辞めると伝えても退職させてくれない理由の一つに、仕事の引継ぎがあります。
要するに「後任がいないから退職しないでほしい」というもの。

こういわれると、責任を感じてズルズルと退職を先延ばしにしてしまう方も多いのだとか。
その結果、なかなか引継ぎが決まらずに1カ月、2カ月、3カ月、半年…となかなか退職が決まらない事も多いんですよね。

 

このような引継ぎがいつまでも始まらない時って、どうすれば早く退職できるんでしょう?
そもそも引継ぎって、守る義務が法律で決まってたりするんでしょうか?

面倒な引継ぎを無視して、無理やり退職するのは違法なのでしょうか?
この記事でご紹介しますね。

 

まずは、引継ぎが原因でなかなか退職手続きが進まなかった方の体験談を紹介します。
最終的には無事退職できた方の体験談なので、参考になると思います。

引継ぎが決まらない、終わらなくて退職を引き止められた方の体験談…結局どうなった?

※枠内をスクロールしていただくと読めます。

職種は接客業で雇用形態はパートです。
従業員の中でも2人しかできない仕事を行なっており、後継ぎがいないから困ると止められました。

ちなみに普段は3人で行うものですが1人辞めてしまっていたためカツカツの状況でした。
その前からもお金が厳しいから(暇な日はカットされたりしていました)近々辞めようと思っていると伝えてはいたのですが、引き継ぎについては何も準備してもらえていない状態でした。

 

こちらも引きとめられては困ると、何回か話し合った上、急遽後継ぎの方に急ピッチで教えることになりました。
仕事量がかなりあるためその方にもかなり迷惑をかけたと思います。

結局予定より2週間ほど延びての退職となりました。
なぜ辞めたい旨の話をした際に準備していてくれなかったのか、今でも腹立たしく思います。

 

田舎で求人を出しても人が集まらない福祉施設で事務・経理の正社員として働いていました。
結婚が決まった3月に半年後の9月に辞めたい旨の退職願を出しました。

転居先が通勤に片道3時間かかる場所だったので、会社側は一旦受領したものの、6月頃になって「12月末まで延ばしてくれないか」と言いました。
仕事を引き継げる人がいなかったため、仕方なく12月末まで延期しましたが、結局12月の時点でも引き継げる人が見つからず3月末まで勤務することになりました。

3月末の時点で引き継げる方は見つかっていたのですが、引継ぎの時間がまったくなかったので、4~5月も10日ずつ短時間のアルバイトとして勤務しました。
最終的に辞められたのは、退職願を出してから1年2ヶ月後でした。

 

私は大学を卒業してからすぐに地元の旅行会社へ就職しました。
もともと、添乗員になりたくて旅行会社へ就職しましたが、希望とは違う窓口業務をさせられました。

支店長からは「来年には添乗に行かせる。」と言われ続けていましたが、3年経っても、添乗に行くことはできませんでした。
また、仕事はとても忙しくて、毎日3時間ほど残業をしていました。

 

繁忙期には自宅に帰ることができないぐらい忙しかったです。
ある日、体調を崩すして、病院を受診すると、過労による症状だと言われました。

そのため、会社を辞めることを決意しました。
支店長に辞表を出しに行くと、引継ぎが終わってから辞めて欲しいと言われ、1ヶ月かかえて引継ぎを終えました。

 

しかし、その後も「あれの引継ぎは?」、「これの引継ぎは?」と言われ、結局辞めるまでに3ヶ月程かかりました。
辞めるまでに時間はかかりましたが、ブラックな企業だったので辞められて安心しました。

 

わりと有名な食品関係のメーカーで事務職、正社員をしていましたが、このご時世に年功序列、女性はお茶汲みコピー取り、というような会社でした。
結婚してしばらく勤めていたのですが「いつ子供作るの?」「子作りしてるの?」と公然のセクハラ発言に嫌気がさし、退職することにしました。

ところが後任がなかなか決まらず、派遣を探している、や新入社員を配属するから教育してくれ、など二転三転してのらりくらりと日々が経過してしまいました。
私は10数年間同じ部署におり、難しい仕事ではないものの同じレベルで任せられる人材が見つからなかったようでした。

 

結局半年くらい待ってくれ、と言われ、その間にもセクハラ発言、パワハラ発言をされたので「夫の転勤が決まった」と嘘をついたところ慌てて他の部署の女性を配置してくれました。
その方は私よりベテランだったので内情を理解してくれていたので業務の引き継ぎ自体はスムーズに終わりました。

人材の確保に時間がかかった、という体験です。

 

エステティシャンとして正社員で働いていました。
主任として役職も頂いており、部下もいて指導する立場でもありました。

結婚をする予定で相手とも話し合い、生活にズレが生じてしまうために退職を決意しました。
少しずつ役職者も揃ってきてはいましたが、新人さんが入っても続かない場合も多く、常に社員を募集している状態でした。

 

半年以上前から上司に話はしていましたが、ギリギリまで部下を育ててほしい、役職者が一人いなくなるのは辛いから最低でも一人は役職者として働けるようにしてほしいと言われました。
私の仕事の引き継ぎを毎日教え、とても忙しく大変でした。

結局期間が伸びに伸びて、退職できたのは一年後でした。
なかなか認めてもらえませんでした。

 

いかがでしょうか?

上の体験談を見てわかるように、「引継ぎがいないから…」というのは、ただ辞めさせたくないから言ってるだけのことが多いんですよね。
それを証拠に、一つ引継ぎが終わると「次はこれ」「これは?」「じゃあこれも」という風に、いつまでも引継ぎが終わらないで引き伸ばしにあってますよね。

その結果、今回の例では後任が見つからず長くて1年2カ月も退職が伸びた方もいました。

そもそも、引継ぎができないと退職はできないの?

先ほどは「引継ぎがいないから退職は無理」と言って、強制的に働かせ続けさせられている方もいると説明しました。
これってつまり、引継ぎが終わるまでは退職できないという意味なのでしょうか?

弁護士の先生曰く、「簡単なメモ作成など、できる限りの引継ぎをすれば問題ない。それ以上は人材を用意できない会社側の責任」とおっしゃっています(参考:引継ぎがないままでの退職について
つまり必要以上の引継ぎは不要で、特に今回の体験談のような「ただ仕事を辞めさせたくないから、いつまでたっても引継ぎを終わらせないケース」に、いつまでも付き合う必要はないというわけです。

 

また退職前に有給を使おうとした時に、会社「引継ぎができていないから、有給は使えない」なんて言われた方もいるかもしれません。
しかし有給に関しても私たちは退職前に自由に取ることができますし、仮に就業規則に何か書かれていたとしても、退職前に有給消化をさせないのは労働基準法違反なので守る必要もありません(参考:退職につき有給消化をしたいのですが

私たちは最低限の引継ぎメモを作れば、2週間後には合法的に退職できます。
引継ぎが間に合わないからといって退職時期を後ろにずらす必要はありませんよ。

それでも退職を押し切るのが怖かったり、即日退職したい場合

「過度の引継ぎは必要ないから、退職届を出して2週間後には辞められる」

こう話したものの、中には

  • そうはいっても会社や上司がとにかく難癖をつけてきてめんどくさい
  • 退職後に嫌がらせをされないか不安
  • 本当に嫌いだから、2週間も待てない。1週間、できれば即日退職したい

そういう方もいると思います。

 

そんな時はぜひ、退職代行サービスというものを使ってみてください。
退職代行サービスは私たちと会社の間に入って、私たちの代わりに退職を伝えてくれるサービスです。

連絡は全て代行業者を通じてやり取りするので、私たちは今この瞬間から会社の人間と一言も話さず退職できるという特徴があります。
でも、それだけではありません。

 

実は退職代行サービスには「裁判の時は、会社側の無理な主張を連絡記録として提供できる」という側面もあります。
つまり「引継ぎしないと絶対に辞めさせない!」というおかしな主張も第三者に記録として残されてしまうかもしれないので、会社側も「これはまずい」と思って、今までが嘘のようにすんなり退職を認めてもらえることがほとんどなんです。

ほかにも、以下のような特徴もあります。

  • これまで退職を拒否されたことがない
  • 訴えられたこともない
  • 最短で即日退職可能
  • ほとんどの場合は有給も給料ももらえる
  • 退職後の手続きのサポートもしてもらえる

詳しくは以下の記事をお読みください。

⇒退職代行サービスの仕組み、流れ、値段、法的な問題などについて