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看護師の失業保険のもらい方

失業保険って何?

失業保険は正式には「雇用保険」といいます。

看護師が病院を退職した際、次の仕事が決まるまでに時間がかかる場合はハローワークで手続きして失業手当をもらうことができます。

 

その失業手当をもらうために加入しているのが雇用保険です。
雇用保険に加入した覚えがないという人もいるでしょうが、雇用保険は病院側、つまり雇用主が加入するものです。

 

そのため入職した時に自動的に加入していて、保険料は毎月給与から天引きされています。
雇用保険の加入は雇用主の義務なので、もしも退職時に雇用保険に加入していないことが分かれば、病院が罰則を受けることになります。

 

きちんと加入しているかどうかを知りたい場合は、ハローワークで確認できます。
窓口で雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票という書類を提出するか、郵送で提出すれば紹介できます。
ただし郵送の場合は不着事故防止のために、なるべく簡易書留などで提出しましょう。

 

きちんと加入していれば、退職時に病院から雇用保険被保険者証を受け取ることができます。
これは失業手当をもらう際や再就職先への提出にも使うので、大事に保管しておきましょう。

 

失業保険をもらうための条件は?

失業した時に、次の仕事が決まるまでの経済的な支えとなるのが失業保険です。
しかし、失業保険というのは無条件にもらえるわけではありません。

 

失業保険をもらえる条件としては、まず離職の日までの2年間で雇用保険に加入していた期間が満12か月以上となっている必要があります。

 

雇用保険は病院などで正規の看護師として勤務していれば普通は加入しているので、1年以上勤務していれば問題ありません。
病院によっては非正規雇用であっても加入しているので、心配なら確認してみましょう。

 

12か月というのは一つの病院だけではなく、以前の勤務先と通算して数えることができます。

 

もう一つの条件が、賃金の発生した日数が11日以上ある月が12か月以上ある事となっています。

 

つまり、毎月11日以上勤務していれば問題ないのですが、離職日以前に欠勤や休暇によって月に11日以下しか勤務していなければ、その月は雇用保険の条件に含まれないということです。これも普通に働いていれば問題ありません。

 

ただし、会社都合での失業であれば離職日以前の1年以内に11日以上勤務していた月が6か月以上あること、と条件が変わります。

 

失業保険をもらうまでの手続きは?

看護師が病院を退職した時、次の職場が決まるまで時間がかかるようであれば失業保険をもらうことができます。

 

失業保険をもらうために必要なもの
失業保険をもらうために必要なものは、退職した病院からもらう離職票と雇用保険被保険者証、それに印鑑と証明写真、失業保険を振り込んでもらう口座の通帳と、住民票か運転免許証です。これらの書類が揃っていなければ手続きはできません。

 

手続きが終わると、受給資格者のしおりをもらいます。
そこに受給説明会の日時などが書かれているので、その日はちゃんと会場に行かなくてはいけません。

 

説明会が終わると、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取ります。
これを持ってハローワークに通い、求職活動をしていると証明を受けなければ失業保険はもらえません。

 

自己都合で退職した場合はそれから90日間の給付制限期間がありますが、それを過ぎると4週間に1度失業認定日があります。
窓口で手続きをして、まだ新しい仕事に就いていなければ失業保険が給付されます。

 

次の失業認定日までに最低でも2回はハローワークで求職活動をしていないと、失業保険は給付されませんので気を付けましょう。

 

失業保険をもらう時の必要書類を教えて。

病院を退職して失業保険をもらうためには、ハローワークで手続きをする必要があります。
その際に必要な書類を忘れると手続きができないので、あらかじめ書類が揃っているか確認しておきましょう。

 

失業保険をもらうために必要な書類
失業保険をもらうために必要な書類として、まずは雇用保険被保険者証と離職票が必要になります。
この2つは退職した病院からもらえますが、手続きが遅れると退職日から数日後に受け取ることになります。

 

そのほかには印鑑と証明写真も必要です。
印鑑は認印でも構いません。証明写真は縦3cm×横2.5cmのサイズが2枚必要で、3ヵ月以内に撮影したものであれば有効です。

 

失業保険は銀行振込で受け取るので、受け取る口座の通帳が必要です。この口座は本人名義でなければいけません。

 

後は本人確認のために免許証とマイナンバーカード、もしくは住民票が必要となります。
マイナンバーカードは2016年1月から必要となったので、以前に手続きしたことがある人は忘れてしまうかもしれません。

 

これらの書類が揃っていなければ、失業保険をもらうことはできません。

 

失業保険はどのくらいの期間、もらえるの?

病院を退職した看護師が新しい職場を見つけるまでの間、頼りになるのが失業保険です。
しかし、失業保険はどのくらいの期間もらうことができるのでしょうか?

 

失業保険をもらえる期間は離職時の年齢と勤続年数、離職の理由によって異なります。

 

自己都合で退職した場合、離職時の年齢に関わらず勤続年数が10年未満の場合は90日、10年以上20年未満の場合は120日、20年以上の場合は150日となっています。

 

しかし会社都合での退職であれば、年齢も考慮されさらに細かく決められています。

 

例えば30歳以上35歳未満で勤続年数が5年以上10年未満の場合は給付日数が180日となりますが、同様の勤続年数でも年齢が45歳以上60歳未満の場合は240日となります。会社都合の退職の場合、最大の給付日数は330日となります。

 

また、障害者などの就職困難者の場合はまた異なり、45歳未満で勤続年数が1年未満の場合は150日、1年以上なら300日となり、45歳以上65歳未満で勤続年数が1年以上の場合は360日となります。

 

ちなみに勤続年数は直近の病院だけではなく、これまでに雇用保険に加入して働いていた期間の通算となります。

 

失業保険の給付金額はどうやって計算するの?

失業保険を受給する時、どのくらいの金額をもらえるのでしょうか?

失業保険でもらえる金額は、人によって異なります。

 

失業保険でもらえる給付金額の合計は、基本手当日額×給付日数で算出されます。

 

それでは基本手当日額は何を基準に決まるのでしょうか。
基本手当日額は、退職した時の年齢と退職する直前6か月間の賃金によって決まります。

 

このとき、残業代や手当は賃金に含まれますが、賞与は含みません。そのため夜勤手当などは含まれます。その賃金の合計を180で割った金額が、賃金日額となります。

 

そしてその賃金日額をそのままもらえるわけではありません。
基本手当日額は賃金日額のおよそ50%から80%と定められていますので、その間で計算されます。その割合を給付率と言いますが、給付率は離職時の年齢と賃金日額によって変動します。

 

年齢によって基本手当日額の上限が定められており、基本的には年齢が高くなればそれだけ上限も高くなっていきます。

 

また給付日数は、病院を退職した時の年齢と勤続年数、会社を退職した理由によって90日から330日の間で決定されます。

 

自己都合退職の時の給付制限って何?

病院を退職する時に、自分の意思で退職する自己都合退職の場合は失業保険をもらう際に給付制限期間があります。
この給付制限というのは何でしょうか?

 

失業保険をもらう際、自己都合でも会社都合でも最初の7日間は待期期間といって失業保険をもらうことはできません。

 

会社都合退職の場合はその後から失業保険をもらうことができるのですが、自己都合退職の場合はそれからさらに90日間の給付制限期間があります。

 

給付制限は、気軽に転職して失業保険をもらおうと考える人がいないようにと定められています。
そのため、病気や家庭の事情など正当な理由がある人は給付制限なしで失業保険をもらうことができます。

 

自己都合の場合、失業保険はいつからもらえるの?

一定以上の期間働いてから失業すると、再就職するまでの間は失業保険が給付されます。

 

失業保険は失業後自動的に給付されるわけではありません。失業してハローワークに行き、きちんと手続きをして初めてもらうことができるのです。

 

失業保険をもらえるようになるのは、自己都合退職と会社都合退職でそのタイミングが異なります。

 

看護師の場合、自分から病院に退職の意志を告げて退職すると自己都合退職、病院側から解雇された場合は会社都合退職となります。

 

失業保険を給付する際は7日間の待期期間がありますが、自己都合で退職した場合はそれに加えて、失業保険が給付されるまでに給付制限期間というものがあります。

 

これは失業保険を当てにして何度も退職するのを防ぐために設けられていて、手続きから90日間は失業保険を受け取ることができません。

 

そのため、自己都合で退職した場合は失業保険を受け取れるのは最短でも97日後ということになります。

 

会社都合の場合、失業保険はいつからもらえるの?

看護師が病院から解雇された場合、会社都合での退職ということになります。

 

自己都合の退職であれば、失業保険には給付制限がかかるので90日間は給付されません。
しかし、会社都合の場合は給付制限がかからないので、90日も待つ必要がありません。

 

ただし、失業保険の給付申請をすると必ず7日間は待期期間があります。これは自己都合でも会社都合でも一緒です。

 

会社都合の場合は、待期期間が過ぎればあとはすぐに給付金を受け取ることができます。ただし、失業してすぐというわけにはいきません。

 

まず、解雇された場合は会社からハローワークに手続きを行います。

 

その際に離職票がハローワークから発行されるのですが、その発行には数日から最大で3週間ほどかかります。自己都合の退職であればあらかじめ退職日が分かっているのでその日に合わせて準備しておけますが、会社都合での退職ではその限りではありませんからね。

 

そうした点を踏まえて、実際に失業保険が受け取れるようになるのは最短でおよそ1か月後となります。

 

失業保険を早くもらう方法は?

病院を退職した看護師が失業保険を受給する手続きをしても、それが自己都合での退職であれば90日間の給付制限期間があります。

 

しかし中には、90日も待ちたくないから早く受け取りたいと思う人もいるでしょう。そんな時はどうしたらいいのでしょうか?

 

給付制限期間なしで失業保険がもらえるのは、会社都合での退職か正当な理由での退職と認められた場合です。
会社都合での退職となるのは倒産やリストラ、事業所の廃止や移転といった事情があった場合です。

 

こうした理由に当てはまるようなら、会社都合の退職として処理できるでしょう。

 

もう一つの正当な理由に当てはまるのは、最初に明示された労働条件が実際の労働と大きく異なる場合や、給料の遅配が2か月連続した場合、賃金が85%以下に下がった場合、退職する直前の3ヵ月間に連続して時間外労働が1か月45時間を超えた場合などです。

 

また、上司や同僚から嫌がらせやセクハラを受けていた場合なども当てはまります。
こうした理由に当てはまるとみなされれば、失業保険を給付制限期間なしで受け取ることができます。

 

失業保険をもらっている時にアルバイトはしていいの?

病院を退職して失業保険をもらっている間に、新しい職場が決まった場合はその時点で失業保険の給付が停止します。

 

しかし、それがちゃんとした就職ではなくアルバイトだった場合はどうなるのでしょうか?

 

失業保険の受給中にアルバイトをした場合、失業認定日にきちんとハローワークにそのことを報告しなくては行けません。
報告を忘れると、失業保険がもらえなくなったり不正受給として失業保険を返還しなければいけなくなったりする可能性があります。

 

1日に4時間以上の勤務となった日は失業状態の認定から外され、その日の分は失業保険を受給できません。
ただし権利が消滅するのではなく、受給日が先送りされるだけとなります。

 

また、1週間の労働が20時間以上で31日以上の雇用が見込まれるアルバイトであれば、定職に就いたとみなされます。
ただしこれは基本的な基準であり、ハローワークの担当職員によっては基準が異なります。

 

目安としては月14日未満で週に20時間未満であれば、定職に就いたとはみなされないことがほとんどですが、心配であれば先にハローワークで相談してみましょう。

 

失業保険の受給期間延長ってどういうこと?

病院に勤める看護師が退職して失業保険を受け取るには、再就職の意思があることが必要です。

 

しかし、中には妊娠・出産や病気など、すぐには再就職できない人もいます。そういった人は失業保険を受け取ることができないのでしょうか?

 

すぐに再就職できない事情がある人は、失業保険の受給期間延長の手続きをすることで失業保険を受け取ることができます。
通常、失業保険の受給期間は退職の翌日から1年以内に受給しなければいけないのですが、受給期間延長の手続きをすることで受給期間を最大3年まで延長できます。

 

元々の受給期間が1年ですから、最長で4年以内に受け取ればいいということになるのです。

 

名称を見て、通常よりも長くもらえるものと勘違いする人もいますが、もらえる期間は一緒でもらい始めるタイミングを先延ばしに出来る制度です。

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