毎年、7月から8月にかけて最低賃金の改定額が決定され、10月から実施されます。
2022年度の最低賃金は過去最高の引き上げ幅となったのですが、それにはどのような経緯があったのでしょうか?
また、引き上げ幅は都道府県で異なりますが、その中でトップ3、ワースト3はどこでしょうか?
最低賃金が引き上げられた経緯
最低賃金の引き上げについては、まず中央最低賃金審議会で引き上げ額の目安を決定します。
それを地方最低賃金審議会にかけ、審議の結果を受けて各都道府県労働局長が地域別の最低賃金額を決定します。
2022年は、これまでの新型コロナウイルスの影響も落ち着き、経済活動も活発化してくると予想されます。
また、物価も上昇していることから、過去最大額の引き上げとなりました。
どれくらい引き上げられる?
最低賃金の引き上げ額は、2020年が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動への影響を鑑みて、雇用継続を優先したため全国平均で1円の引き上げに留まりました。
2021年は、例年通りの引き上げ幅となっています。
賃金引き上げについては、第二次安倍政権で定められていた目標が年3%の引き上げだったので、2016年から2019年にかけてはおおよそ3%ずつ引き上げられていました。
2020年はその目標から外れていたのですが、2021年は目標通りとなりました。
そして2022年度は、全国平均で930円から961円と31円引き上げられました。
上昇率は3.33%と、目標を超える割合となったのです。
引き上げ額は都道府県で異なりますが、最も高いところで33円、低いところでは30円の引き上げとなりました。
最低賃金トップ3、ワースト3
全国の最低賃金を都道府県別に見た場合、高いところと低いところはそれぞれどこなのでしょうか?
最低賃金のトップ3、ワースト3を紹介します。
最低賃金が最も高いのは東京都で、1,072円となりました。
2番目に高いのは神奈川で、1,071円です。
3番目は大阪で1,023円となり、トップ3は全て1,000円を超えました。
一方、最も低かったのは10県あり、853円でした。
その中で引き上げ額が31円だったのが青森と秋田、32円だったのが愛媛、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島で、33円引き上げられたのが高知と沖縄です。
高知県と沖縄県は上昇率が4%を超えて最も高かったものの、全国平均よりもかなり低くなっています。
こういった地域格差の是正も、今後の課題となるでしょう。
まとめ
最低賃金は、年々上がり続けていきます。
それには働き手不足や生産性向上などの理由もありますが、政府による雇用者側の消費拡大の後押しという理由もあるのです。
しかし、実情にそぐわない最低賃金の引き上げは、かえって雇用を減らす事にもなりかねません。
そういったバランスを見ながら、引き上げ額を考えていく必要があるでしょう。
株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】
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