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診療科 忙しさ ランキング|医師 QOLの高い科
医師の皆様は現在、どのような診療科にお勤めですか?
それが長年夢見てきた診療科かもしれませんし、学生時代や研修医時代の先輩の背中を追って進んだ診療科だという方もいらっしゃるでしょう。
ところで、先生方は現在の仕事とプライベートのバランスがとれていますか?
今回は、医師のQOLが高い診療科についてご紹介します。
マイナー科はQOLが高い
「Quality of Life」、「QOL」の概念は、医師として働いていく上で誰しも一度は向き合い、考えた事がある内容だと思います。
医師として働く以前に、皆様は一人の人間です。
体調を崩したり病気になったりする事もありますよね。
仕事仲間以外の友人と休日を楽しむ日もあるかもしれません。
恋愛、結婚、出産などは女性だけの問題ではなく、男女全ての医師に携わる権利があるライフイベントです。
また、趣味の時間、家族と過ごす時間も必要です。
QOLが高く、自分の人生の質を高められるような診療科
このように、医師は医師であるだけでなく、一人の人間として人生を楽しむ権利があるのです。
しかし現状は、診療科によってQOLが異なるでしょう。
そこで、結婚や出産などを契機に、QOLを重視して他の診療科に転職するという医師も増えています。
では、QOLが高く、自分の人生の質を高められるような診療科とは、いったいどこなのでしょうか。
耳鼻科や皮膚科、眼科
一般に、耳鼻科や皮膚科、眼科といったいわゆるマイナー科は、消化器外科・内科や脳神経外科といったメジャー科よりもQOLが高いというお話は皆様も一度は聞いた事があるかと思います。
まずはこれらの診療科のQOLが高いと言われている理由について、お話ししたいと思います。
耳鼻科、皮膚科、眼科はまず手術時間が短い事が特徴です。
循環器系や脳外科などでは、日をまたぐような手術が行われる事すらありますが、耳鼻科などでは基本的に手術時間が短いです。
内容によっては日帰りの手術さえあります。
また、外科的手技と内科的治療の両方の能力が求められるのがこれらの診療科です。
特に、外科的手技は目や鼻といった繊細で緻密な器官を扱うため、他の外科とは違う特殊な知識や技術が必要となります。
そういった点からも耳鼻科や眼科はスキルさえあれば、自分の働き方にある程度融通が利くのです。
耳鼻科、皮膚科、眼科は、オンコールが少ない診療科でもあります。
循環器科や小児科などでは受け持ちの入院患者の容態が急変し、休日でも病院に駆けつけなければならない場合が想定されます。
ですが、皮膚科などでは慢性疾患を扱うことも多く、手術後は容態が比較的安定しています。
オンコールが少なく、休みの日はきちんと休めるという点でもこれらの診療科はお勧めです。
それから、耳鼻科、皮膚科、眼科は開業がしやすい診療科であると言われています。
開業すると、医師としての責任のほかに医院の経営の責任も負い負担は増えますが、その分得られるメリットは大きいです。
開業すれば、平日に定休日を設けたり午前中の身の診療に設定したりすることができます。
このように、開業することで高いQOLを得られる場合もあるのです。
ここまで、耳鼻科などのマイナー科のQOLが高いことについてお話しました。
次に、その他の診療科についてもお話しします。
ここでは、その他にQOLが高い診療科として麻酔科医、病理医について紹介します。
麻酔科医
麻酔科医は、手術の際に欠かせない存在で、大がかりな手術から簡易な手術まで、どのような手術においても必要とされる存在です。
手術チームの一員として、患者の手術開始から終了して麻酔が解消されるまで責任を持って患者の全身管理を行うのです。
このように働く麻酔科医は、手術中の患者の全身管理という任務がありますが、手術時間以外の拘束時間は短いです。
受け持つ手術件数によって忙しさは変わり、QOLもそれによって異なりますが、麻酔科は忙しさを自分で調整しやすい、働きやすい診療科と言えます。
ここで紹介した以外にも、麻酔科医にはオピオイドなどを使用した緩和ケア医療といった仕事などもあります。
麻酔科医にはいろいろな働き方があるのも魅力です。
病理医
また、病理医は病変などの組織の一部を肉眼や顕微鏡で観察し診断する診療科です。
病理医と一言に言っても、手術で切除された組織の一部を観察して予後を推定したり、手術前に一部を切除した組織を観察して治療方針を決めたり、術中迅速診断で凍結標本を診断して手術方針を決めたり、役割は多岐に及びます。
病理医は臨床医と常に連携し、治療に役立つ病理診断を提供します。
直接患者と接することが少ない分、定時で帰れたり、自分のペース・タイミングで仕事を進められたりすることが多いのが病理医の特徴です。
もちろん術中迅速診断などスピードが求められる場面もありますが、基本的には体力がなくても続けやすい診療科なのです。
結婚や出産を契機に病理医へ転職される女医の方も多いようです。
QOLとやりがいのバランス
ここまで、いくつかQOLが高いとされる診療科の特徴についてお話ししてきました。
ですが、医師として求めるべきはQOLだけではありません。
医師としてのやりがいとQOLのバランスこそが重要で、そのバランスは一人一人違います。
自分が納得のいくQOLで、かつやりがいを十分に感じられるような働き方こそが大切なのです。
例えば、患者としっかりと対面し言葉を交わし接して治療をしたいという方には、耳鼻科や皮膚科、眼科がおすすめです。
これらの診療科は比較的軽症な方から重症な方まで幅広く扱い、一人一人の患者の症状が多彩です。
そのため、患者一人一人に寄り添い一人一人に合った治療をしていくことが医師には求められます。
こういった治療の中で、QOLを維持しつつ、医師としてのやりがいを十分に感じられる方も多いのではないのでしょうか。
また、麻酔科医は手術中の患者の全身管理の責任を負います。
麻酔科医がいなければ、執刀医は手術を始める事ができません。
麻酔科医の専門的な知識と能力は、麻酔科医にしかできない仕事を可能にしています。
緩和ケア分野においても、麻酔科医としての立場から、患者の苦痛を取り除く事ができます。
このように、麻酔科医には麻酔科医にしかできない仕事が多く、そこにやりがいを感じられるでしょう。
病理医も他の診療科にはない知識と技術が必要とされる診療科です。
病理診断がなければ、臨床医は治療方針や手術方針を決定する事ができません。
例えば、前立腺癌では、PSA値と臨床病期とGleason Scoreの3つがリスク分類をして治療方針を決定する因子となります。
Gleason Scoreは前立腺針生検によって採取した組織像から病理医が診断する組織グレードのことです。
前立腺癌の治療方針決定には、このように針生検の意義が大きいと言われています。
このように、前立腺癌に限らず、多くの癌の診断や治療において、良悪性の診断や組織型の分類が重要で、それを担う病理医の役割は大きいと言えるのです。
病理医が診断や治療に欠かせない存在であるという事から、病理医は十分にやりがいを感じられる仕事なのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、QOLが高い診療科として耳鼻科、皮膚科、眼科、麻酔科、病理診断科をご紹介しました。
それぞれの診断科には特徴があり、自分に合った働きやすい環境を考えることが、QOLの向上につながります。
また、医師として高いQOLを求めると同時に、やりがいを追求するのも自然な事です。
QOLとやりがいのバランスを考えて、自分に合った診療科を選ぶようにしましょう。