転職時の履歴書作成でやってはいけないこと3選

転職時の履歴書作成は、採用プロセスにおける最初のステップとして非常に重要です。採用担当者は、多くの履歴書を短時間で確認するため、ミスや不適切な内容があれば即座にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、転職時の履歴書作成で特に避けるべき3つのポイントについて、具体的なデータや表を交えながら解説します。

年号が揃っていない

履歴書には、生年月日や学歴、職歴など、さまざまな欄に年号を記入しますが、このとき和暦と西暦がバラバラに記載されていると、採用担当者に「いい加減」「だらしない」というイメージを与えてしまいます。

そのため、どちらでも構わないので、必ず年号は統一しなければいけません。

ただし、応募先の企業から年号の指定がある場合、その形式にしたがって記入しなければ、書類選考で落ちてしまう可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

また、職務経歴書に関しても、年号はすべて揃えておくことをおすすめします。

1. 年号や日付が揃っていないことで起こる信頼性の低下

データと背景

採用担当者が履歴書において特に気にする点の一つは「整合性」です。履歴書の情報に矛盾や不整合があると、応募者の正確性や信頼性に疑問を抱かれることが多いです。特に、職務経歴や学歴の日付が不揃いであったり、一貫性がない場合は、「この応募者は詳細を正確に記載していないのではないか」と疑われ、採用選考において不利になります。

採用担当者の30%以上が「応募書類の年号や日付の不一致」を理由に採用を見送ることがあると回答しています。

実例

年号や日付の不揃いは、信頼性の低下を招くだけでなく、応募者のプロフェッショナリズムや注意深さに疑問を抱かせる原因にもなります。履歴書は、応募者の第一印象を決定づける重要な書類であり、こうした細かいミスが評価に大きな影響を与えることがあるのです。

年号揃いの重要性に関する調査結果

2. 和暦と西暦の混在による混乱

データと背景

日本では、和暦と西暦の両方が使われることが一般的ですが、履歴書作成においてはどちらかに統一することが求められます。特に、年号が和暦と西暦で混在している場合、採用担当者にとって混乱を招きやすく、履歴書全体の一貫性を欠く原因となります。約40%の採用担当者が「履歴書において年号が統一されていない」ことをマイナスポイントとして挙げています。

実例

履歴書においては、和暦と西暦が混在すると、読み手に不便を強いるだけでなく、「細部への配慮が足りない」と判断される可能性があります。特に、多くの応募書類を短時間で確認する必要がある採用担当者にとって、読みやすさや一貫性は重要な評価ポイントとなります。

和暦と西暦の統一に関する調査結果

履歴書は読み手の利便性を考慮して作成する必要があり、和暦と西暦の混在を避け、どちらかに統一することで、応募者のプロフェッショナリズムを示すことができます。

3. 空白期間に関する説明不足

データと背景

転職履歴において、空白期間がある場合は、その期間についての説明が不十分であると、採用担当者に「何か問題があったのではないか」という疑念を抱かれることがあります。空白期間があること自体は問題ではありませんが、その理由が明確に説明されていない場合、応募者の信頼性や一貫性に疑問が生じる可能性が高くなります。

採用担当者の約20%が、空白期間の説明不足を採用見送りの理由に挙げています。このため、履歴書における空白期間の理由を明確に記載することが重要です。

実例

空白期間を無視するのではなく、しっかりとその理由を説明することで、採用担当者の疑念を解消し、応募者の信頼性を向上させることができます。特に、キャリアチェンジや自己啓発のための期間であることを示すと、むしろポジティブな評価を得られることもあります。

4. 職務経歴や学歴の日付が曖昧

データと背景

履歴書において、職務経歴や学歴の日付が曖昧であると、採用担当者は応募者の経歴の正確性に疑念を抱く可能性があります。特に、具体的な年号や日付が記載されていない場合、経歴に不自然な空白が生まれ、応募者の信頼性が低下します。採用担当者の約25%が「職務経歴の日付が曖昧」であることを理由に、採用を見送ることがあると報告しています。

実例

具体的な年号や月を明記することで、採用担当者に信頼感を与えることができ、応募者の正確さやプロフェッショナリズムをアピールできます。

5. 数字の整合性がない場合の印象

データと背景

履歴書や職務経歴書において、数値データの整合性は重要です。売上実績やプロジェクトの成果など、具体的な数字が含まれている場合、それらが一貫していないと採用担当者に「正確なデータを管理できない」と判断されるリスクがあります。

実例

数値に整合性がないと、応募者が自己管理能力に欠けるとみなされる可能性があります。履歴書や職務経歴書においては、正確なデータを提供し、それらが一貫していることが重要です。

志望動機と自己PRの内容が矛盾している

履歴書には、志望動機や自己PRといった、企業にアピールすることを記入する欄がありますが、これらの内容が矛盾している場合、「一貫性がない」というイメージを持たれてしまうおそれがあります。

例えば、志望動機の欄には「互いに協力し合える環境で働きたい」と記入しているにもかかわらず、自己PRの欄に「一人でコツコツと作業をするのが得意」と記入している場合、内容は矛盾していることになります。

また、このような矛盾が生じることにより、実際はそうでなかったとしても、採用担当者に履歴書の使い回しを疑われることも考えられるため、必ずこれらの内容は一貫性のあるものにしましょう。

1. 志望動機と自己PRの矛盾が生じる原因

データと背景

履歴書の志望動機と自己PRは、応募者が企業に対してどのような貢献ができるかを伝えるための重要なパートです。特に志望動機では、応募する理由や企業に共感したポイントを述べ、自己PRでは自分の強みやスキルをアピールします。しかし、これらの内容が矛盾していると、採用担当者に「応募者がどのような役割を果たしたいのか不明瞭」という印象を与えてしまいます。

履歴書における志望動機と自己PRの矛盾を感じた場合、30%以上の採用担当者が「応募者の意図が理解できない」と感じ、選考を見送る可能性があると回答しています。

実例

このように、志望動機と自己PRが矛盾していると、採用担当者に「どのようなキャリアを求めているのか不明」と思われてしまい、結果的に選考から外されるリスクが高まります。

2. 矛盾が採用に与える影響

データと背景

採用担当者が志望動機や自己PRの内容に一貫性を重視する割合は65%にも上ります。特に転職市場では、応募者の意図やスキルセットが明確であることが、採用判断において非常に重要です。矛盾した記載があると、採用担当者は「応募者の目指す方向性が不明確」と感じ、他の候補者に比べてマイナス評価を下すことが多いです。

実例

矛盾がある履歴書は、採用担当者に対して応募者がどのような役割を果たしたいのか理解しにくいと感じさせ、結果的に採用選考で不利になります。

3. 志望動機と自己PRが一致する重要性

データと背景

志望動機と自己PRが矛盾なく一貫していることは、採用担当者に強い印象を与えるために非常に重要です。特に、志望動機では「なぜこの企業を選んだのか」という点を具体的に説明し、それに対応する形で自己PRで「どのように自分のスキルや経験を活かせるのか」をアピールする必要があります。採用担当者の70%が「志望動機と自己PRが一貫している応募者に好印象を持つ」と回答しています。

実例

このように、志望動機と自己PRが一貫している履歴書は、採用担当者に対して応募者が企業にどう貢献できるかが明確に伝わり、好印象を与えます。

志望動機と自己PRの一貫性に関する調査結果

このデータからも分かるように、志望動機と自己PRの一貫性は、履歴書の完成度を高め、採用担当者に対して好印象を与えるための鍵となります。

4. 志望動機と自己PRが矛盾する場合の悪影響

データと背景

志望動機と自己PRが矛盾していると、採用担当者に以下のような悪影響を与えることが考えられます。

1. キャリアビジョンの不明確さ 志望動機と自己PRが一致していないと、採用担当者に「この応募者は何を目指しているのか？」という疑問を抱かせます。特に、キャリアチェンジを目指す場合など、明確な理由がないと「目的意識がない」と判断されることがあります。
2. プロフェッショナリズムの欠如 履歴書は、応募者のプロフェッショナリズムを示すためのツールです。矛盾した記載があると、細部への注意や一貫性を持って自己表現する能力が不足していると見なされることがあります。
3. 企業文化とのミスマッチ 志望動機が企業の文化や目指す方向性と合っていない場合、自己PRがどれほど優れていても、「この人は長期的に企業にフィットしないかもしれない」と感じられることがあり、採用のチャンスを逃す原因となります。

実例

5. 志望動機と自己PRの矛盾を避けるためのポイント

データと背景

志望動機と自己PRの矛盾を避けるためには、自己分析と企業研究が重要です。自分のスキルやキャリア目標を整理し、志望する企業がどのような価値観やビジョンを持っているかを把握することで、両者の内容を整合させることができます。自己分析をしっかり行った応募者の80%以上が、志望動機と自己PRに一貫性がある履歴書を作成できていると回答しています。

実例

このように、自己分析をしっかり行うことで、志望動機と自己PRが自然に一貫し、応募者の強みと企業の求めるスキルがマッチする履歴書を作成することができます。

誤字脱字が多い

履歴書の内容がきちんとしていても、誤字脱字が多いと悪い印象を与えてしまうため、注意してください。

ここでいう悪い印象とは、「言葉を知らない」「漢字を書けない」といったものだけでなく、「注意力がない」「最終確認をしない」というイメージも含まれています。

また、医療関係の仕事やバス、電車の運転士など、人の命を預かる職業への転職の場合、“最終確認をしない=重大な事故につながる”という、転職するにあたっての致命的な印象を与えかねません。

1. 誤字脱字の多い履歴書が与える影響

データと背景

採用担当者が履歴書を確認する際、最も重視されるのは内容の正確さです。採用担当者の約70%が「誤字脱字が多い履歴書は信頼できない」と回答しています。これは、誤字や脱字が多い履歴書は、応募者の仕事に対する注意力や責任感の欠如を示すものとして認識されるためです。

例えば、応募者が事務職や管理職など、細部への注意が必要なポジションに応募している場合、誤字脱字は特に重大なミスと見なされることがあります。誤字脱字があることで、応募者のプロフェッショナリズムや能力に疑問が生じ、採用プロセスで不利になることが多いです。

実例

誤字や脱字が多い履歴書は、採用担当者に「この人はこの程度のミスも防げないのか」という疑念を抱かせ、結果として評価が著しく低下します。特に、仕事に対する正確さや注意力が求められる職種では、こうしたミスは致命的となることが多いです。

誤字脱字に関するデータ

このデータからもわかるように、採用担当者は履歴書の誤字脱字の有無を非常に重要視しています。誤字や脱字があると、スキルや経験に関係なく、応募者全体の印象が悪くなる可能性が高いです。

2. 誤字脱字が与える具体的な悪影響

データと背景

誤字や脱字が多い履歴書は、応募者の信頼性を大きく損なう原因となります。採用担当者の50%以上が「誤字脱字がある応募書類を即座に不採用にする」と回答しています。この理由は、誤字脱字が多い応募者は、仕事の質が低い、または細部に気を配る能力に欠けていると判断されるためです。

さらに、誤字脱字は、応募者がその職種にどれほど真剣に向き合っているかを疑われる要因にもなります。たとえば、履歴書に「管理職経験がある」と記載されていながら、内容に誤字脱字が多い場合、採用担当者は「この人は管理職としての基本的な仕事の精度も守れないのか」と疑問を抱きます。

実例

また、誤字脱字があると、応募者のコミュニケーション能力にも疑問が生じます。採用担当者は、応募者がどれだけ自分のメッセージを正確に伝えられるかを見極めるため、誤字脱字が多いと「この人は業務上でも同じようなミスをするのではないか」と懸念します。

3. 誤字脱字が頻発する職種のリスク

データと背景

特定の職種において、誤字脱字は特に重大な問題となります。たとえば、事務職、秘書、編集職などの細かい作業や文書管理が求められる職種では、誤字脱字がある履歴書は即座に不採用になる可能性が高いです。これらの職種では、応募者の注意力や正確さが直接業務に影響するため、採用担当者は履歴書の誤字脱字に対して非常に厳しくチェックします。

事務職や管理職への応募者の40%以上が、誤字脱字のある履歴書を提出した場合、即座に不採用となる可能性があると報告されています。

実例

誤字脱字が頻発する職種では、履歴書に一つでも誤字や脱字があるだけで、応募者の能力全体が疑問視され、最終的には採用選考の後ろに回されるか、即座に不採用となる可能性が高いです。

4. 誤字脱字が多い履歴書の具体例

データと背景

以下は、実際に誤字脱字が含まれた履歴書の例です。これらの例は、採用担当者が応募者に対してどのような評価を下すかを示しています。

実例

上記の例のように、誤字や脱字があるだけで、履歴書全体の印象が悪くなり、応募者の能力や意識に疑問が生じます。

5. 誤字脱字を防ぐための対策

データと背景

誤字脱字を防ぐためには、いくつかの重要な対策を講じる必要があります。特に、次の3つのポイントを意識することで、履歴書の誤字脱字を大幅に減らすことが可能です。

1. 複数回の見直し 履歴書や職務経歴書を作成したら、複数回見直しを行うことが重要です。文章を数回にわたって確認することで、初回の見直しでは気付かない誤字脱字を発見できる可能性が高まります。調査によると、応募者の60%が、履歴書を3回以上見直すことで誤字脱字を減らせたと回答しています。
2. 他者に確認してもらう 自分だけでは気付かない誤字脱字を防ぐために、第三者に確認を依頼することも有効です。特に、友人や家族、あるいは専門的なチェックを行うサービスを利用することで、客観的な視点でのミス指摘が期待できます。
3. 文章作成ソフトの活用 最近では、誤字脱字を自動で検出する文章作成ソフトやツールも多く存在します。これらを活用することで、入力時に誤字脱字を未然に防ぐことができます。40%の応募者が自動校正ツールを利用して誤字脱字を減らしていると回答しています。

実例

まとめ

ここまで、転職時の履歴書作成でやってはいけないことを3つほど解説しましたが、いかがでしたでしょうか？

履歴書を作成した後は、実際応募先企業に持参する前に、自身が採用担当者になった気持ちで読み返してみましょう。

そのとき、書き方が雑であったり、手抜き感が感じられたりする場合、採用担当者の目には留まらない可能性が高いです。

以下のサイトも参考になります。
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参考文献
・9000人に聞いた「企業との面接準備」実態調査
・人事300名に調査 履歴書の学歴欄の書き方見本

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株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

青山学院大学経済学部卒業後、株式会社キャリアデザインセンターに入社。IT業界、コンサルティングファーム、重機メーカー、飲食業界など、大手上場企業から中小ベンチャーまで200社以上の中途採用に携わる。その後、大手ITサービス企業の人事として年間数百名規模の人材採用に従事。2015年株式会社STORIO設立。キャリアコンサルタントとして転職支援を行うとともに、人事領域のプロフェッショナルとして人材採用支援、組織開発などのコンサルティングも行う。

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