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厚生労働省|医療施設(動態)調査・病院報告書
厚生労働省|医療施設(動態)調査・病院報告書
1. 目的
医療施設調査・病院報告は、全国の医療施設の分布や整備などの実態を明らかにして、医療施設の診療機能や、療養病床を持っている診療所を含めた全国の病院の患者の利用状況を把握して医療行政の基礎資料を得ることを目的として実施しています。
2. 調査の時期
・医療施設静態調査(3年に1回) 平成29年10月1日現在
・医療施設動態調査(毎月) 平成28年10月1日~平成29年9月30日
・病院報告 平成29年1月1日~12月31日(毎月報告)
3. 調査の対象
・医療施設静態調査 調査をした時点で開設している全国すべての医療施設
・医療施設動態調査 解説または廃止などがあった医療施設
・病院報告 療養病床を有する診療所を含む全国の病院
4. 用語の説明
4-1. 医療施設の種類
・「病院」
医師や歯科医師が医業、歯科医業を行う場所のうち、患者20人以上の入院施設があるものを指します。
・「診療所」
医師や歯科医師が医業、歯科医業を行う場所のうち、患者の入院施設がない、または入院施設があっても患者19人以下のものを指します。
・「歯科診療所」
歯科医師が歯科医業を行う場所のうち、患者の入院施設がない、または入院施設があっても患者19人以下のものを指します。
4-2. 病院の種類
・「精神科病院」
精神病床しかない病院を指します。
・「一般病院」
精神科病院以外の病院を指します。
4-3. 病床の種類
・「精神病床」
精神疾患を有している者を入院させるための病床を指します。
・「療養病床」
病院や一般診療所の病床のなかで主に長期にわたって療養が必要な患者を入院させるための病床を指します。
・「一般病床」
精神病床や感染症病床、結核に関する病床以外の病床を指します。
・「介護療養病床」
療養病床のうち、介護保険法に基づいて都道府県知事の指定を受けた病床を指します。
5. 結果(すべての数値は前回調査との比較を表しています)
5-1. 医療施設調査
・全国にある医療施設の総数は180,909施設で、このうち「休止・1年以上休診中」の施設を除く「活動中の施設」は全体の98.7%の施設について取りまとめました。
5-1-1. 施設数
・全国の医療施設全体では419施設が減少していました。
・「病院」では30施設、「一般診療所」は58施設、「歯科診療所」は331施設が減少していました。
・種類別にみると、「精神科病院」は3施設、「一般病院」は27施設の減少で、「一般病院」のうち病院総数の44.9%を占める「療養病床を有する病院」は46施設減少していました。
・「一般診療所」のうち、「有床」は427施設減少しているのに対して、「無床」は369施設の増加となっていました。
・診療科別にみると、「糖尿病内科(代謝内科)」(110施設増)、「乳腺外科」(83施設増)などが増加していますが、「外科」(45施設減)、「小児科」(26施設減)などが減少し、一番多いのは全体の63.1%を占める「内科」、二番目は19.4%の「小児科」になっていました。
・一般病院で「産婦人科」を標ぼうしている施設は一般病院総数の15.3%、「産科」は2.5%となっていて、年々減少していることがわかりました。
5-1-2. 病床数
・医療施設の病床数は、「歯科診療所」では増減はありませんでしたが、それ以外はすべての施設・種類で病床は減少していました。
・人口10万対病院病床数は2.6%減少していました。
・人口10万対病院病床数を都道府県別にみると、「全病床」と「療養病床」、「一般病床」は高知県が、「精神病床」は鹿児島県が全国で最も多くなっていました。
・人口10万対病院病床数を都道府県別にみたときに、それぞれ最も多い県と最も少ない県の比率は、「全病床」は3.2倍、「精神病床」は3.9倍、「療養病床」は6.3倍、「一般病床」は2.2倍となっていて、都道府県によって大きな差があることが分かりました。
5-1-3. 診療棟の状況
・平成29年9月1ケ月の一般病院で実施された検査は、多い順に「マルチスライスCT」「上部消化管内視鏡検査」「骨塩定量測定」となっていて、実施された手術等では「人工透析」「悪性腫瘍手術」が多くなっていました。
・歯科診療所では「インプラント手術」が最も多くなっていました。
・分娩の状況では、分娩全体は年々減少していますが、分娩における帝王切開娩出術の割合は増加傾向にあります。
・平成29年9月1ケ月の在宅医療サービスの実施状況では、病院総数の63.3%の病院が「医療保険等による在宅サービスを実施している」ことがわかりました。
・在宅医療サービスの実施件数をみると、病院では「精神科在宅患者訪問看護・指導、一般診療所では「歯科訪問診療」、歯科診療所では「訪問歯科衛生指導」が最も多くなっていました。
・疾患の種類別にみた救急医療の状況では、深夜も含む夜間の救急医療体制にほぼ毎日対応しているのは、「内科」では38.0%、「外科系疾患」は28.6%、「小児科(小児外科を含む)疾患」は10.7%、「産科疾患(分娩を含む)」では10.4%と、種類によって差があることが分かりました。
・病院における職員のための院内保育サービスの状況をみると、院内保育を実施しているのは3,685施設と、病院総数の43.8%に及んでいることがわかりました。
・院内感染防止対策について、専任の担当者がいる施設は病院総数の67.8%となっていて、対策のための施設内回診の頻度は週1回以上が最も多くなっていました。
・受動喫煙防止対策の状況では、病院総数の58.7%が病院の敷地内を全面禁煙にしていました。
・「禁煙外来」の設置状況では、病院では29.7%の施設に、一般診療所では13.0%の施設に設置されていることが分かりました。
5-1-4. 従事者の状況
・病院の100床あたりの常勤に換算した従業員者数は、病院全体では137.7人となっていて、精神科病院は68.2人、一般病院は148.4人になっていました。
・病院の100床あたりの従業員数を職業別にみると、医師は14.1人、看護師は52.3人、准看護師は7.4人となっていました。
・人口10万対常勤に換算した医師数を都道府県別にみると、多い順に高知県、徳島県、京都府、石川県、岡山県となっていて、少ない順では、埼玉県、静岡県、新潟県、三重県、青森県となっていました。
5-2. 病院報告
5-2-1. 患者数
・1日平均在院患者数全体は0.1%増えていて、そのうち精神科病院は0.9%減少しているのに対して、一般病院では0.3%増えていました。
・1日平均新入院患者数は44,444人、1日平均退院患者数は44,411人となっていました。
・1日平均外来患者数全体では、0.7%減少していましたが、そのうち精神科病院は1.3%増えていて、一般病院は0.8%減少していました。
・人口10万人対1日平均外来患者数は、全国的には5.3人減少しています。
・人口10万人対1日平均外来患者数を都道府県別にみると、多いのは高知県、徳島県で、少ないのは神奈川県、静岡県となっていました。
5-2-2. 病床利用率
・病床利用率は80.4%で、0.3%増えていました。
・病床の種類別にみると、「精神病床」は0.1%、「療養病床」は0.2%減っていましたが、「一般病床」は0.7%増えていました。
5-2-3. 平均在院日数
・平均在院日数は28.2日で、0.3日短くなっていました。
・平均在院日数を病床の種類別にみると、「精神病床」は2.2日、「療養病床」は5.9日、「介護療養病床」は6.0日、それぞれ短くなっていました。
・平均在院日数を都道府県別にみると、「全病床」「一般病床」ともに最も長いのは高知県、最も短いのは神奈川県、「精神病床」が最も長いのは山口県、最も短いのは東京都、「療養病床」が最も長いのは富山県、最も短いのは長崎県、「介護療養病床」は最も長いのは秋田県、最も短いのは山形県になっていました。