失業中の暮らしを支える、光熱費の見直し術と電気・ガス選びの新常識

失業中は、毎月の固定費を徹底的に見直すことが家計防衛の鍵です。その中でも「光熱費(電気・ガス・水道)」は、必ずかかるが見直しやすく、効果も実感しやすい出費といえます。
この記事では、最新データをもとにした光熱費の平均や削減効果、実践的な節約術、そして今どきの電気・ガス会社の賢い選び方まで、失業中の家計を守るための知識と方法を徹底的に解説します。


1. 光熱費の現状と日本の平均

まずは一般的な光熱費がどれくらい家計を圧迫しているのか、データで確認しましょう。

世帯人数 電気代(平均/月) ガス代(平均/月) 水道代(平均/月) 光熱費合計(平均/月)
単身世帯 6,000円 3,000円 2,000円 11,000円
2人世帯 9,000円 5,000円 3,000円 17,000円
4人世帯 13,000円 7,500円 4,500円 25,000円

(総務省 家計調査2024年データより)

  • 一人暮らしでも月1万円以上が“光熱費”として消えていきます。

  • 失業中にはこの毎月の固定費を減らすことが、家計の「安心」と「持続性」につながります。


2. 失業中こそ光熱費見直しが重要な理由

収入減時の固定費カットが「生活防衛」の基本

  • 失業中は突発的な出費に耐えるためにも、生活コストのベースを下げておくことが極めて重要

  • 食費や娯楽費は節約しやすい一方、光熱費は「見直し=生活の質ダウン」と思われがちですが、実際は工夫次第でストレスなく減らせる支出です


3. 光熱費の見直し効果をデータでチェック

光熱費を工夫して削減した場合、どれほど家計が楽になるのか、実例で見てみましょう。

光熱費削減のシミュレーション

ケース 削減前/月額 削減後/月額 削減額(月) 削減額(年)
電気:こまめな節電・契約会社切替 6,000円 4,800円 1,200円 14,400円
ガス:プラン見直し・節約術 3,000円 2,400円 600円 7,200円
水道:節水アイテム利用 2,000円 1,600円 400円 4,800円
合計削減額 11,000円 8,800円 2,200円 26,400円
  • ちょっとした工夫や会社変更だけで、年間2万~3万円の支出カットが実現可能

  • これは失業中の生活費約2週間分に相当


4. 今どきの「電気・ガス会社選び」の新常識

電力・ガスの「自由化」で選べる時代

2016年以降、電力・ガスは「自由化」により会社やプランを自由に選べる時代になりました。
「地域の大手会社」以外も比較できるため、料金やサービスで「自分に合った最安」を探せます。

現在の主要な選択肢

電力会社の種類 特徴
大手電力会社 東京電力・関西電力など 地域独占→今は競争
新電力(PPS) Looopでんき、楽天でんき等 基本料金0円・ポイント還元等
ガス会社 東京ガス、大阪ガス、東邦ガス 地域密着型
新ガス会社 エネオス都市ガス、ニチガス 電気・ガスセットで割安

電気・ガス会社を変えることで得られる効果

  • 電気・ガス会社の切り替えだけで「年間1万円以上」安くなるケースも珍しくありません

  • セット割やポイント還元を利用するとさらにお得

プラン別・平均的な電気・ガス料金の比較表

プラン会社 電気料金(単身) ガス料金(単身) 合計(月) 備考
東京電力+東京ガス 6,100円 3,000円 9,100円 標準プラン
Looopでんき 5,500円 5,500円 基本料金0円、従量制
楽天でんき+楽天ガス 5,700円 2,800円 8,500円 ポイント還元あり
ENEOSでんき 5,600円 5,600円 電気のみ
新電力+新ガス 5,500円 2,700円 8,200円 セット割引適用

5. 失業中に実践すべき光熱費の具体的見直し術

1. 電気代の見直しポイント

  • 契約アンペア数のダウン
    多くの家庭は「30Aや40A」だが、単身や少人数なら「20A」でも十分。
    契約容量を下げるだけで基本料金が月200~400円下がる

  • 電力会社のプラン比較・切り替え
    新電力各社のサイトや比較サイトを活用し、自分の使用量に合ったプランを選ぶことが大切
    例えば「基本料金0円で使った分だけ支払い」のプランは、在宅時間が増えてもシンプルに節約できる。

契約アンペア数別・電気基本料金の例(東京電力)

契約アンペア数 月額基本料金(税込)
10A 286円
20A 572円
30A 858円
40A 1,144円
  • 不要な高アンペア契約を見直すだけで、年間3,000~4,000円の節約


2. ガス代の見直しポイント

  • 給湯温度の見直し
    普段からシャワーやお風呂の温度を1~2℃下げるだけで、ガス使用量が5~10%減少

  • お得なガス会社・セット割利用
    「電気+ガス」のセット割を利用すると、毎月200~400円の割引も可能

ガス料金プラン比較表(東京地区・月20㎥使用時)

会社・プラン 基本料金 従量料金(1㎥あたり) 合計(月)
東京ガス 標準プラン 759円 145.31円 3,665円
ENEOS都市ガス 759円 143.66円 3,632円
ニチガス 759円 144.38円 3,648円
  • セット割やキャンペーンを合わせれば、年間5,000~8,000円安くなる例も


3. 水道代の見直しポイント

  • 節水シャワーヘッド・節水グッズの活用
    最新の節水シャワーヘッドは従来型より最大30%節水効果
    100円ショップの節水アイテムでも年間2,000円前後の節約が可能

  • トイレの流し方・お風呂の使い方を工夫
    「大」より「小」流しで1回あたり2円以上の節水効果
    お風呂の残り湯を洗濯に利用するのも有効。


6. 実践!光熱費節約術のチェックリスト

節約術 効果(年間) ワンポイントアドバイス
契約アンペア数の見直し 4,000円 20Aでも電子レンジ・ドライヤー同時利用可能
電気・ガス会社の切り替え 8,000円 比較サイト利用が便利
節電(待機電力カットなど) 3,000円 コンセントをこまめに抜く
節水シャワーヘッド導入 2,000円 工具不要で簡単交換
お風呂残り湯の活用 3,000円 洗濯に使用
  • これらの組み合わせで「年間2万~3万円」の節約も十分可能


7. 光熱費見直しの失敗例と注意点

  • 過度な節約で健康・衛生を損なうのは本末転倒

  • 安いだけで会社を選ぶと、停電・ガス供給停止等のリスクやサポート不足もあり得る

  • 契約変更時は解約金や違約金、供給エリアの制限に注意


8. まとめ:固定費を賢く見直して家計を守る

  • 光熱費は「見直しやすく、効果が大きい固定費」

  • 電気・ガス会社は「自由化」で賢く選ぶ時代。セット割やポイント還元も活用

  • 生活の質を落とさずに節約する工夫を組み合わせれば、失業中の家計防衛に直結

  • 今すぐ実践できる節約術から、年間数万円の余裕が生まれる


失業中でも心豊かに暮らすために、「光熱費の見直し」と「自分に合った電気・ガス会社選び」を始めましょう。小さな見直しが、暮らしの安心と未来の貯蓄に大きくつながります。

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株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

青山学院大学経済学部卒業後、株式会社キャリアデザインセンターに入社。IT業界、コンサルティングファーム、重機メーカー、飲食業界など、大手上場企業から中小ベンチャーまで200社以上の中途採用に携わる。その後、大手ITサービス企業の人事として年間数百名規模の人材採用に従事。2015年株式会社STORIO設立。キャリアコンサルタントとして転職支援を行うとともに、人事領域のプロフェッショナルとして人材採用支援、組織開発などのコンサルティングも行う。