スマートフォンの利用料金を節約する手段として注目されている「格安SIM」。しかし、「格安SIMってどうして安いの?」「ドコモやauと何が違うの?」と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、図解を交えながら、大手キャリアと格安SIM(MVNO)の仕組みの違いや、その理由、そして利用時のポイントまでをわかりやすく解説します。
用語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
MNO | Mobile Network Operator(移動体通信事業者)。自社で通信設備(基地局など)を保有し、通信サービスを提供する会社。 | ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル |
MVNO | Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)。MNOから回線を借りて、自社ブランドで通信サービスを提供。 | mineo、IIJmio、OCNモバイルONEなど |
※MVNOはドコモなどの通信インフラを「一部だけ」借りて使っているため、設備投資が不要。その分、ユーザーに安くサービスを提供できるのが特徴です。
格安SIMが安い理由は、主に次の3点です。
MNOは全国に基地局やデータセンターを設置・維持していますが、MVNOはそれらを借りているだけ。初期投資や維持費が少ないため、料金も抑えられます。
MVNOは人件費・店舗維持費を大幅に削減できるため、その分料金を安くできます。
キャリアメール、家族割、ポイントなど大手キャリアの多機能なサービスを提供しない代わりに、シンプルで安価な通信サービスに集中しています。
MVNOはMNOから「帯域(回線の幅)」を購入しており、その帯域の範囲内で複数の利用者に通信サービスを提供します。
このように、格安SIMでは「回線の混雑時に速度が低下しやすい」という現象が発生しやすくなります。
項目 | 大手キャリア(MNO) | 格安SIM(MVNO) |
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基地局 | 自社で保有 | 借りて使用 |
通信速度 | 高速で安定 | 混雑時に低下することあり |
サポート | 実店舗・電話・チャット対応 | オンライン中心(店舗なしも多い) |
料金 | 月額7,000円前後〜 | 月額1,000円〜3,000円前後 |
キャリアメール | あり(@docomoなど) | なし(Gmailなど使用) |
特典 | 家族割・学割・ポイント還元など | 基本的になし(事業者により特典あり) |
格安SIMは「安かろう悪かろう」ではありません。その仕組みは、大手キャリアの通信設備を有効活用した、効率的で合理的なサービス設計に基づいています。
もちろん、通信速度やサポート体制などの面では不安があるかもしれませんが、自分の使い方に合っていれば、格安SIMは大きな節約効果と自由なスマホ運用を可能にしてくれます。