看護師として新卒1年目を迎える際、「1年目の年収がどれくらいになるのか?」という点は、多くの方にとって気になるところです。実際の給与は、額面と手取りで差があるほか、学歴や勤務先、手当の有無によっても大きく異なります。本記事では、看護師1年目の年収について、具体的なデータや表を交えながら詳しく解説します。
目次
看護師1年目の平均年収
看護師1年目の平均年収は、学歴や地域によって異なりますが、厚生労働省や各病院の採用情報をもとに以下のように推定されます。
平均年収の目安(額面)
学歴 | 平均月給(額面) | 平均賞与(年間) | 平均年収(額面) |
---|---|---|---|
専門学校卒 | 約22万円 | 約60万円 | 約324万円 |
短大卒 | 約23万円 | 約65万円 | 約336万円 |
大卒(四年制大学) | 約24万円 | 約70万円 | 約348万円 |
大卒看護師は年収が専門卒と比べて約20万円高い傾向があります。これは、基本給や学歴手当が大卒に多く支給されるためです。
1年目の手取り額はどれくらい?
年収の手取り額を計算するには、税金や社会保険料などの控除額を差し引く必要があります。以下は、月給22万円の場合の控除例です。
月収22万円の場合の控除内訳
項目 | 控除額(目安) |
---|---|
所得税 | 約5,000円 |
住民税 | 約1万円 |
健康保険料 | 約1万5,000円 |
厚生年金保険料 | 約2万2,000円 |
雇用保険料 | 約660円 |
合計 | 約5万円 |
手取り額:約17万円
年収ベースの手取り額
年収(額面) | 年収(手取り額の目安) |
---|---|
324万円 | 約260万円 |
336万円 | 約270万円 |
348万円 | 約280万円 |
賞与(ボーナス)の影響
看護師1年目でも賞与(ボーナス)が支給されることが多く、年収に占める割合は大きいです。賞与額は基本給をベースに計算され、勤務先によっては年2~3か月分が支給されます。
基本給 | 支給月数 | 賞与額 |
---|---|---|
20万円 | 2か月分 | 40万円 |
22万円 | 2.5か月分 | 55万円 |
24万円 | 3か月分 | 72万円 |
賞与が高い職場では、1年目でも年収の増加が期待できます。
夜勤手当が年収に与える影響
夜勤手当は、看護師の収入に大きな影響を与える要素の1つです。1年目の新人看護師でも、夜勤に入る場合はその分収入が増えます。
夜勤手当のシミュレーション
夜勤回数(月) | 夜勤手当(1回1万5,000円の場合) | 月の手当額 | 年間手当額 |
---|---|---|---|
2回 | 1万5,000円×2回=3万円 | 3万円 | 36万円 |
4回 | 1万5,000円×4回=6万円 | 6万円 | 72万円 |
6回 | 1万5,000円×6回=9万円 | 9万円 | 108万円 |
夜勤回数が増えるほど、年収が数十万円単位で増加します。
地域別の年収差
地域によって給与水準が異なるため、1年目の看護師の年収にも差があります。以下に地域別の平均年収を示します。
地域 | 月給(額面) | 賞与(年間) | 年収(額面) |
---|---|---|---|
都市部(東京、大阪、名古屋) | 約24万円 | 約70万円 | 約348万円 |
地方都市(仙台、広島など) | 約23万円 | 約65万円 | 約336万円 |
農村地域 | 約22万円 | 約60万円 | 約324万円 |
都市部では給与水準が高いものの、控除額も増えるため、手取り額の差は小さいことが特徴です。
看護師1年目の給与構成
看護師1年目の給与には、基本給に加えてさまざまな手当が含まれます。以下に、典型的な給与構成を示します。
項目 | 金額の目安 | コメント |
---|---|---|
基本給 | 20万~24万円 | 学歴や病院の規模で変動。 |
夜勤手当 | 3万~6万円 | 夜勤回数によって増減。 |
資格手当 | 5,000円~2万円 | 一部病院では新卒時点では対象外。 |
住宅手当 | 1万~3万円 | 病院が提供する寮を利用する場合も多い。 |
通勤手当 | 5,000円~1万円 | 通勤距離に応じて支給。 |
合計(額面) | 24万~30万円 | 1年目でも手当が多いと高額になる。 |
実際の生活費と貯蓄のバランス
1年目の看護師の手取り額を基に、1か月の生活費をシミュレーションしてみます。
生活費の内訳
項目 | 支出額(目安) |
---|---|
家賃 | 5万円 |
食費 | 3万円 |
光熱費 | 1万円 |
通信費 | 1万円 |
交通費 | 5,000円 |
娯楽・交際費 | 1万円 |
貯金 | 2万円 |
合計 | 約14万5,000円 |
手取りが17万円の場合、月2万~3万円の貯金が可能です。
手取り額を増やす方法
1年目の手取り額を増やすためには、以下の方法が有効です。
1. 夜勤を増やす
夜勤手当は1回あたり1万3,000~1万5,000円と高額です。体調管理をしながら適度に夜勤を増やすことで、収入アップが期待できます。
2. 住宅手当を活用
住宅手当がある職場では、家賃の負担を軽減し、実質的な手取り額を増やすことが可能です。
3. 控除額を抑える
ふるさと納税や医療費控除などの制度を利用することで、所得税や住民税を減らすことができます。
まとめ:看護師1年目の年収を正しく理解して賢く生活を
看護師1年目の年収は、額面で約324万~348万円、手取りで約260万~280万円が一般的です。夜勤手当や賞与、各種手当が収入に大きな影響を与えます。
また、生活費や貯蓄のバランスを考えながら、1年目から計画的にお金を使うことが重要です。将来のキャリアアップや資格取得を視野に入れ、賢い働き方を見つけていきましょう。
株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】
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