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看護師が療養病棟に転職するメリット・デメリット
もしあなたが今後、療養型病院に転職を考えるなら、今までの業務内容とどのような違いがあるでしょうか。特に女性の看護師ならば、自分やまわりの環境が変わるのをきっかけに転職を考えることは珍しいことではありません。
自分のライフスタイルに合った働き方を選択できるのも、看護師の魅力の一つです。より良い職場環境を目指すために、今回は療養病棟のメリット・デメリットをお伝えしていきたいと思います。是非お役立て下さい。
まずは、療養病棟とは何かについてご説明しましょう。
療養病棟とはある程度集中的な治療が終了したものの、まだ自宅療養は難しい患者さんが入院している病棟のことをいいます。
比較的長期間の入院が多く、一般的に数カ月〜長ければ数年にもわたって入院している患者さんもたくさんいます。
ただし、病状については安定している人が多いので、看護師が行う通常業務はバイタルチェックなどの体調管理や、服薬管理などが日々のお仕事になります。
また、療養型病院は通常業務の他に介護的なお仕事が多いのも特徴です。患者さんは体の自由が効かないために入院を続けているケースが多いので、恒常的に排泄の手伝いや食事の介助など、一般病棟ではあまり行わなかったお仕事が中心になってきます。
「え、こんなことまで看護師がやるの?」
と、一般病棟を経験した看護師からは考えられないほど介護的側面が強いと思って下さい。
(少子高齢化の時代に伴い、最近では介護スキルを持つ看護師を必要とする病院も非常に増えています。中でも特に、療養病棟はそうしたスキルを持っている看護師を優先的に採用する傾向にあるそうです。)
このことから、療養病棟で働く看護師に求められるのは、やはりコミュニケーション能力といえます。長期入院だからこそ、患者さんと看護師の言葉のキャッチボールが大切になってきます。業務的なやりとりで精一杯だった一般病棟とはその雰囲気がガラリと違って感じることでしょう。
天候の話、家族の話、新聞記事やテレビの話題など、日常的にお話しする機会が多くなります。そのため、長期入院している患者さんに新卒の若い看護師がからかわれるのは良くありますし、担当の看護師が変わると嫌がる患者さんもいます。それだけ心のつながりが大きいということです。
このように、療養病棟の看護師は日常的なコミュニケーションを通して、患者さんの信頼を得ていかなければなりません。ですから、ある意味、急性期病棟よりも難しい側面もあるでしょう。患者さんと楽しくコミュニケーションがとれる場合もありますが、反対に袖にされることだってあります。人間的に波長が合う・合わないはどうしてもあるので、楽しいことばかりではないということはあらかじめ認識しておきましょう。
療養病棟についてお分かりいただけたでしょうか?では早速、本題に入りたいと思います。
看護師が療養病棟に転職するメリット
看護師が療養病棟で働くメリットの一つは、まずは何といっても残業が少ないことです。
先ほどもお話しした通り、療養病棟に入院している患者さんは、基本的に病状が安定している人が多いので、病状が急変したり、急患が運び込まれたり、ということはほとんどありません。
毎日の患者さんのケアが仕事の中心になりますから、そういったケアが終わって時間がくればその日の仕事は終わりという職場が多く、病院でありながら急な残業が少ないのです。
「デートしたい!」「お料理教室に通いたい!」と、プライベートを充実させるには絶対的に時間が必要です。また、「子どもがまだ小さいから急な残業は困る」という看護師にも人気の職場となっています。
また、「資格を取りたい!」と、さらなるステップアップを目指す人にとっても、勉強時間の確保という意味で魅力的な職場です。
二つ目は、コミュニケーションスキルが身につくことです。
療養病棟は急性期病棟のように毎日がバタバタしていないので、患者さん一人ひとりとコミュニケーションをしっかり取ることができます。看護師も機械ではありませんから、やはり患者さんとやり取りをしながら看護をしていきたい、という人がとても多く、その点では満足できる職場です。
それに、療養病棟でなくとも、コミュニケーションスキルは最低限どの病院でも必要です。後々、また転職することになったとしても、この力は無駄になりません。
三つ目は、寝たきりの患者さんや介助が必要な患者さんも多いことから、介護スキルが身につくこともメリットといえるでしょう。
将来的に訪問看護を目指している人などは、看護だけの知識では不十分な場合もありますから、療養病棟での経験は大変役に立ちます。もちろんそれ以外の診療科に移る場合でも、他で経験できないスキルは身に着けておいて損はありません。
看護師が療養病棟に転職するデメリット
一方、療養型病棟で看護師が働くデメリットは、どうしても医療行為を行うことが少なくなることです。
療養型病棟に入院する患者さんは、基本的に病状が安定しているため、看護師が行うのはバイタルチェックや服薬管理などが中心になり、注射や点滴も急性期に比べるとどうしても少なくなってしまいます。
医療行為のスキル向上を望むのは難しく、病院によってはほとんど行う機会がないためスキルが落ちてしまうという危機感を感じる看護師もいるほどです。
独身時代、急性期を経験してスキルを身につけた看護師が「子供が小学校に入学するまでは残業が少ない療養病棟にしたい」という場合ならそれほど問題ありませんが、新卒であまりスキルを磨く間もなく療養病棟で働くようになった場合は、スキルが身につかないまま年を重ね、いざ急性期病棟に転職しようとしても難しいケースもあります。
看護師が若い内に経験を重ねることは財産になるので、それができないとなると少々もったいない点もデメリットといえます。
二つ目は、密にコミュニケーションがとれる療養型病棟だからこそ、かえってそれが負担になることです。
優しい患者さんであれば、献身的に看護するあまり、ナイチンゲール症候群に陥って看護と依存の境界が分からなくなってしまうという場合もあります。理不尽な患者さんであれば一方的に叱られたりすることもあります。それらの感情を自分の中で上手く折り合いをつけられる看護師でないと、精神的に辛くなってしまいます。
しかしながら、寝たきりや意識のない患者さんも多い療養型病棟では、患者さんのちょっとした様子の違いから急変を読み取ることも求められますので、接するのが辛くなってしまったからといってコミュニケーションを一切取らないというわけにはいきません。普段からコミュニケーションを大切にし、急変に気が付くだけの医療や看護についての知識が必要です。
いかがでしたか?療養病棟の看護の技は心にありですよ!