「大学病院を辞めたい…」「医局に所属するべきか迷っている」
そんな悩みのある医師の方は多いのではないでしょうか。
最近では医局に入らない人が増えており、進む道が多様化しています。
医師が大学病院・医局を辞めたいと感じる理由や、上手な辞め方についてご紹介します!
目次
「医局に入らない」という選択をする医師は増えている?
日本では、医学部を卒業したのちに大学の医局に入り、研究や診療で経験を積んでいくスタイルが王道とされています。
しかし、最近は大学病院で研修を希望する医師が減ってきているんです。
その理由として、新臨床研修制度により、研修を受ける医療機関を自由に選べるようになったことが挙げられます。
都心での研修を希望する医師が増加し、地方へ派遣される医師が年々減ってきているのです。
また、所属する医局によって患者の層や症例が異なります。
経験できる分野に偏りが出やすいことから、医局での研修にマイナスなイメージを持つ人も少なくありません。
とはいえ、学びたい分野が明確に決まっている場合は、その分野に強みを持つ医局に所属すれば十分な経験を積むこともできます。
医師が大学病院・医局を辞めたいと思う4つの理由
1.人間関係がうまくいかない
多くの医師が所属する医局では、派閥や上下関係がはっきりしているケースも少なくありません。
そのような人間関係に配慮しながら働かなければならないため、ストレスに感じてしまう場合があります。
また、卒業した大学の医局であれば比較的馴染みやすいですが、別の大学へ入局する医師もいます。
すでに出来上がっている人間関係の中でなかなか打ち解けられず、悩んでしまうこともあるでしょう。
2.労働条件が厳しい
土日出勤や交代制での勤務などで、なかなか休みが取れない環境であるケースもあります。
職場での拘束時間が長く、ワークライフバランスが取れないことで悩む医師も。
連日の勤務や急な対応も考えられるため、心身ともに疲弊してしまうこともやめたくなる理由の一つでしょう。
3.待遇に不満がある
大学病院で働く医師の給料は、民間病院や開業医などと比較して少ない傾向にあります。
中には副業でアルバイトする医師もおり、待遇に不満があるという声は珍しくないのです。
良い条件で働きたいと考えるならば、退局や転職を考えるのも一つでしょう。
4.キャリアアップが期待できない
所属する医師が多い医局では、患者の数によっては担当できるオペが少なくなってしまうことが懸念されます。
実践で経験を積むだけでなく、研究にも時間を割かなければならない医局。
なかなか成長できず、キャリアアップが期待できないと考える医師も多いようです。
別の分野で経験を積みたいと思った場合、所属している医局では実現できない場合もあります。
将来のビジョンを明確にして、環境を変えることも大切かもしれませんね。
大学病院・医局を辞めるメリットは?
医局の人事・人間関係から解放される
医局に所属していると、転勤や異動を突然命じられる場合があります。
すると、結婚や子育てなど、私生活との両立が難しくなってしまうことも考えられます。
転勤がない病院に勤務できれば、ライフイベントに対応したり、キャリアについても計画が立てやすくなるでしょう。
また、医局での人間関係に悩んでいる場合、そこから解放されるのも大きなメリットです。
同じことで悩まないよう、転職先を慎重に選ぶことも重要ですね。
待遇が良くなる可能性が高い
先ほどもあったように、大学病院は他の病院に比べて給料が低い傾向にあります。
待遇の悪さから、業務内容に見合っていないと悩む方も少なくありません。
他の病院に転職すれば、待遇面での悩みを解消できる可能性があります。
新たな経験を積み、スキルアップができる
医局での研究やオペでなかなか新しい分野に挑戦できないと悩む医師も多いでしょう。
希望する専門科がある場合や、極めたい分野が明確になった場合は、思い切って環境を変えることも大切です。
将来開業したいと考える医師にとっても、殻を破ってスキルアップできる環境に飛び込むことには大きなメリットがあるでしょう。
大学病院・医局を辞めるデメリットは?
研究に割ける時間が減る
医局では臨床経験だけでなく、研究にも多くの時間を使います。
論文発表もあるため、特定の分野に深く関心がある方にとっては向いている環境とも言えます。
その他の病院では臨床経験をする場面が増えますが、その分研究に励む時間が減ってしまう可能性があるのです。
メリットとデメリットを天秤にかけて、どちらが合っているのか考えてみてはいかがでしょうか。
学位が取得できない
医局を辞めてしまうと、医学博士の学位を取得する機会を逃してしまいます。
また、専門医の資格を得たい場合、所属する医局で実現可能ならばやめるのは慎重に考えたほうが良いかもしれません。
医局では教授職などの地位に昇進するチャンスもあるため、キャリアビジョンを見つめ直すことも必要です。
また、留学して研究したい場合は、医局の教授の人脈に頼るのが近道です。
日本の医師免許は海外で通用しないため、留学を希望する方は医局に所属し続けたほうが良い場合もあるでしょう。
大学病院・医局を辞めるときのポイントは?
余裕を持って早めに辞めることを伝える
どんな職業にも言えることですが、辞めるときはなるべく猶予を持って伝えることが大切です。
突然人材が減ってしまうと、人事の都合で医局側が困ってしまう可能性があります。
所属している医局でどんな役割を担っているかによっても、辞めるときの影響の大きさは異なります。
医局側が余裕を持って調整できるよう、早めに行動していくことで円満に退局しやすいでしょう。
理想としては、最低でも半年ほどの余裕を持たせることが大切です。
ネガティブな理由は伝えない
例えば、「業務内容がきついから辞めたい」「人間関係に不満がある」など、ネガティブな理由を伝えてしまうと、悪い印象を持たれる可能性があります。
また、その不満が解消できれば問題ないと判断され、引き止められるケースも考えられるのです。
そこで、「身内の介護で実家に戻る」「別の分野で経験を積んでいきたい」など、引き止められにくい理由を伝えるのがポイントです。
医局側の力ではどうにもならない理由であれば、スムーズに受け入れてもらえるでしょう。
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まとめ
医師が大学病院・医局を辞めたいと感じる理由や、辞めるときのポイントについて解説しました。
医局では学位が取得できたり研究に時間を割けるというメリットがありますが、待遇や経験できることの偏りに悩む医師も少なくありません。
将来のビジョンが明確になっている場合、大学病院以外で働いたほうが良い場合もあります。
ご紹介した転職サイトを参考に、ぜひ次のステップへ動き出してみてください!
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