格安SIMの仕組み

大手キャリアと何が違う?格安SIMの仕組みを図解で説明


スマートフォンの利用料金を節約する手段として注目されている「格安SIM」。しかし、「格安SIMってどうして安いの?」「ドコモやauと何が違うの?」と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか?

 

この記事では、図解を交えながら、大手キャリアと格安SIM(MVNO)の仕組みの違いや、その理由、そして利用時のポイントまでをわかりやすく解説します。

 

◆ まずは用語の整理:MNOとMVNOとは?

用語 意味
MNO Mobile Network Operator(移動体通信事業者)。自社で通信設備(基地局など)を保有し、通信サービスを提供する会社。 ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル
MVNO Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)。MNOから回線を借りて、自社ブランドで通信サービスを提供。 mineo、IIJmio、OCNモバイルONEなど

◆ 図解でわかる!MNOとMVNOの仕組みの違い


※MVNOはドコモなどの通信インフラを「一部だけ」借りて使っているため、設備投資が不要。その分、ユーザーに安くサービスを提供できるのが特徴です。

 

◆ どうして格安SIMは安いの?

格安SIMが安い理由は、主に次の3点です。

 

① 通信設備を持たず、回線を借りているから

MNOは全国に基地局やデータセンターを設置・維持していますが、MVNOはそれらを借りているだけ。初期投資や維持費が少ないため、料金も抑えられます。

 

② 実店舗を持たず、オンライン完結型が多い

MVNOは人件費・店舗維持費を大幅に削減できるため、その分料金を安くできます。

 

③ サービスを最小限に絞っている

キャリアメール、家族割、ポイントなど大手キャリアの多機能なサービスを提供しない代わりに、シンプルで安価な通信サービスに集中しています。

◆ 通信速度の違いはどうして生まれる?

MVNOはMNOから「帯域(回線の幅)」を購入しており、その帯域の範囲内で複数の利用者に通信サービスを提供します。

 

  • 混雑時(例:12時台)は、多くのユーザーが同時に利用するため、通信速度が遅くなる。
  • MNOは自社設備なので優先的に帯域を確保可能、常に安定した速度を保ちやすい。

 

このように、格安SIMでは「回線の混雑時に速度が低下しやすい」という現象が発生しやすくなります。

 

◆ サービス内容の違いを比較

項目 大手キャリア(MNO) 格安SIM(MVNO)
基地局 自社で保有 借りて使用
通信速度 高速で安定 混雑時に低下することあり
サポート 実店舗・電話・チャット対応 オンライン中心(店舗なしも多い)
料金 月額7,000円前後〜 月額1,000円〜3,000円前後
キャリアメール あり(@docomoなど) なし(Gmailなど使用)
特典 家族割・学割・ポイント還元など 基本的になし(事業者により特典あり)

◆ 図でわかる!格安SIMを使うための流れ

 

◆ 格安SIMのメリットとデメリット(まとめ)

◎ メリット

  • 月額料金が圧倒的に安い
  • 自由なプラン選択が可能
  • 契約の縛りが緩く、乗り換えも簡単
  • SIMフリー端末との相性が良い

 

✕ デメリット

  • 通信速度にばらつきがある
  • キャリアメールが使えない
  • サポートが限定的(初心者には不安)
  • 設定が必要(APNなど)

 

◆ こんな人には格安SIMが向いている!

  • 毎月のスマホ代を節約したい
  • ネットは主にWi-Fiで使っている
  • 通話はLINEやアプリで十分
  • 自分で設定できる(あるいは調べるのが苦にならない)
  • サブスマホやタブレット用に通信を確保したい

 

◆ 大手キャリアが安心な人は?

  • スマホの設定が不安な方
  • 店舗でのサポートが必要な方
  • 通信速度や安定性を最優先したい方
  • キャリアメールを多く使っている方
  • 家族割や複数回線割引を活用している方

 

◆ まとめ:仕組みを知れば、格安SIMの魅力が見えてくる

格安SIMは「安かろう悪かろう」ではありません。その仕組みは、大手キャリアの通信設備を有効活用した、効率的で合理的なサービス設計に基づいています。

 

もちろん、通信速度やサポート体制などの面では不安があるかもしれませんが、自分の使い方に合っていれば、格安SIMは大きな節約効果と自由なスマホ運用を可能にしてくれます。