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臨床の限界を突破したい!~臨床医から研究医へ~
臨床の現場で働いている医師の方々、日々の現場で医療の限界を感じることはありませんか?
多くの医師が感じるこの限界を突破するために、研究医になるという選択肢があります。
しかし、普段研究に接する機会がなければどうすれば良いか分かりませんよね。
本記事では、臨床医から研究医へ転職する方法についてご説明します。
臨床医と研究医
それでは早速、臨床医と研究医についてご説明していきましょう。
臨床医について
まず臨床医についてです。
主な仕事内容としては、病気の治療・予防やリハビリテーションが挙げられます。
そして臨床医は大きく分けると、診療所や医院を自分で経営する開業医と、診療所や病院に勤める勤務医の2種類があります。
その他にも、介護老人施設、教育機関や保健所などで働いている医師の方々がいらっしゃいます。
開業医の仕事内容の特徴、給料について
それでは最初に開業医の仕事内容の特徴、給料について見ていきましょう。
開業医の特徴は、プライベートの時間を作ったり医局の人間関係の煩わしさから離れられたりなど自分の裁量で自由に仕事ができること、それから、勤務医では不可能だった独自の診療スタイルを実現できることです。
平成21年の厚生労働省調査によると、平均収入は法人を運営する開業医の場合、2530万円になります。
しかし、病院を開くに当たっても相当の金額が必要となるため、十分な収入が得られるかどうかは医師本人の技量にかかっていると言えるでしょう。
勤務医についての仕事内容の特徴と給料
次に勤務医についての仕事内容の特徴と給料について見ていきましょう。
勤務医の特徴としては、科にもよりますが激務であることが挙げられます。
緊急外来で勤務する場合や当直などで、寝る時間がないこともしばしばあります。
一方、大学病院や大規模な病院などで勤務医として働く場合には、最先端の医療技術に携わることができるという特徴もあります。
臨床医に向いている条件としては、「今持っている技術で患者を救う」という使命感を強く持っていることが挙げられます。
後ほど述べる研究医に向いている条件と比較してみてください。
次に勤務医の給料についてです。
同じく平成21年の厚生労働省調査によると、勤務医の平均年収は1479万円になります。
病院長・院長クラスになると2848万円ほどもらえるため、役職によって大きく変わってくるのですね。
研究医について
臨床医についてある程度分かったところで、次に研究医についてご説明します。
研究医には、主に基礎研究医と臨床研究医に分かれます。
基礎研究医は、マウス・ラットを用いて実験を行い新治療や有効なアプローチを見つける研究を行うものです。
基本的に患者さんとの接触はありません。
一方臨床研究医は、研究を行いますが現場の医師としても患者さんの治療にあたります。
いずれにしても結果・成果がでるまで繰り返し研究を行うことが要求されるため忍耐が必要です。
また、研究医に向いている人としては「論理思考」を持っている、チームで仕事ができるという条件が挙げられます。
論理思考を持っていれば自分の研究を分かりやすく論文にまとめることが出来ますし、チームで仕事が出来るとなれば研究のグループを上手くまとめることが出来ますよね。
また、目の前の危機を救うよりじっくりと問題に向き合いたい人にも向いているでしょう。
この点が臨床医に向いている条件と異なってきますね。
では、研究医の給料はどのようになっているのでしょうか。
実は、研究医の収入は明確に公表されていないのです。
しかし、一般的な臨床医と比較すると3分の2ほどが研究医の収入であり、あまり高いとは言えません。
大学に勤務している場合だと、年収600~700万円ということも少なくはないのです。
働く上でどれくらいの収入があるかは大事なポイントになってきますよね。
研究医が勤務医の3分の2、開業医が勤務医の1.7倍であることを考えると、同じ医師という職業でもかなり大きな差が出てくることが分かります。
今まで述べてきたように医師には様々な働き方があるのですね。
それぞれ働き方や給料、環境の良さなどメリット・デメリットがあるため、安易に決めることは出来ません。
しっかりと自分のやりたいことは何かを考え、転職するかを決めることが転職を成功させるかの鍵になってくるでしょう。
研究医になるためには
勤務医、開業医、研究医のそれぞれの特徴を踏まえた上で研究医になりたいと思った場合はどのようにすれば良いのでしょうか。
ここでは、臨床医から研究医へ転職する方法についてご紹介します。
そもそも大学を出てすぐに研究医になるにはどの道をたどるのでしょう。
まず医学部を卒業したら国家試験に合格する必要があります。
研究医は、医学部出身でなくともなることが出来るのですが医学的知識が必要となるため、医学部を卒業して国家試験に合格しておくことが必須です。
国家試験に合格した後は、研究医になるとしても臨床研修を行うことが一般的になります。
これは臨床研修を受けていないと保険医の資格を得られないという理由のためです。
その後大学院へ進んで研究について学びます。
こうしたプロセスをたどると、研究医になることが出来るのは、最短でも30歳からになりますね。
以上のことを踏まえ、臨床医が研究医に転職する方法をご説明していきましょう。
臨床医が研究医に転職する方法
まず、臨床医は研究の知識を持っていないため大学院に進学しなければなりません。
この点は大学卒業後そのまま研究医になる方法と同じになりますね。
臨床医として働いていても、基礎研究を学びたければ思い切って大学院に進学してみましょう。
大学院によっては臨床医を積極的に受け入れているところもあります。
例としては横浜市立大学大学院があり、ここでは子育て・臨床・研究を両立している医師の方もいるそうです。
それぞれの大学に特色があるので、是非興味のある分野と照らし合わせて調べてみてください。
大学院を卒業したらやっと研究医になることができます。
ただし大学病院での募集は臨床医に比べると少なく、人員が不足した際に補充される場合がほとんどです。
また、研究医は製薬会社などの民間企業で働くこともできます。
企業で働く場合は、研究医の募集は大学病院よりも多いです。
さらに予算も豊富で研究環境も良いというメリットがあります。
しかし成果に対しては厳しく、ある程度の成果を上げられないと安定して職に就けない可能性があるのです。
研究医の働き方として最後に挙げられるのが、海外へ行くこと。
国策として国外から研究者の受け入れを行っている国があり、高額の報酬を得ることが出来ます。
例えばシンガポールなどの国が挙げられますが、ここでも成果に対しては厳しいです。
ある程度の実力と自信があれば、挑戦してみても良いかもしれません。
今まで様々な研究医の就職先をご説明してきました。
ではどのように職場を探したら良いのでしょうか。
在籍していた大学院関連に進むという手もありますが、多くの選択肢が得られるのが医師の転職サイトに登録することです。
自分の希望の条件を登録すれば、様々な求人を提案してくれます。
自分1人で就職先を探すより圧倒的に早く、よりよい職場を見つけることが出来るでしょう。
まとめ
今回は、医師の働き方の種類、そして臨床医から研究医に転職する方法について詳しくご説明しました。
臨床だけでは自分のやりたいことが出来ない、医療の発展に貢献したいという方は、思い切って大学院に進学してみてください。
確かに臨床医に比べれば給料は劣るかもしれませんが、研究医には研究によって1人ではなく多くの人の命が救われるという大きなやりがいがあります。
是非良い選択をして医療の発展に貢献してください。