看護師が転職で年収アップを目指すコツと成功事例

「看護師は激務なのに、なかなか年収が上がらない」――
そんな悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか?
毎日忙しく働き、患者さんやご家族のために尽くしても、
「自分の頑張りがきちんと収入に反映されていない」
そんなモヤモヤを感じていませんか?

実は今、「転職による年収アップ」は、看護師にとって現実的な選択肢になっています。
現場の実態を正しく知り、自分に合った戦略を立てて転職活動を進めれば、
年収50万円、100万円アップも夢ではありません。

本記事では、最新データやリアルな体験談、転職市場の裏話も交えながら、
どうすれば年収アップに成功できるのか?」を一から十まで丁寧に解説します。
読み進めるうちに、「自分にもできる!」と希望が湧いてくる内容を目指します。

目次

1. 看護師の年収事情 ― 現状と最新データ

1-1. 平均年収と業種別の違い

まず、日本全国の看護師の平均年収を見てみましょう。

職種・業態 平均年収(万円) 平均月収(万円)
病院(正看・常勤) 493 32.4
クリニック・診療所 428 28.5
訪問看護ステーション 522 34.8
老人福祉施設 449 29.9
企業・健診センター 541 36.1
夜勤専従(パート含) 550〜650 38〜45
管理職・看護師長 620〜720 41〜50

(出典:厚労省「賃金構造基本統計調査2024」/看護協会調査等)

1-2. 都道府県別・地域別の年収差

地域 平均年収(万円)
東京都 545
大阪府 512
愛知県 506
福岡県 478
北海道 467
沖縄県 412
全国平均 495

同じ「看護師」でも、地域や業種によって100万円以上の差が出ることもあります。
さらに、夜勤回数・役職・資格(認定看護師など)によっても大きく変わります。

1-3. 年収が上がりやすい人・下がりやすい人

要素 年収アップしやすい 年収下がりやすい
夜勤・シフトあり
役職・管理職経験
訪問看護・健診など高単価
クリニックパート
地方・中小病院
パート・非常勤

2. なぜ今、「転職で年収アップ」が注目されているのか

2-1. 転職による年収アップが“普通”になってきた理由

  • 看護師不足による「売り手市場」化
    多くの地域で深刻な人手不足。好条件求人が増加中。

  • 医療機関の待遇競争が激化
    「他院より給与アップ」や「引越し費用全額補助」など、年収面のアピールが強化。

  • 働き方改革やワークライフバランス意識の変化
    シフトの融通や休日数・賞与増など、年収以外の“総合的な待遇”向上も進んでいる。

2-2. 転職による「年収アップ成功率」データ

転職経験回数 「前職より年収アップできた」割合(%)
1回 56.7
2回 64.2
3回以上 69.1

(看護roo!キャリア調査2023)

転職を経験するほど「年収アップ」に成功しやすい傾向があります。


3. 年収アップ転職の成功パターン【業種・働き方別】

3-1. 「転職で年収が大きく上がる」5大パターン

パターン名 具体例 年収アップ幅(平均)
夜勤多め常勤 二交替・三交替病棟→夜勤手当増 +50〜100万円
訪問看護 病院→訪問看護ステーション +40〜80万円
企業・健診 クリニック→健診センター/産業看護 +30〜100万円
管理職へ昇進 一般職→主任/師長/管理職 +70〜200万円
特定資格取得 認定看護師・専門看護師 +50〜120万円

具体例1:「夜勤回数を増やす+高単価病院」

夜勤手当は1回1.2万円〜1.8万円が相場。
「夜勤4回→8回」にするだけで、年収が50万円以上アップするケースも。

具体例2:「訪問看護への転職」

  • 日勤のみでも月給30〜40万円+インセンティブ(訪問件数連動)

  • 給与体系が「能力・実績」評価型=やる気次第で大きく年収アップ

具体例3:「企業・健診センターへの転職」

  • 月給35万〜+ボーナス3ヶ月分など、好条件求人が急増

  • 夜勤なし・土日休みでワークライフバランスも向上


3-2. 実際の求人票比較(例)

| 項目 | 一般病棟(地方中小) | 夜勤多め急性期 | 訪問看護 | 健診センター | クリニックパート |
|—————-|——————|————–|——–|—————-|
| 月給 | 26万円 | 33万円 | 34万円 | 32万円 | 23万円 |
| 賞与 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 3.5ヶ月| 3ヶ月 | 1ヶ月 |
| 夜勤手当/回 | 11,000円 | 18,000円 | ― | ― | ― |
| 年収目安 | 400万円 | 520万円 | 530万円| 500万円 | 310万円 |


3-3. “年収アップしやすい”職場ジャンル早見表

ジャンル 年収アップ期待値 ポイント
急性期大病院(夜勤多) 夜勤・手当・昇進のチャンス多数
訪問看護・在宅医療 インセンティブ・裁量大きい
健診センター・企業 残業少なめ/安定/賞与高い
クリニック(外来のみ) ワークライフバランス◎だが年収は控えめ
介護施設・特養 夜勤手当高めだが残業は少なめ

4. 年収アップを目指す転職活動“7つのコツ”

コツ1:求人情報は「総支給額」と「手当」まで細かく確認!

求人票には「基本給」「各種手当(夜勤/資格/住宅/扶養)」が分かりやすく記載されている職場を選びましょう。
基本給+諸手当+賞与(年間)」のトータルで比較することが大切です。

年収シミュレーション例

求人A 求人B
基本給:25万 基本給:28万
夜勤手当:4回 夜勤手当:6回
住宅手当:1.2万 住宅手当:1万
賞与:3.5ヶ月 賞与:3ヶ月
年収:約470万 年収:約510万

コツ2:夜勤回数・シフトパターンを「自分で選べる職場」が強い

夜勤手当が多くなるだけでなく、「夜勤専従」や「夜勤多め専従」求人は、時給換算でも高単価です。
また、急性期以外にも“慢性期/療養病棟”で夜勤を選ぶ”という裏技も。


コツ3:「訪問看護」「企業・健診」「管理職」など新分野への挑戦も視野に

訪問看護は「1件2,000円〜4,000円」×訪問件数でインセンティブがつく求人も。
健診・産業看護は「ボーナスや各種手当が手厚い」ケースが多く、
管理職は急募求人が多数=即年収アップ可能


コツ4:転職サイト・エージェントを最大限活用する

  • 「非公開求人」や「好条件」案件はエージェントにしか出回らない

  • 年収交渉や職場見学、雇用条件の細かい質問も代行してもらえる

主な看護師転職サイトの比較

サービス名 強み 非公開求人割合 サポート評価
レバウェル看護 高給与・好条件に強い 約80%
看護roo! 大手病院から訪問看護まで 約75%
ナース人材バンク 地方・高齢者施設にも強い 約70%
MCナースネット 単発・スポット求人も豊富 約50%

コツ5:「今いる職場と比較して」条件を明確化する

現在の給与明細や勤務条件をしっかり整理。
「転職しなくても、今の職場で昇給できる道はないか?」も同時に考えましょう。


コツ6:面接・条件交渉で“妥協しない”こと

  • 年収や待遇は「入職前に必ず書面で確認」

  • 「昇給・賞与」「夜勤回数の上限」「残業代の計算方法」まで細かく質問OK


コツ7:「キャリアアップ」「資格取得」も年収アップの王道

  • 認定看護師・専門看護師・特定行為研修修了者は、高年収求人が多い

  • 「外来主任」「管理職」への社内昇進型転職もオススメ


5. 絶対に外せない!求人選びと面接・条件交渉のポイント

5-1. 求人票チェックリスト

チェック項目 注意点
基本給・手当 夜勤/資格/住宅/家族/残業/通勤/役職等
賞与・昇給額 年2〜3回、金額の目安も必ず確認
退職金・福利厚生 有無や条件、社宅/寮/引越し補助など
勤務時間・シフト制 「実働8時間」「交代制」「オンコール」等
有給取得・残業代支給 有給消化率や時間外手当の計算方法

5-2. 面接時に必ず聞いておくべき質問

  • 「賞与・昇給はどのくらいですか?」

  • 「夜勤手当・回数の上限はありますか?」

  • 「月の平均残業時間は?」

  • 「有給消化率・休日取得の実績は?」

  • 「管理職やキャリアアップのチャンスは?」


5-3. 年収交渉のポイント

交渉は「入職前」が鉄則!

  • 複数内定を得た場合は「他院の条件と比較」も伝えてOK

  • 転職エージェントに「年収○万円以上希望」と伝えて交渉してもらうのが安全


6. 年収アップ転職“成功事例”インタビュー

事例1:30代後半女性・地方中小病院から都市部の急性期病院へ

「これまで年収430万円ほどでしたが、転職で夜勤回数を月6回に増やし、基本給+手当が大幅UP。
年収は約540万円に。ワークライフバランスも事前に確認できたので、不満なく働けています。」


事例2:40代前半女性・クリニックパート→訪問看護ステーション常勤

「子育てが一段落し、思い切って訪問看護へ転職。
最初は不安もありましたが、インセンティブ制でやる気次第で年収600万円超に!
今では管理者としてさらに収入UPを目指しています。」


事例3:50代男性・病棟看護師→企業健康管理室

「急性期で激務に疲れ、企業健診センターへ転職。
年収は510万円→550万円、残業もほぼゼロになりました。
“安定と余裕”を手に入れて人生が変わりました。」


事例4:30代後半女性・認定看護師資格取得で年収+120万円

「職場の推薦で“皮膚・排泄ケア認定看護師”資格を取得。
転職先では主任待遇+資格手当5万円/月で年収が一気に上がりました。
資格取得のサポート体制がある職場はおすすめです!」


事例5:20代男性・夜勤専従で年収400万円→600万円超

「夜勤専従の求人を探し、病院+老人施設のWワークで年収600万円超。
自分のペースで働けるし、貯金も大きく増えました。」


7. 転職後に後悔しないための注意点・失敗談から学ぶ

7-1. 年収UPだけで選ぶと「想定外のストレス」も

失敗例 原因
夜勤専従→体調不良 生活リズム悪化・人間関係ストレス
訪問看護→ミスマッチ 独立業務の負担・運転が苦手だった
管理職→激務に疲弊 経営・人事トラブルへの対応に追われた

「年収だけ」で選ばず、必ず「自分に合った働き方」も大事にしてください。


7-2. 年収UP転職「失敗しない」ための自己分析シート

  • 「自分が得意な業務」「苦手なシフト・勤務形態」

  • 「ワークライフバランスの理想」

  • 「家族やパートナーの理解・協力体制」

  • 「キャリアアップ・学びの意欲」
    この4点をじっくり整理しましょう。


8. Q&Aコーナー ~気になる疑問を徹底解説

Q. 転職したら確実に年収は上がりますか?

A. 必ずしも全員が「年収UP」とは限りません。
「求人の給与体系」「シフト条件」「夜勤回数」「賞与の実態」まで丁寧に比較・交渉することが重要です。


Q. 給与交渉は自分でやるべき?エージェント任せがいい?

A. 初めての転職・交渉は「転職エージェント」を使うのが安全で効率的。
条件提示の“言いにくいこと”もプロが代行してくれます。


Q. 認定看護師など資格がないと年収UPできない?

A. 資格なしでも夜勤手当やインセンティブで十分年収UP可能です。
ただし、長期的なキャリアアップを考えるなら資格取得も有利です。


Q. 50代以降でも転職で年収UPできますか?

A. 十分可能です。
50代でも管理職や経験者採用、高単価求人(訪問看護・夜勤専従など)多数。
「年齢よりも経験・人柄・やる気」が重視される時代です。


9. まとめ・「あなたらしい働き方」を考えよう

転職で年収アップを実現した看護師さんの多くは、
「情報収集」「条件の明確化」「自己分析」「妥協しない交渉」
この4つを徹底していました。

年収は“我慢の対価”ではなく、“あなたの価値”に対する正当な評価です。

  • 忙しいだけの職場で損をしていませんか?

  • あなたのスキル・経験に見合った職場で、きちんと評価されたいと思いませんか?

「今よりもっと、豊かな生活を送りたい」
「仕事もプライベートも大切にしたい」
その気持ちを、どうか大切にしてください。

あなたの「一歩」が、きっと人生を大きく変えます。
応援しています!

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株式会社STORIO 代表取締役 中村彩織【現役転職サイト・転職エージェント】

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青山学院大学経済学部卒業後、株式会社キャリアデザインセンターに入社。IT業界、コンサルティングファーム、重機メーカー、飲食業界など、大手上場企業から中小ベンチャーまで200社以上の中途採用に携わる。その後、大手ITサービス企業の人事として年間数百名規模の人材採用に従事。2015年株式会社STORIO設立。キャリアコンサルタントとして転職支援を行うとともに、人事領域のプロフェッショナルとして人材採用支援、組織開発などのコンサルティングも行う。
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