「スマホ代を節約したい」「格安SIMに変えたい」と思っても、長年使ってきた電話番号を手放すのは不安……。そんな方におすすめなのが、MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)という制度です。
MNPを使えば、現在使っている電話番号をそのままに、格安SIMへ乗り換えることが可能です。この記事では、MNPの仕組みと手順、乗り換え時の注意点などをわかりやすく解説します。
MNP(Mobile Number Portability)とは、「今使っている携帯電話番号を、別の通信会社でもそのまま使える制度」のことです。
たとえば、ドコモを使っていた人がmineoやIIJmioなどの格安SIMに乗り換える場合でも、090/080/070などの番号を変更せずに使い続けられるという仕組みです。
この制度により、番号を変えたくないという理由だけで乗り換えを諦める必要がなくなりました。
MNPを使って格安SIMに乗り換えるには、いくつかのステップがあります。順番に見ていきましょう。
以前は、携帯キャリアで購入したスマートフォンには「SIMロック」がかかっていました。これは、他社のSIMカードを使えないようにする制限です。
現在は法律の改正により、一定の条件を満たせばSIMロック解除が可能です。格安SIMで使いたいスマホが、ロック解除済みかどうかを確認し、必要ならキャリアのサイトや店頭で解除手続きを行いましょう。
今の携帯会社から電話番号を引き継ぐために、「MNP予約番号」を取得します。これは10桁の数字で、予約後15日間だけ有効です。
各キャリアの取得方法は以下のとおりです(2025年時点):
キャリア | 取得方法 |
---|---|
ドコモ | My docomo、電話、店頭 |
au/UQモバイル | My au、電話、店頭 |
ソフトバンク/Y! | My SoftBank、電話、店頭 |
楽天モバイル | アプリまたはマイページ |
※MNP転出手数料は現在無料化されています。
MNP予約番号が取れたら、次は格安SIMの申し込みです。以下の情報を用意しておきましょう。
Web上で必要事項を入力し、プランを選んで申し込むと、数日後にSIMカードが自宅に届きます。
SIMカードが届いたら、次は回線の切り替えです。格安SIM会社のマイページやアプリから「MNP回線切替」操作を行います。
その後、以下の手順でスマホを設定します。
※一部の事業者ではAPN設定用のアプリを提供しています。
MNPでの乗り換えは便利ですが、いくつかの注意点もあります。
ドコモ(@docomo.ne.jp)、au(@ezweb.ne.jp)、ソフトバンク(@softbank.ne.jp)などのキャリアメールは原則として使えなくなります。
必要があれば、事前にGmailやYahoo!メールなどのフリーメールアドレスを取得し、データを移行しておきましょう。
多くのキャリアでは、月途中で解約しても1ヶ月分の料金が発生します。また、乗り換え先の格安SIMでは、契約月の月額料金が日割り計算される場合とされない場合があります。「重複課金」を避けたいなら、月末のタイミングで乗り換えるのがおすすめです。
MNP予約番号には有効期限(15日間)があります。申し込み時点で残り期限が10日以上必要な事業者もあるため、取得後はすぐに格安SIMの申し込みを行うのがベターです。
格安SIMでは、LINEの年齢認証ができない場合があります。これにより、LINE ID検索が使えなくなる可能性があります。友達追加はQRコードや招待リンクで代用しましょう。
現在、ほとんどの格安SIM会社でMNPが利用可能です。以下は代表的な事業者とプランの一例です(2025年時点)。
事業者 | 名音声付きプラン(目安) | 特徴 |
---|---|---|
dmobile | 3GB 980円 | ドコモ回線を使用: 全国で安定した通信品質を提供 |
IIJmio | 2GB 850円 | 老舗MVNOで信頼性が高い |
mineo | 1GB 880円 | フリータンクで通信量を融通可能 |
OCNモバイルONE | 1GB 990円 | ドコモグループの安定性 |
日本通信SIM | 3GB+通話 780円 | 通話込みで業界最安クラス |
LINEMO | 3GB 990円 | LINEギガフリー対応 |
MNPを活用すれば、今使っている電話番号をそのままに、格安SIMでスマホ代を月1,000円以下に抑えることも可能です。
特に以下のような方には、MNP乗り換えが最適です:
手順や注意点をしっかり把握すれば、MNPによる格安SIM乗り換えはそれほど難しくありません。無理なく家計を見直す第一歩として、ぜひMNPの活用を検討してみてください。