中高年のビジネスマン

「管理職に就いてから退職したいと思うようになった」「管理職に就きたくない」という人は、少なくありません。
管理職は通常の社員と違い、部下のサポートや教育など、幅広い業務を請け負います。

課される責任が大きいため、ストレスが溜まりがちな立場です。
さらに、管理職の退職は会社にとってもダメージが大きいため、なかなか踏み出せない人も多いでしょう。

この記事では、管理職によくある3つの退職理由や、退職・転職するときのポイントを解説します!

管理職によくある3つの退職理由

部下を指導する上司

1.上司からの圧力に耐えられない

中間の管理職によくある悩みが、上司からの圧力です。

管理職は、部下や仕事のチームの成長にも気を配らなければなりません。
結果が出せなかったり、部下がミスをすると、責任を問われることもあります。

先を読んで的確な指示を出す力も求められるため、働きづらさを感じて退職する人も少なくありません。
特に結果が第一の会社では上司からの圧力が強く、そのストレスは一般社員だったころとは比にならないでしょう。
立場上、責任感やプライドから、社内に相談できる人がいないケースが多いのも事実です。

2.業務内容に対する給与に不満がある

業務内容に対する給与に不満があるというのも、管理職が退職する理由の一つです。

結果を出さなければというプレッシャーや、時には厳しく指導しなければならないという毎日で、仕事が辛くなってしまう人も少なくありません。
残業や会議があっても、残業代が出ないケースも多いのが事実です。

責任ある立場でストレスが溜まる日々なのに、給与に不満があるとモチベーション維持が難しいですよね。
給与は働きに対する評価とも言えます。
「評価されていない」「頑張っている意味が分からない」などと思うのも無理はないでしょう。

3.部下との関係が上手くいかない

管理職になると、部下の成果やミスが自分の評価につながることも少なくありません。
部下を成長させるために、厳しい指導をしなければならない場面もあるでしょう。

現在はパワハラが問題視されており、正しい指導基準が曖昧になっている部分もあります。
部下によって、「これはパワハラだ」と判断する基準は異なります。
部下のためを思っての行動が、パワハラとして受け止められてしまう可能性があるのです。

もともと叱ることが苦手なタイプの人にとっては、難しい問題ですよね。
適度な距離感がつかめず、部下との関係が上手くいかないことで悩む人は多いでしょう。

管理職が退職すると周りが困る?

考えるビジネスマン

管理職の退職が、一般社員よりも周りに影響を及ぼすことは何となく想像できるのではないでしょうか。

まず、会社にとって管理職の席が空くのは困ることです。
すぐに引継ぎができるように、後任を決めなければなりません
社内に適任者がいない場合、引き止められる可能性が高くなります。

また、部下から慕われている人ほど、退職による影響が大きいでしょう。
「あの上司だからついていったのに」「次に管理職は誰なんだろう…」と不安になる部下もいます。
一緒に働く上司が変わることで、部下は少なからずストレスを感じるのです。

管理職が退職することは決して無責任ではありませんが、周りに大きな影響を与えるのは事実です。
余裕を持って退職を申し出れば、後任を決めたり、部下の不安を和らげたりと、会社のためにできることが増えます。
急な退職は取引先にも影響することがあるため、期間を設けて円満に退職できるようにしましょう。

管理職の人が退職する際のポイント3つ

ポイントを指す男性

1.会社が対応しやすい時期に退職する

管理職の退職は、周りへの影響が大きいものです。
就業規則の内容よりも、周りへの配慮を優先するのが理想的です。
後任を決め、引継ぎを完了させるために、2ヶ月程度は余裕を持って退職を申し出ましょう

また、繁忙期や退職者が多い時期を避けるのもポイントです。
特にボーナスは支給された直後は、退職する人が出てくるケースも少なくありません。
新入社員が入る4月は人事異動がしやすいため、3月いっぱいで退職するのも良いでしょう。

「管理職なのに退職するのは…」と躊躇するかもしれませんが、周りへの配慮ができていれば円満退職は可能です。

2.納得されやすい退職理由を伝える

退職するとなると、その理由を聞かれることがほとんどです。
無責任だと思われる理由や、会社との関係が悪くなる理由は避けたいですよね。

退職を申し出ても、そこから数ヶ月は働くことになります。
お互いに気持ち良く円満退職するためにも、会社を批判するような退職理由は伏せましょう

退職理由の例
  • 新しい分野に挑戦したい
  • 起業して独立したい
  • 病気の家族を介護するため

上記のような理由であれば、会社を非難する要素がありません。
引き止められたりトラブルになるリスクは低く、納得させることが可能です。

3.転職先に求める条件を整理しておく

転職することでどんな環境や待遇を望むのか、どのような業種にするのかなど、転職先に求める条件を整理しておくのも大切な準備です。

管理職を経験した人であれば、語れる実績やエピソードはたくさんあるでしょう。
好待遇を希望するならば、自分の経験やスキルを武器にどうアピールするのかを整理することも必要です。

ただ、前職と同じレベルの待遇が受けられるとは限りません。
あまり欲が強すぎると、選択肢が少なくなってしまうケースもあります。
転職先に求める絶対条件を整理するだけでなく、「ここは最悪妥協してもいいかも」という条件も考えておくと役立ちます。

管理職の人が転職活動をする際のポイント

履歴書

焦らずゆっくりと見極める

焦って転職先を決めて、後悔したら元も子もありませんよね。
管理職に就くまで会社に居続けた人であれば、転職活動をしながらでも「まだ焦らずに続けよう」と思う人が多いのではないでしょうか。

退職後に転職活動をするのも一つの手ですが、在職中であれば比較しながら見極めることができます。
もし、今の会社よりも魅力的なところがなければ、退職しないという道もあるのです。

また、転職先で管理職に就きたくないという人も少なくありません。
経験を積むごとにリーダーや管理職を任される会社が多いため、避けるのは難しい場合もあります。
小さな企業に絞ることや、派遣社員も視野に入れると、条件に合った会社が見つかる可能性もあるでしょう。

転職エージェントを活用する

自力で起業を研究するのは限界がありますよね。
自分のリサーチだけでは不十分な場合は、転職エージェントを活用しましょう。

同じ企業でも知らなかった情報や、より詳しい労働環境を知ることができる可能性があります。
多くの求人があり、選択肢が広がるのも魅力の一つです。

また、自分のキャリアや希望の条件をもとに、担当者と一緒に企業を絞ることができます。
自己PRなど、面接についての相談もできるため、心強い味方になるでしょう。

辞めづらい場合は退職代行も視野に

OKサインをする男性

管理職を退職する責任は、一般社員よりかなり重く感じるでしょう。
会社から引き止められたり、圧力をかけられて辞められないという人も少なくありません。

そのようなストレスから抜け出して退職したい場合は、退職代行サービスを利用しても良いでしょう。
退職のプロが代わりに会社と連絡を取り、退職の申し出や手続きを行います。

退職者が直接申し出た時は圧力をかけていたとしても、第三者をはさむことでスムーズにいくケースが多くあります。
出社せず、最短で即日退職も可能です。

ただ、管理職が突然退職すると、会社全体が混乱することも考えられます。
利用する際は慎重に判断しましょう。

まとめ

中高年のビジネスマン

管理職によくある退職理由や、退職・転職するときのポイントについて解説しました。

管理職は、上司からの圧力や部下との関係に悩んだり、働きに見合った給与が受け取れなかったりとストレスが多い立場です。
一般社員のころと比べ、働きづらさを感じる人も少なくありません。

「管理職なのに退職したら迷惑がかかる…」と思ってしまいがちですが、退職まで期間を設けてしっかり引き継げば問題ありません。
引き止められる可能性は大いにあるため、強い意思を持って申し出ましょう。