クリニックや介護施設など病院以外で働く看護師の新しい選択肢

看護師という仕事は、長い間「病院で働く職業」として広く認識されてきました。多忙な病棟勤務や夜勤、患者の命と向き合う責任感、医療現場の厳しさなど、看護師の仕事に対するイメージには、大きなやりがいと同時に、過酷さやストレスの多さがつきまといます。

しかし、日本の高齢化医療の多様化働き方改革の流れの中で、看護師の活躍の場は急速に広がっています。クリニックや介護施設、訪問看護、保育園、企業、行政など、病院以外で働く新しい選択肢が次々と登場し、看護師としてのキャリアはかつてないほど多様になってきました。

このような変化の背景には、患者や利用者のニーズの変化や、看護師自身のライフスタイルや価値観の多様化も大きく影響しています。

たとえば、「子育てや家庭と両立しやすい職場を探したい」「病院の多忙な環境から離れて、じっくり人と向き合う仕事がしたい」「地域社会に貢献したい」といった思いから、新たな職場への転職を考える看護師が増えています。

本記事では、クリニックや介護施設など病院以外で働く看護師の新しい選択肢について、実際のデータや現場の声、具体的な職場環境、求人動向や収入の比較表などを交えつつ、徹底的に解説します。

「転職したいけど、どんな職場が自分に合うのかわからない」
「病院以外の看護師の仕事って、実際どうなの?」

そんな疑問や不安をお持ちの方に、寄り添う形で、納得できる選択肢と新たなキャリアの可能性を提案します。

目次

1. 看護師の働き方の現状と課題

日本の看護師の就業状況(データ)

現在、日本全国の看護師は約156万人(厚生労働省「衛生行政報告例(令和5年)」)にのぼります。そのうち病院勤務の割合は約70%ですが、年々「病院外で働く看護師」の数が増加しています。

勤務先(2023年推計) 看護師数(人) 割合(%)
病院 1,092,000 70.0
診療所(クリニック) 234,000 15.0
介護施設 109,000 7.0
訪問看護ステーション 52,000 3.3
保育園・学校・企業等 25,000 1.6
その他 36,000 2.3
合計 1,548,000 100.0

(※厚生労働省「衛生行政報告例」「看護職員就業状況調査」などより編集)

ここ10年で、病院以外の職場を選ぶ看護師が約1.5倍に増加しており、特にクリニックや介護施設、訪問看護の分野が大きく伸びています。

病院勤務のメリットとデメリット

【メリット】

  • 医療現場の第一線で知識・スキルを高められる

  • チーム医療で多職種と協働できる

  • 専門領域のキャリアアップがしやすい

【デメリット】

  • 夜勤や残業が多く、ワークライフバランスが取りにくい

  • 人員不足や業務過多によるストレス・疲労の蓄積

  • 医療事故やクレーム対応など精神的な負担も大きい

厚生労働省の調査によれば、看護師の約6割が「仕事のストレスが多い」「生活との両立が難しい」と回答しています。
そのため、「より働きやすい職場」を求めて転職や職場変更を考える人が増加しています。

病院以外の職場が注目される理由

  • 家庭や子育てと両立しやすい「日勤のみ」の求人が多い

  • 仕事と生活のバランスを重視したいという価値観の変化

  • 高齢化社会で「在宅」「地域包括ケア」のニーズ増大

  • 「自分らしい働き方」を模索する若手看護師の増加

  • キャリアの多様化(保健師・養護教諭・産業看護師などへの道)

これらの背景から、「病院以外で働く看護師」という選択肢が、今、非常に注目を集めています。

2. 病院以外の職場が注目される理由

近年、看護師の新しい働き方として「病院外」の職場が急速に注目されています。
その背景には、社会の構造変化と、看護師自身の価値観の多様化が大きく関係しています。

社会的背景と現場の変化

  • 高齢化の進展
    2025年には日本の65歳以上人口が全体の30%を超える見込みです(総務省統計局)。これに伴い、介護施設や在宅医療の需要が急拡大しています。

  • 地域包括ケアシステムの推進
    厚生労働省は「地域包括ケアシステム」を推進し、病院中心から地域・在宅中心へのシフトが加速しています。これにより、訪問看護・介護施設・クリニックなど「地域で暮らしを支える現場」の人材需要が急増しています。

  • 多様なライフスタイル・働き方へのニーズ
    結婚や出産、介護など家庭環境の変化や、ワークライフバランス重視の価値観が広まり、「夜勤なし」「短時間」「日曜休み」といった条件で働ける職場が求められるようになりました。

データで見る転職理由

日本看護協会「2023年 看護職の就業実態調査」によると、病院から他職場に転職した看護師の主な理由は以下のとおりです。

転職理由(複数回答可) 割合(%)
夜勤・交替勤務の負担が大きい 53.2
家庭や育児と両立したい 44.6
残業・休日出勤が多い 37.8
職場の人間関係によるストレス 28.5
地域医療・在宅医療に関心 22.9
キャリアアップ・資格取得を目指す 17.4
体調面の理由 14.3

「夜勤・交替勤務の負担」と「家庭や育児との両立」が圧倒的な理由であり、
「地域医療・在宅医療への関心」も年々高まっています。

現場の声

実際に病院以外の職場に転職した看護師の声をいくつか紹介します。

  • クリニック勤務・30代女性
    「子どもが小学生になり、夜勤や土日勤務がないクリニックに転職しました。家族との時間が増え、心身ともにゆとりが持てるようになりました。」

  • 介護施設勤務・40代男性
    「高齢者の生活に長く寄り添いたいと感じ、介護老人保健施設に転職。医学的知識だけでなく、介護の視点も学べる充実した日々です。」

  • 訪問看護勤務・50代女性
    「病院では一人ひとりの患者さんとじっくり関われずにいましたが、訪問看護では“その人らしい生活”を支える喜びが大きいです。」

このように、多様な理由から病院以外の職場へ転職する看護師が増えています。


3. クリニック勤務の特徴・メリット・デメリット

クリニックとは?

クリニック(診療所)は、医師が開業する地域に密着した小規模医療機関です。外来診療のみで、入院設備のない場合が多いのが特徴です。

クリニックで働く看護師の主な業務

  • 医師の診療補助・処置

  • 問診、バイタル測定、採血・注射

  • 健診・ワクチン接種対応

  • 診療機器の管理、消毒

  • 患者への生活指導・健康相談

  • 受付業務やカルテ管理のサポート

小規模ゆえに、マルチタスクが求められる場合が多いですが、そのぶんスタッフ同士の連携が密接で、「和やかな職場環境」と感じる人も多いです。

メリット

  • 夜勤なし・残業少なめの職場が多い(ほとんどが日勤のみ)

  • 土日・祝日が休みのクリニックも多い

  • 子育てや家庭と両立しやすい

  • 地域の「かかりつけ医」として患者と長く関われるやりがい

  • スタッフの人数が少ないぶん人間関係が密で働きやすいことも

デメリット

  • 病棟と比べて医療処置の幅が限られるため、スキルアップ目的には不向きな場合も

  • 急な患者対応や、受付・事務作業も兼任する負担があることも

  • 給料が病院よりやや低めになりやすい(詳細は後述の収入比較表)

データで見るクリニック勤務

厚生労働省「医療施設調査(令和5年)」によると、
クリニックに勤務する看護師の平均勤続年数は「6.1年」
これは病院の「4.7年」よりも長く、定着率が高いことを示しています。

職場 平均勤続年数(年)
病院 4.7
クリニック 6.1
介護施設 5.4
訪問看護 5.7

4. 介護施設勤務の特徴・メリット・デメリット

介護施設で働く看護師の職場の種類

介護施設にもさまざまな形態があります。

施設の種類 概要 看護師の主な業務
特別養護老人ホーム 常時介護が必要な高齢者の長期入所施設 健康管理・服薬管理・医療処置
介護老人保健施設 在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設 バイタルチェック・リハビリ補助
有料老人ホーム 自立~要介護の高齢者が入所 日常の健康管理・応急処置
デイサービス 通所型(自宅から通う) 利用者の健康観察・急変時対応

業務内容の特徴

  • 利用者の日常の健康観察・バイタルチェック

  • 投薬・医療処置(褥瘡処置、点滴、インスリン注射など)

  • 急変時の対応・家族への連絡

  • 介護スタッフとの連携

  • 医師との連絡調整(嘱託医が常駐しない施設も多い)

メリット

  • 夜勤がない・もしくは少ない職場が多い

  • 医療的処置よりも**“生活を支える看護”が中心**になる

  • 高齢者や家族との長期的な信頼関係が築ける

  • 介護・リハビリの視点も学べる

  • 社会的意義ややりがいが大きい

デメリット

  • 急性期医療の現場と比べて医療スキルが限定される

  • 介護職との分業や役割の違いで、仕事の線引きが難しい場合も

  • 利用者の急変時、看護師が一人で対応する場面も多い

  • 給料が病院勤務よりもやや低めの傾向(詳細は後述)

データで見る介護施設の看護師需要

介護職員処遇改善加算など国の政策も後押しし、
介護施設での看護師求人数は10年で約2倍に増加しています。

年度 求人数(推計)
2013年 50,000
2018年 85,000
2023年 109,000

高齢者人口の増加に伴い、今後も需要は伸び続けると予測されています。

5. 訪問看護ステーションの実情とやりがい

訪問看護ステーションとは

訪問看護ステーションは、看護師が利用者の自宅を訪問し、医療的ケアや生活支援を行う事業所です。高齢者だけでなく、難病患者や小児、ターミナルケアが必要な方など、多様な利用者がいます。

訪問看護師の主な業務

  • 病状・体調の観察(バイタル測定、全身状態のアセスメント)

  • 点滴、カテーテル管理、褥瘡処置などの医療的処置

  • リハビリテーション、服薬管理

  • 在宅でのターミナルケア・緩和ケア

  • ご家族への相談・サポート

  • 主治医やケアマネジャー、介護職との連携

訪問看護のメリット

  • 一人ひとりの利用者と深く関わり、「その人らしい生活」を支えられる

  • 自立支援や家族サポートのやりがいが大きい

  • 病院と違い、「生活の現場」で看護の本質を実感できる

  • 夜勤がない/オンコール体制でも実質的な拘束は限定的な職場も増加

  • フレックスタイム制や直行直帰など柔軟な働き方も可能

デメリット

  • 患者宅ごとに異なる環境や家族事情に対応する柔軟性が求められる

  • オンコール(夜間・休日の電話対応や出動)が必要な場合も

  • 一人で判断・対応する場面が多く責任が重い

  • 自動車運転や移動が苦手な方には負担となる場合も

データで見る訪問看護の需要

年度 訪問看護ステーション数 看護師数(推計) 利用者数(推計)
2013年 7,892 28,000 341,000
2018年 10,926 42,000 557,000
2023年 13,647 52,000 737,000

(厚生労働省「訪問看護ステーション数・利用者数の推移」より)

訪問看護の利用者・事業所ともに10年で約2倍になっており、看護師の新しい活躍の場として急拡大しています。

実際の声

  • 40代女性・訪問看護師
    「病院では一人ひとりと向き合う余裕がありませんでしたが、訪問看護では利用者さんの“生活”全体を支えられる充実感があります。医師や家族と連携して“その人らしさ”を大切にできる仕事です。

  • 30代男性・訪問看護管理者
    「判断力や自立性は求められますが、そのぶん自己成長も大きいです。働く時間や場所に自由度があり、ワークライフバランスも改善しました。


6. 保育園・学校・企業などその他の新しい選択肢

保育園看護師

保育園や認定こども園に配置される看護師も増えています。
子どもたちの健康管理・感染症対策・保育士のサポートが主な業務です。

メリット

  • 基本的に日勤のみ・土日祝日休み

  • 子どもの成長を間近で見守れる

  • 保護者や保育士と密なコミュニケーション

  • 子育て経験が活かせる職場

デメリット

  • 医療処置が限定的で、看護師としてのスキルアップには不向き

  • 年度替わりなどで業務が繁忙になる場合あり

学校看護師(養護教諭)

小中高校の保健室で勤務する**養護教諭(保健室の先生)**も人気です。
※教員免許(養護教諭資格)が必要

  • 児童・生徒の健康管理、けが・急病対応、心のケア

  • 学校行事への対応や健康教育

正規採用は狭き門ですが、臨時的任用やパートも増加傾向です。

企業看護師(産業看護師・産業保健師)

  • 社員の健康管理・健康相談

  • 健診結果のフォロー、メンタルヘルス対策

  • 衛生教育・感染症対策の啓発

大企業や健康保険組合、外資系企業に多いですが、契約社員や派遣、産業保健師としての求人も増加しています。

行政・自治体

  • 保健所や保健センターなどの公的機関で、地域保健活動や健康相談、予防接種業務に従事

  • 災害時の避難所支援、保健指導

社会貢献性が高く、福利厚生も安定しています。

新しい分野

  • 治験コーディネーター(CRC)
    医薬品開発に関わる臨床試験の現場で、患者・医師・企業の橋渡しを担う

  • ツアーナース・イベントナース
    修学旅行や各種イベントでの救護対応

  • 美容クリニック・美容外科・エステ業界
    美容医療の分野も人気拡大中。施術補助やカウンセリング業務など


7. 働く場所ごとの比較表

職場ごとの主な特徴・収入・勤務形態比較

職場 勤務形態 主な業務内容 平均年収(万円) 夜勤の有無 勤務時間 定着率・満足度
病院 シフト・夜勤あり 医療行為全般・急性期対応 480~520 あり 2交代・3交代 普通
クリニック 日勤のみ・シフト制 外来診療補助・採血・健診 370~440 なし 8:30~17:30 高め
介護施設 日勤メイン・シフト制 健康管理・服薬管理・生活支援 370~430 少ない 早番/遅番等 高め
訪問看護ステーション 日勤のみ・一部オンコール 在宅患者のケア・医療的処置 400~500 なし/少数 9:00~18:00 高め
保育園 日勤のみ 子どもの健康管理・保健指導 340~390 なし 8:00~17:00 高め
学校(養護教諭) 日勤のみ 生徒の健康管理・保健指導 340~400 なし 8:30~17:00 高め
企業(産業看護師・保健師) 日勤のみ・一部時短 社員健康管理・衛生指導 400~550 なし 8:30~17:30 高め
行政・自治体 日勤のみ 地域保健活動・健康相談 400~500 なし 8:30~17:15 高め
美容クリニック 日勤のみ・シフト制 美容施術補助・カウンセリング等 380~460 なし 10:00~19:00 高め

(※年収は勤務地域や経験年数により変動します。)

8. 求人動向・収入比較・今後の展望

求人動向

病院以外で働く看護師の求人は、この10年で大きく増加しています。
特にクリニック、介護施設、訪問看護、企業、保育園・学校など多様な職場でのニーズが高まっています。

看護師求人数の推移(2013年~2023年)

年度 病院求人件数 クリニック求人件数 介護施設求人件数 訪問看護求人件数 その他(企業・行政など)
2013年 64,000 13,000 7,200 2,800 2,100
2018年 59,000 18,500 13,000 5,900 3,200
2023年 51,000 22,000 19,500 9,300 4,800

(※厚生労働省「看護職員需給状況調査」・大手求人サイト集計より)

特に顕著なのが、介護施設・訪問看護の求人件数の急増です。
これは「医療の地域移行」と「高齢者人口の増加」によるものです。
また、クリニックや企業求人も順調に伸びており、看護師のキャリアパスは年々多様化しています。

収入比較

看護師の年収は、「勤務先」「地域」「経験年数」によって大きく変動しますが、一般的な傾向は以下の通りです。

勤務先 平均年収(万円) 備考
病院(急性期・公的) 480~520 夜勤手当・残業代が高くなる傾向
クリニック 370~440 夜勤なし。賞与水準は法人ごとに差が大きい
介護施設 370~430 夜勤やオンコール手当あり。手当充実の施設も増加
訪問看護ステーション 400~500 利用者獲得数やオンコール回数で変動する場合も
保育園・学校 340~400 公務員給与や園の運営主体により差がある
企業(産業看護師等) 400~550 福利厚生・賞与が手厚い職場も多い
行政・自治体 400~500 公務員給与水準。土日祝休みが多い
美容クリニック 380~460 歩合制導入クリニックあり。経験・地域差が大きい

病院勤務の年収が最も高い傾向ですが、夜勤や残業による部分が大きく、
夜勤なしの日勤職場でも賞与・福利厚生次第では十分な年収が得られるケースも増えています。

実際の収入満足度(全国看護職員調査・2023)

勤務先 「満足」割合(%)
病院 52.8
クリニック 65.1
介護施設 61.4
訪問看護 64.7
保育園・学校 59.9
企業・行政 70.2
美容クリニック 60.7

収入額よりも「働き方や職場環境の満足度」の影響が大きいことが伺えます。
「家庭や自分の時間を大事にしたい」「心身の負担を減らしたい」という理由から病院以外へ転職し、結果的に満足度が上がる看護師が増えています。

今後の展望

厚生労働省は「2025年問題」(団塊世代の高齢化)以降、地域医療・介護の人材需要はさらに拡大すると予測しています。
また、保育園・学校・企業・行政などでも健康管理やメンタルヘルス支援のニーズは高まる一方です。

  • 地域包括ケア・在宅医療のさらなる拡大

  • 働き方改革の進展による多様な就業モデルの誕生

  • ICTやテレナーシング(遠隔看護)の普及

  • 「予防医療」「健康経営」の重視による産業看護師の需要増

  • 女性・シニア看護師の職場復帰支援の拡充

今後は「自分らしい働き方」「家庭・キャリア両立」を叶えやすい環境がさらに広がっていくことが期待されます。


9. 実際に転職した看護師の声

現場の生の声ほど、キャリア選択時の参考になるものはありません。
さまざまな職場に転職した看護師のエピソードを紹介します。


クリニック勤務(30代・女性)

「総合病院の忙しさに体調を崩し、日勤のみのクリニックへ。子どもを保育園に預けてから出勤でき、残業もほぼないため家事や育児と両立できています。患者さんとの距離が近く、“街のお母さん”みたいな気持ちで働けるのがやりがいです。

介護施設勤務(40代・男性)

「長年の急性期勤務で消耗しきっていましたが、介護老人保健施設では高齢者とじっくり向き合い、その人の人生を支える楽しさに出会えました。多職種連携が多く、チームで利用者さんの生活全体をサポートする醍醐味があります。」

訪問看護ステーション(50代・女性)

「訪問看護は最初、ひとりで対応する責任の重さに不安もありました。でも、在宅で最期まで寄り添う経験や、家族との関わりの深さは病院では得難い充実感です。仕事と家庭の両立もできています。」

保育園看護師(20代・女性)

「子ども好きなので保育園を選びました。ケガや発熱などの初期対応だけでなく、感染症対策や健康指導など、看護師としての社会的役割も実感できます。日曜休みでプライベートも充実です。

企業看護師(40代・女性)

「産業看護師に転職し、社員の健康相談やメンタルケアを担当しています。大規模な会社だと保健師や産業医との連携も多く、幅広い知識が身につきます。土日休みで有給も取りやすいので、働きやすさは抜群です。


10. 新しい働き方を選ぶ際のポイント

「自分に合った職場」を見極めるためには、下記のポイントをしっかり比較・検討しましょう。

ライフステージや価値観の確認

  • 子育て・家庭・介護との両立を最優先にしたいか

  • 看護師としてのキャリアアップを重視したいか

  • 地域・在宅・生活支援に関心があるか

  • 夜勤や長時間勤務は避けたいか

  • 社会的意義・やりがいを求めたいか

職場環境・福利厚生の比較

比較項目 病院 クリニック 介護施設 訪問看護 保育園・学校 企業・行政
夜勤 あり なし なし/少 なし なし
土日祝休み △/○
残業 多め 少なめ 少なめ 少なめ 少なめ 少なめ
給与水準 高め やや低め 普通 普通~高め やや低め 普通~高め
スキルアップ
チーム連携
福利厚生 普通~◎ 普通 普通 普通 普通

「何を一番大事にするか」を明確にし、自分の理想に近い職場を探すことが重要です。

求人情報・職場見学の活用

  • 複数の求人サイト・エージェントを使い、最新の情報を比較検討

  • 職場見学やインターン、面接時の雰囲気チェックを重視

  • 口コミ・現役職員の声も積極的に確認


11. まとめ・これからのキャリア形成

看護師の働く場所は、これまでの「病院一択」から、「クリニック・介護・訪問看護・企業・行政・保育園・学校」など多様化し続けています。

  • 高齢化や医療の地域移行による「新しい看護師のニーズ」が急増

  • 日勤のみ・残業少なめ・土日休みなど「ライフステージに合った働き方」が選びやすくなった

  • 働き方ややりがい、キャリアアップの幅が広がっている

  • 自分らしい人生を叶えるための選択肢が今後もどんどん増えていく

重要なのは、「自分がどう生きたいか、どう働きたいか」をしっかり考え、その価値観やライフステージに合う職場を見つけることです。

迷った時は、同じような転職を経験した先輩看護師の声や、実際の職場見学を通じて、自分にとって“本当に心地よい場所”を見つけてください。

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株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

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青山学院大学経済学部卒業後、株式会社キャリアデザインセンターに入社。IT業界、コンサルティングファーム、重機メーカー、飲食業界など、大手上場企業から中小ベンチャーまで200社以上の中途採用に携わる。その後、大手ITサービス企業の人事として年間数百名規模の人材採用に従事。2015年株式会社STORIO設立。キャリアコンサルタントとして転職支援を行うとともに、人事領域のプロフェッショナルとして人材採用支援、組織開発などのコンサルティングも行う。
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