20代の看護師は、キャリアのスタートラインに立つ時期であり、給与や手取り額について気になる方が多いでしょう。特に、手取り額は税金や社会保険料などが控除された後の実際に受け取る金額であり、生活に直結する大切な指標です。本記事では、20代看護師の手取り額のリアルな実態を、データや表を交えながら徹底解説します。
目次
看護師の給与体系の基本構造
看護師の給与は、以下の項目から構成されます。
- 基本給:勤務先や学歴によって異なる。
- 手当:夜勤手当、資格手当、住宅手当など。
- 賞与:年に2回支給されるのが一般的。
- 控除額:所得税、住民税、社会保険料、年金など。
控除額が大きく手取り額を左右するため、「額面給与」と「手取り額」の違いを正しく理解することが重要です。
20代看護師の平均給与と手取り額
厚生労働省のデータや各病院の統計をもとに、20代看護師の平均給与と手取り額を算出しました。
年齢 | 月給(額面) | 手取り月額(目安) | 賞与(年間) | 年収(手取り額) |
---|---|---|---|---|
22歳 | 約23万円 | 約18万円 | 約60万円 | 約300万円 |
25歳 | 約25万円 | 約20万円 | 約70万円 | 約340万円 |
28歳 | 約27万円 | 約22万円 | 約80万円 | 約380万円 |
20代前半の手取り額は平均18万~20万円程度です。経験を積むことで手当や賞与が増え、20代後半には手取りが22万円程度まで上昇することが多いです。
手取り額を左右する要因
1. 夜勤手当
夜勤手当は1回あたり1万3,000円~1万6,000円が支給される場合が多く、月に4回行えば5万円以上の手当が得られます。
夜勤回数 | 夜勤手当(1回1万5,000円の場合) |
---|---|
2回 | 3万円 |
4回 | 6万円 |
6回 | 9万円 |
夜勤回数が多いほど手取り額は増えますが、体力や健康面への影響も考慮する必要があります。
2. 控除額
手取り額は控除される項目によって大きく変わります。以下は月給25万円の場合の控除例です。
控除項目 | 控除額(目安) |
---|---|
所得税 | 約8,000円 |
住民税 | 約1万5,000円 |
健康保険料 | 約2万円 |
厚生年金保険料 | 約2万5,000円 |
雇用保険料 | 約500円 |
合計 | 約6万円 |
控除額は総額で月6万円程度になることが多く、これが手取り額を押し下げる要因となります。
エリア別の20代看護師の手取り額
地域によって給与水準が異なるため、手取り額にも差が生じます。
地域 | 月給(額面) | 手取り月額(目安) |
---|---|---|
都市部(名古屋、東京、大阪) | 約27万円 | 約21万円 |
地方都市(仙台、広島など) | 約25万円 | 約20万円 |
地方(農村地域など) | 約23万円 | 約18万円 |
都市部では給与が高い反面、控除額や生活コストも高いため、地方との実質的な手取り差はそれほど大きくありません。
手取りを増やすためのポイント
手取りを増やすためには、以下の方法が有効です。
1. 夜勤回数を増やす
夜勤手当は手取り額に大きく影響します。体調管理を徹底しつつ、無理のない範囲で夜勤を増やすと効果的です。
2. 資格取得による手当アップ
認定看護師や専門看護師の資格を取得することで、月5,000円~2万円程度の手当が支給されることがあります。
資格名 | 手当(月額) |
---|---|
認定看護師 | 約5,000円 |
専門看護師 | 約1万円 |
その他の専門資格 | 約5,000円~1万円 |
3. 住宅手当や福利厚生を活用
住宅手当が支給される職場では、家賃負担を軽減することで実質的な手取りを増やせます。
住宅手当の有無 | 手取りへの影響(月額) |
---|---|
なし | 家賃負担:5万円 |
あり(3万円支給) | 家賃負担:2万円 |
節約術で実質的な手取りを増やす
給与額は変わらなくても、支出を抑えることで実質的な可処分所得を増やすことが可能です。
1. 家賃を抑える
- 病院寮や社宅を利用することで、家賃負担を大幅に削減。
- 地方勤務の場合、家賃相場が都市部よりも安いため、手取りの中でゆとりが生まれます。
2. 税制優遇を活用
ふるさと納税や医療費控除を活用することで、所得税や住民税を抑えることができます。
手取り額の実例
以下は20代看護師が実際に受け取る手取り額の一例です。
ケース1:23歳(新卒、夜勤3回、地方勤務)
- 月給(額面):23万円
- 夜勤手当:4万5,000円
- 控除額:5万5,000円
- 手取り額:18万円
ケース2:27歳(夜勤5回、都市部勤務、資格手当あり)
- 月給(額面):28万円
- 夜勤手当:7万5,000円
- 資格手当:1万円
- 控除額:6万5,000円
- 手取り額:22万円
まとめ:20代看護師の手取り額を正しく把握しよう
20代看護師の手取り額は、月18万~22万円程度が一般的で、夜勤手当や資格手当の有無、地域差が大きく影響します。初任給の段階では控除額が重いため、額面給与と手取りの差をしっかり把握することが重要です。
また、夜勤や資格取得、福利厚生をうまく活用することで、実質的な手取り額を増やすことが可能です。自分のライフスタイルやキャリアプランに合った働き方を見つけ、収入と生活のバランスを保つことが成功へのカギとなります。
株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】
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