私たちが仕事を辞めたいと上司や会社に相談した時、引き止めによく使われるのが就業規則です。
例えば
- 就業規則で退職は○○日前までに言えと決まってるだろ!
- 就業規則で退職までに有給は取らせないと決まってるだろ!
- 就業規則で今退職すると、違約金や罰金が発生するけど、いいの?
こういった類のものですね。
確かに就業規則は、労働基準法で一定数の従業員のいる職場では作成が義務付けられています。
でも、本当に就業規則の効力は絶対なのでしょうか?
仮に就業規則を守らないで、就業規則を破って退職すると私たちはどんなデメリットがあるんでしょうか。
退職をいつまでに言うか、法律では決まってないのでしょうか。
この記事で、ご紹介しますね。
ちなみに就業規則のお話は、正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイト、新入社員など基本的には共通したお話になります。
就業規則の「退職は何日前までに」って絶対無視できないの?
私たちが退職する時に最も気になるのが、就業規則に書かれている「退職の意思表示は退職する日の○○日前までにしなければならない」というものです。
「ネットには2週間経てば辞められるって書いてあったけど、会社の就業規則には数カ月前って書いてるし…ウチの会社のルールだし守らないといけないのかな」
そう思われている方もいるかもしれません。
でもその就業規則の「退職を申告すべき日」というのは、労働基準法違反で決められたものではなく、あなたの会社が勝手に決めたものなんです。
ちなみに余談ですが、この「退職届は〇日前までに」というのは、14日前、30日前、2か月前、3か月前…ひどい会社だと半年や1年半前と設定しているところもあるようです。
ただ一番多い期間は、30日前のようでした。
それで、この「会社が決めた退職のタイミング」は守らないといけないの?
では仮に、会社が就業規則で退職のタイミングを1年2年と設定しても、それを守らないといけないのでしょうか?
もちろん、そんなわけはありません。
民法627条の規定では、「雇用は、解約を申し入れた日から二週間を経過することによって終了する」とされています。
そしてこの民法、就業規則より優先されます。
つまり仮に就業規則に「退職の30日前に伝えるように」と記載があったとしても、法律が優先されるので、法的には二週間で退職したとしても問題ありません。
会社がなんと言おうとも、私たちは退職の意思を伝えてから2週間後に合法的に退職できます。
会社の就業規則は、決して私たちの退職を無効にはできません。
もし仮に、2週間以内に退職したい場合は?
就業規則に仮に「30日前までに退職の申告をするように」と書かれていても、私たちは2週間で辞められると話しました。
ただし中には、2週間以内…例えば1週間前や数日前、当日に仕事を辞めたいと思う事もあるかもしれません。
しかしこれは就業規則はもちろん、民法で決まっている2週間という期間も超えてしまっています。
では絶対に2週間以内に退職できないのかというと、実はそういう意味ではないんです。
この民法で定められた2週間は、「仮に2週間以内で辞める場合は、その結果会社で損害が出た場合は、会社側が損害賠償請求する可能性もありますよ」という意味です(参考:退職に関して就業規則の効力)。
つまり会社と同意があれば、2週間以内でも即日退職でも、何も問題なく退職できるわけです。
(会社との合意がなくても、即日退職したい方はこちら)
また「損害賠償請求が可能」と話しましたが、実際に訴えられる例はほとんどありません。
(※就業規則にあらかじめ「〇日以内に退職した場合は違約金が発生する」と設定するのも違法となります。
この辺りが心配な方は、以下の記事も参考にしてください)
就業規則で「退職する際に有給消化できない」と書いてある場合は?
退職する際に便利なのが、有給休暇の消化です。
退職前に有給を使ったほうがお得ですし、14日分残っているなら実質即日退社できますもんね。
但し会社の中には、「退職前の有給取得は認めない」と定めていることがあります。
しかしこれも会社が勝手に定めたルールで、法的には有給を明日からでも消化できますし、それは退職の直前でも関係ありません(参考:退職につき有給消化をしたいのですが)
※ちなみにですが、「有休を認めると通常の業務が困難となる場合、会社側は申請された有給休暇を別の日に変更してかまわない規定(時季変更権)」というものがあります。
ただしこの規定は「代わりの有給を消化できる日があること」が前提なので、退職日が決まっている場合は、退職日以降は有給を消化できる日がないため、時季変更権は無効になります。
要するに、退職する際の有給消化に関しても、就業規則関係なく私たちは消化することができます。
それでも「会社に辞める」と言いづらい時は?
この記事では、
- 就業規則より民法627条が優先されるため、退職の意思を伝えてから二週間経てば、就業規則を無視して退職できる
- 会社と私たちの間で合意があれば、2週間より前でも、即いつでも退職できる
- 会社の合意がなく2週間より前に退職すると、損害賠償を請求される可能性がある(実際はごくまれ)
- 有給休暇も、退職前にすべて消化することができる
と説明しました。
つまり退職届を叩きつけて2週間で会社に行かなくなっても構わないのですが…そうはいっても
- 有給が残っていなかったり
- 会社に退職したいこと自体を伝えるのが気まずかったり、
- 退職を引き止められた時に「でも就業規則より民法が優先されるんで――」と説明できなかったり
する方も多いと思います。
そんな時はぜひ、退職代行サービスというものを使ってみてください。
退職代行サービスは私たちの代わりに退職を伝えてくれるサービスですが、「もし裁判になった時には、会社側の無理な主張を連絡記録として提供できる」という側面もあります。
なので退職代行サービスに頼むと、会社側も民法に違反していることを第三者に知られて大事にされては困ると思って、アッサリ退職を認めてもらえることがほとんどです。
(ちなみに退職代行サービスで、退職が断られることはほぼ0に近いです)
その他にも、以下のような特徴もあります。
- 今この瞬間から、一言も会社の人と話さず退職できる
- これまで退職を拒否されたことがない
- 訴えられたこともない
- 最短で即日退職可能
- ほとんどの場合は有給も給料ももらえる
- 退職後の手続きのサポートもしてもらえる
詳しくは以下の記事を読んでみてください。