住まいを守るために!失業中の住宅ローン・家賃支払い猶予徹底ガイド

突然の失業は、収入だけでなく「毎月必ず出ていく住まいのコスト」にも大きな不安をもたらします。
とくに住宅ローンや家賃は、生活の根幹を支える最重要支出です。
「払えない…どうしよう」と不安になる前に、支払い猶予や減額制度を正しく知り、早めに行動することが安心への第一歩となります。

ここでは、住宅ローン・家賃の支払い猶予や減額に関する公的支援や交渉術、最新のデータや表、実践例まで詳しく解説します。


失業時に直面する「住まいの支出」の現実

まずは、家計の中で住まいの費用がどれほど大きいか、データで見てみましょう。

日本の家計に占める住居費の割合

世帯区分 住居費(月平均) 住居費/消費支出割合
単身世帯 54,830円 21.8%
二人以上世帯 61,168円 15.9%

(出典:総務省「家計調査2023」)

収入がゼロでも、家賃や住宅ローンの支払いだけは止まりません。
この“重し”が生活苦の最大要因になるのです。


「払えない」と思った時に取れる選択肢

「もう払えないかも…」と感じたら、絶対に放置せず、必ず早めに対応しましょう。
主な選択肢は以下の3つです。

  • 住宅ローンの支払い猶予・条件変更(リスケジュール)申請

  • 家賃の支払い猶予や減額の交渉

  • 公的支援制度(住居確保給付金・生活保護等)の活用


住宅ローンの支払い猶予・リスケジュールとは

住宅ローンを組んでいる方は「リスケジュール(返済条件変更)」の交渉が可能です。

どんな相談ができる?

相談内容の例 効果
返済期間の延長 月々の返済額が減る
元金据置(一定期間利息だけ払う) 一時的に返済額を大幅ダウン
一時的な支払い猶予 数か月間返済を止める(後で調整)
ボーナス返済部分の取りやめ・減額 ボーナス時期の負担減

金融機関の「返済猶予」相談の実態

項目 割合または金額(参考)
相談件数の増加傾向 コロナ禍以降3倍超(全国銀行協会調査)
返済条件変更の承認率 90%前後(金融庁資料・2023年)
猶予期間の平均 3~12か月が多い

「困ったときは銀行が親身になってくれる」ケースが多く、遠慮せずまず相談しましょう。

具体的な相談手順

  1. 電話やネットで金融機関に連絡(住宅ローンセンター等)

  2. 失業・収入減の事実と今後の見通しを正直に伝える

  3. 必要書類(離職票・収入減の証明・家計簿など)を準備

  4. 担当者との面談で具体的な返済案を協議

  5. 合意内容を「変更契約書」として再締結


家賃の支払い猶予・減額交渉の方法

賃貸の場合は、大家さんや管理会社に「支払い猶予」や「減額」を直接相談できます。

実際の交渉事例とデータ

交渉内容 成功率 月額減額の例 猶予期間の例
家賃減額交渉 約20~30% 3,000~10,000円 期間限定1~6か月
支払い猶予交渉 非公表 全額もしくは一部 1~3か月

(LIFULL HOME’S・都内管理会社アンケート等より)

交渉を成功させるためのコツ

  • できるだけ早く連絡し、正直に状況を説明

  • 失業による「一時的な家計難」としてアピール

  • 家賃減額や猶予だけでなく「分割払い」も相談可能

  • 近隣の空室率や相場を調べ、根拠を持つと説得力アップ

交渉テンプレート例

「突然の失業で家計が厳しくなりました。しばらく家賃の支払いを猶予・減額いただくことは可能でしょうか?必ず再就職に努めます。」


公的支援制度の活用

住居確保給付金

  • 失業や収入減で家賃支払いが困難な場合に最大9か月間、家賃の一部~全額を自治体が補助

  • 単身世帯:上限5万3,700円/月(東京23区の場合)

  • 世帯人数や地域で上限が異なる

  • ハローワークへの求職登録などが条件

生活保護・住宅扶助

  • より困難な場合は生活保護の住宅扶助枠で家賃支援

  • 家族状況や家賃水準に応じて全額または一部支給

税金や公共料金の猶予・減免

  • 国民健康保険料・国民年金保険料・住民税なども「減免申請」や「納付猶予」が可能

  • 水道・電気・ガス会社も「支払い猶予」に応じてくれるケースあり


住宅ローン・家賃支払い猶予のシミュレーション

ケース別支出比較(単身世帯の例)

状況 月額住居費 支払い猶予・減額 支払う総額(6か月)
通常支払い 54,830円 なし 328,980円
ローン元金据置 24,000円 利息のみ 144,000円
家賃減額交渉成功 40,000円 期間限定減額 240,000円
住居確保給付金 10,000円 上限補助 60,000円
実家帰省 0円 全額猶予 0円

早めの対応が「住まいの安心」を守る

住宅ローンも家賃も「滞納」は絶対にNGです。
放置せず、必ず「早めに」相談・交渉・申請しましょう。

  • ローン滞納→ブラックリスト、競売のリスク

  • 家賃滞納→強制退去や保証会社からの督促

  • 公的支援は「困っている人のための制度」、恥ずかしがらず活用を!


住宅ローン・家賃猶予に関するよくある質問

Q. 猶予期間が終わったらどうなる?

A. 猶予分は返済計画を見直して「後ろ倒し」や「分割返済」になります。猶予中の利息発生に注意。

Q. 信用情報に傷はつく?

A. 金融機関や管理会社と「合意の上での猶予や減額」は基本的に信用情報に傷はつきません。
滞納や無断延滞はNG!

Q. 手続きは難しい?

A. 金融機関も管理会社も慣れているので、電話や窓口で率直に相談すれば丁寧に教えてくれます


節約との組み合わせで「家計の防衛力」が大幅アップ

  • 支出全体を見直して家賃・ローン猶予と合わせて「二重の安心」

  • 浮いた資金は「食費・光熱費・医療費」など絶対必要な支出へ優先配分

  • 転職・再就職活動やスキルアップのための自己投資資金にも充当できる


まとめ:住まいを守る行動が未来の安心につながる

失業はピンチですが、「住まい」を守れば心も落ち着き、次のチャンスを掴むための余裕が生まれます。
「払えない」「難しい」と思ったときはすぐに専門窓口へ相談し、猶予や減額、支援制度の活用で家計を守りましょう。

  • 住宅ローンはリスケや猶予、利息のみ支払いなど柔軟に対応可能

  • 家賃は減額・猶予交渉や公的支援で乗り越える道がある

  • 「早めの相談」が最大のコツ

あなたの再スタート、住まいからしっかりサポートしています。
不安なことや個別の手続き方法が知りたい場合も、いつでもお気軽にご相談ください。一人で抱え込まず、支援を上手に使いこなして、この時期を乗り越えていきましょう!

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株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

青山学院大学経済学部卒業後、株式会社キャリアデザインセンターに入社。IT業界、コンサルティングファーム、重機メーカー、飲食業界など、大手上場企業から中小ベンチャーまで200社以上の中途採用に携わる。その後、大手ITサービス企業の人事として年間数百名規模の人材採用に従事。2015年株式会社STORIO設立。キャリアコンサルタントとして転職支援を行うとともに、人事領域のプロフェッショナルとして人材採用支援、組織開発などのコンサルティングも行う。