人気の転職サイト(登録無料)

PR:アフィリエイト広告を表示

内閣府|保育の担い手となれる看護 師の対象拡大により、健康 管理など保育の質が向上

「乳児の保育に係る保育士の算定対象に、保健師及び看護師の他、准看護師を含めることができることにより、保育現場の質が向上する」という、地方に対する規制緩和について。

 

○保育士定数の算定基準に准看護師を追加する提案
厚生労働省は保育所の安心・安全のために、看護師の配置を促進していますが、看護師の需要は高く、確保が困難なのが現状です。
また、依然続く待機児童問題が地域の課題となっているのも事実です。
その解決策として地方から提案されたのが、保育士定数の算定基準に准看護師を追加するというものです。
今までは、乳児4人以上を入所させる保育所に係る保育士の数の算定について、保健師又は看護師1人に限り保育士とみなしていました。
それを准看護師でも保育士定数の算入を可能にすれば、適切な健康管理が可能になるばかりか、待機児童問題の解消にもつながる可能性があると考えました。
それを実現させたのが、佐賀県の取り組みです。

 

○佐賀県の取り組み
佐賀県では、保育所で受け入れる乳幼児の体調急変への適切な対応など看護師配置の必要性の高まりを踏まえ、「保育所看護師配置促進特区」の提案や県条例で看護師配置の努力義務を課し、県内保育所における看護師配置を促進してきました。
しかし、保育所運営の公定価格の算定において看護師と保育士の給付単価に差がないことや、医療機関においても看護師不足が叫ばれることもあり、看護師確保は困難でした。そのため、保育所からは准看護師でも認めて欲しいとの意見が上がっていました。
そこで、佐賀県は「保育士定数への准看護師算入」のアイデアを九州地方知事会に提出し、これが支障事例として認められ、平成26年提案となり実現されました。
この事を受け、県は市町村向け説明会を開催し、制度改正について広く周知を行なっています。
取り組みの成果として、正・准看護師を配置している保育所の割合が平成26年度は65%だったのに対し、平成29年度は72%と7%も上昇しました。
また、0歳児の受入数も1,014人から1,181人と増加しています。
保育の現場でも「保育士資格者のみで対応するよりも、保育園児の健康管理が進み、保育全体の質が向上した」との声が聞かれています。
看護師と准看護師の勤務内容に違いを設けていない保育所でも、支障は認められていません。
また、准看護師にとっては「就職の選択肢が広がった」との声も挙がっています。
保育所での仕事は夜間勤務もないため、体力的な負担がないと人気もあります。

 

○佐賀県担当者の声
『佐賀県は夫婦共働き家庭の割合が全国平均より高く、安心して子育てができる保育環境の整備が求められていました。
平成23年に「佐賀県保育所看護師配置促進特区」が認定され、正看護師の配置が進んだところですが、保育所運営の公定価格の算定において、看護師と保育士の給付単価に差が考慮されていないため、看護師の人材確保は順調には進みませんでした。
このため、看護師の人材確保を少しでもスムーズに進めるために、さらなる緩和対策として「保育所における准看護師特区」の提案を平成23年、24年と2回にわたり行いましたが、関係省庁からはいずれの提案も対応困難とされたので、地方分権改革に関する提案募集方式を活用することとしました。
特区で認められなかった「保育士定数への准看護師算入」を支障事例として九州地方知事会に提出したところ、各県から賛同が得られ、九州地方知事会の共同提案として提出されることとなりました。
構造改革特区では提案者は九州の一部の県にとどまっていましたが、提案募集方式では、九州全体の統一意思として提案できたこともあり、関係省庁の理解が得られました。
このように私たちの提案が実現したことは、内閣府の方や有識者会議の先生方が地方の立場から関係府省と熱心に協議を重ねていただいたおかげてもあります。県の重要課題の解決に一歩前進できたことに、とても感謝しています。』

 

保育の担い手となれる看護 師の対象拡大により、健康 管理など保育の質が向上
https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/jirei/doc/jirei30_h30_1-07.pdf