、残業代が出ないことを会社都合の退職扱いにできるのか、面接時に退職理由を伝える際の3つのポイントなどについて解説します!

残業代が出ないことは退職理由になる

時計とスケジュール帳

残業代が出ないことが、退職理由としてふさわしいのか疑問に思う人も多いでしょう。

法定労働時間は1日8時間、週40時間と定められています。
上記を超えて労働した場合は残業代が発生するため、支払わないのは法律違反です。
働きが正当に評価されていないと、仕事のモチベーションが保てませんよね。

残業代が出ないことは会社に問題があるため、立派な退職理由になります。
「こんな理由で退職していいのか」と悩む必要はありません。

ただ、退職を考える際に問題になるのは、自己都合退職・会社都合退職のどちらの扱いにされるかです。
2つの違いについて、詳しく説明していきます。

自己都合退職と会社都合退職は何が違うの?

疑問を持つビジネスウーマン

自己都合退職の場合

自己都合退職の失業手当について
  • 2年間の間に12か月以上雇用保険に加入していることが条件
  • 手当が支給されるタイミングは、離職の翌日から7日間+3か月後
  • 支給される期間は90日~150日

残業が理由で退職する場合、自己都合の退職扱いにされてしまうケースが多いです。
会社は、国から雇用調整助成金などを支給されています。
会社都合での退職者が出ると、助成金の対象外になる場合があるため、自己都合扱いにしたほうが得なのです。

また、「残業の多いブラック企業」という悪いレッテルを貼られないように、会社都合での退職者は出したくないのが本音でしょう。

会社都合退職の場合

会社都合退職の失業手当について
  • 1年の間に6カ月以上雇用保険に加入していることが条件
  • 手当が支給されるタイミングは、離職の翌日から7日後
  • 支給される期間は、90~330日

自己都合の退職に比べ、失業手当の支給開始時期が早い上に、受け取れる期間も長くなっています。
転職する場合でも、金銭的な心配なく、時間をかけて準備をすることが可能です。

残業時間を理由とした会社都合の退職が可能なのは、下記のいずれかの条件を満たしている場合です。

  • 100時間以上残業した月が1カ月でもある場合
  • 3か月連続で45時間以上残業をした場合
  • 連続する2カ月~6カ月の平均残業時間が80時間以上の場合

会社都合の退職に変更することは可能?

疑問を持つ会社員

証拠を集めてハローワークに申し出る

自己都合の退職とされてしまったあとに、会社都合退職になり得る条件を満たしていることに気づくケースも少なくありません。

後から会社都合退職に変更するには、証拠とともにハローワークに申し出ることが必要です。
タイムカードや給与明細など、実際の労働時間を証明できるものがあれば、コピーしておきましょう。

しかし、残業代が出ない会社では、労働時間を正しく記録していない場合が多いのも事実です。
その際は、下記のような証拠が役立ちます。

残業の証拠として有効なもの
  • 業務日誌
  • 仕事のメール
  • 交通ICカードの履歴
  • 出勤・退勤時間のメモ
  • パソコンのログイン情報

会社都合退職にもデメリットがある!

失業保険のことを考えると、自己都合の退職よりも、会社都合の退職のほうがメリットが大きく感じられますよね。

ただ、会社都合で退職すると、転職活動で不利になる可能性があります。
その理由は、「会社の都合=本人の能力不足や成績の悪さ」と判断されてしまう場合があるからです。

仕事のできる人材を、会社の都合で解雇するということは考えにくいですよね。
そこから、会社のせいではなく、本人に非があったのではと疑われてしまうケースも少なくありません。

自分の経歴として残ってしまう点も理解しておきましょう。

退職後に残業代を請求することはできる?

残業代

退職後であっても、残業代を請求することは可能です。

ただ、請求できるのは過去2年分までであるため、早めに請求しなければ損をしてしまいます。
請求する際に必要な証拠も、在籍中のほうが集めやすいですよね。
退職後には処分されている場合もあり、用意するのが難しくなります。
できる限り退職前に請求するのが良いでしょう。

とは言え、在籍中には言いづらい場合や、会社に居づらくなるのは避けたいという場合もあるでしょう。
ストレス軽減を優先するならば、退職後の請求も一つの手段です。

面接時に退職理由を伝える時のポイント3つ

面接

1.明らかな違法行為は正直に伝えてOK

「サービス残業が辛くて退職しました」など、退職理由を正直に伝えて良いのか迷いますよね。
多くの人は、面接で自分を良く見せようと、「キャリアアップのためです」などと本来の理由を隠してしまいがちです。

もちろん意欲を見せることも大切ですが、明らかに会社の違法行為が原因である場合は正直に伝えても問題ありません

  • タイムカードを定時に押させて残業時間を記録しない
  • 私生活や体調に影響するほどの長時間労働
  • 残業代が出ない

上記のような違法行為で退職を決断するのは当たり前です。
「サービス残業を嫌がる社員を雇いたくない」というブラック企業でない限り、面接官は納得するでしょう。

2.前向きな退職理由に言い換える

「退職理由をそのまま伝えるとマイナスイメージになるのでは?」と不安な方も多いのではないでしょうか。
その場合は、前向きな退職理由に言い換えることがおすすめです。

前向きな言い換えの例
  • 働きに対して正当な評価を受けたい
  • 仕事の効率を上げ、結果を出したい
  • オンとオフを切り替え、モチベーションを維持したい

上記のように言い換えれば、仕事に対する熱意が伝わり好印象です。
残業すること自体が嫌なのではなく、正当な評価が欲しいということを伝えましょう。

3.労働環境の改善を試みたエピソードを話す

サービス残業が辛いという思いから、退職前に労働環境の改善を試みたことはありませんか?
そのようなエピソードは、自己アピールに効果的です。

エピソードの例
  • サービス残業によって会社全体のモチベーションが下がっていたため、残業代について上司に交渉した
  • 一人一人の業務量が膨大であったため、分担の仕方について提案した
  • 帰りづらい雰囲気の中でも必要ない残業を拒否した

上記のように、サービス残業の実態を変えるために行動したのにも関わらず改善されなかったならば、それは会社の責任です。
「率先して動ける」「責任のある仕事を任せられる」というイメージに繋がるため、アピールとして伝えましょう。

スムーズに辞めたい場合は退職代行もあり!

退職願

今すぐ辞めたくても、圧力をかけられたり、言い出しづらいというケースも少なくありません。
その場合におすすめしたいのが、退職代行サービスです。

退職代行サービスの特徴
  • 退職の申し出や手続きを任せられる
  • 出社せずに退職することができる
  • 上司や同僚に会わずに済むため、ストレスが少ない
  • 有休消化などの希望も伝えられる
  • 脅されるなどのトラブルが起こりにくい
  • 最短で即日退職も可能

退職のプロが間に入ることで、ストレスなくスムーズに退職することが可能です。
無料で相談できるところも多いため、ぜひ検討してみてください。

まとめ

サービス残業が会社都合の退職理由になるのかどうかや、面接時のポイントについて、解説しました。

同じ退職理由でも、自己都合か会社都合かによって失業手当の規定が大きく異なります。
確実に会社に責任がある場合は、在籍中にできる限り証拠を集めておくことがおすすめです。

これから転職活動をする方は、残業が理由で退職したことを隠そうとする必要はありません。
前向きな理由に言い換えたり、仕事に対する熱意が伝わればきっと上手くいくはずです。

この記事を参考に、自信を持って面接に挑んでくださいね!