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女性フリーランス医という選択肢について
最近では、フリーランス医をモデルにしたドラマが話題になりましたよね。
実際、フリーランスに転職している女性医師が増加傾向にあるようです。
特定の病院に勤務するわけでなく、開業しているわけでもないフリーランス医ですが、今後、女性医師の選択肢の一つになり得るのでしょうか。
フリーランス医の働き方
まず、一般的なフリーランス医の概要について、ご説明したいと思います。
フリーランス医の多くは、時給制で収入を得ています。
時給といっても、その額は10000円程度と非常に高額で、驚くべきことに、日当10万円以上の収入を得ている医師の方もいます。
さらに、フリーランスの医師の中には、内科医や外科医の他に、麻酔科など様々な専門の先生がいて、トップクラスのフリーランス医師になると、日当10万~20万円程度が相場のようです。
凄いですよね?
勤務医の年収は高額である一方で、勤務時間が長く、仕事内容は激務
また、近年ではフリーランスで働く医師が増加傾向にあります。
考えられる理由としては、勤務医の医師は年収が高額である一方で、勤務時間が長く、仕事内容はとても激務ということが多いからです。
非常勤の医師やアルバイトの医師の時給は10000円前後ですので、勤務医の年収と非常勤やアルバイトの医師の年収を計算すると、大差ありません。
実際に時給が10000円のフリーランス医がいたとします。
1日に7時間の勤務で7万円、週に5日働いたとすると、週給は35万円、これをもとに計算をすると、月給は140万円、年収が1680万円と病院によっては常勤の勤務医よりも多いという場合もあります。
このようにして、フリーランスで収入をアップさせた医師の方もたくさんいらっしゃいます。
仕事を掛け持ちして高時給で長時間働くことで、1か月に数百万の収入を得ることも可能になります。
病院側も、医師の不足に悩まされている地域では、常勤ではなくとも、定期的に勤務してくれる医師を確保することができれば、後はその数を増やしていき、慢性的な医師不足を解決することができるというメリットもあり、フリーランス医の需要も高まっています。
女性の社会進出
もう一つの理由としては「女性の社会進出」というものがあります。
結婚をして子育てをしながら、自分の好きな時間に、週3日くらいのペースで働きたいと考えている女性の医師の方が増えています。
時給が高額なため、旦那さんが働いて得る収入のほかにも短時間で高額な収入を手にする事ができ、子育てにかかるお金を賄う事が十分に可能です。
フリーランス医に必要な要件
では、フリーランス医には、どのような要件が必要なのでしょうか。
キャリアの最初からフリーランスで働く場合には、特定の病院に勤務しているわけではないため、独自に技術や知識を得なければなりません。
ただし、本記事は転職をテーマにしていますので、先生方は今までの経験を武器にすることができます。
「仕事を獲得する」
という事も、フリーランス医にとっては必要な作業となります。
簡単にいうと、営業活動です。
病院に勤務をしている場合は、患者さんは自分から病院に来てくれますが、フリーランス医は患者さんと契約をする必要があるでしょう。
求人サイトやエージェントから応募するのが一般的
フリーランス医の場合、仕事は求人サイトやエージェントから応募するのが一般的なようです。
よって自分で応募先を選び、希望する病院に選考される必要があります。
そのためには、これまで自分が勤めてきた病院の経歴や、取得した専門医制度、勤務した病院での確かな実績が必要となります。
また、自分の能力を病院側に売り込む営業能力も必要となります。
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フリーランス医にまつわる税金
ここで、フリーランス医にまつわる税金の話をしましょう。
フリーランスの働き方をした場合、支払う税金などはどのようになるのでしょうか。
フリーランスの医師が支払うべき税金は全部で7つあります。
1、所得税‥個人が働いて得た収入から様々な必要経費を差し引いたものに対して課される税金
2、住民税‥自分が住んでいる地域のために支払わなければならない税金
3、個人事業税‥個人が経営する事業に対する税金
4、消費税‥支払った消費税と受け取った消費税との差額分を納める
5、健康保険‥個人の住む市町村が、国民健康保険にかける費用に充てる税金
6、国民年金‥日本国内に住む、20歳~60歳のすべての人が加入する公的年金制度
7、印紙税‥契約書や領収書などを作成する際に、作成される文書にかかる税金
一般的な勤務医とはすこし労働形態が異なるため、支払う税金には注意が必要となります。
また、様々な方法で、フリーランスの医師は節税対策を行いやすいため、調べておくと良いでしょう。
フリーランスの医師として実際に働く際には
前半では、フリーランス医のメリットや、フリーランスの医師として働くための情報を先生方にご紹介させていただきました。
後半は、実際にフリーランスとして働く際の注意点やデメリットをご紹介させていただきたいと思います。
フリーランスに向いている科はどの科
まず、フリーランスに向いている科はどの科なのでしょうか。
一般的にフリーランスと聞くと、医療ドラマでもお馴染みの、外科医が向いているというイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、実際の日本の現在の医療現場においては、そんな事もありません。
確かに、外科医のフリーランス医は実在しますが、とても少ないというのが現状です。
外科医が大きな手術をする場合には、手術前に入念な検査が必要であり、患者さん本人や、その家族との信頼関係を築くのにも、多くの時間を費やす事になります。
これらの準備をフリーランス医で行う事は難しいでしょう。
また、外科的手術を行った後は、患者の予後観察やリハビリの処方、再発した場合の治療などのアフターケアも重要です。
実際に手術のみを担当してお金を稼ぐ医師は世界でもほんの一部、スーパー外科医と言われる一握りに限定されています。
実際にフリーランスの働き方に向いているのは麻酔科
実際にフリーランスの働き方に向いているのは麻酔科です。
理由としては、現在の医療現場における麻酔科医の不足と、フリーランス向きの労働形態だからなのです。
現在、麻酔科医の不足問題は深刻で、一人の医師が同時に複数の手術を受け持つ事が多いのです。
ですので、このような状況を改善し、麻酔科医の負担を減らすために、高い時給を払ってもフリーランスを雇用したいと考える病院もまた、多いのです。
次に、麻酔科医の労働形態についてですが、麻酔科医は手術中、出番がありますが、予後観察やリハビリ療法には出番がないため、手術のみの労働でも十分に可能になります。
フリーランスのデメリット
次に、フリーランスのデメリットについてお話ししたいと思います。
もちろん、「収入が安定しない」などのデメリットもありますが、今回は次の2つをご紹介します。
医療ミスをした場合に、病院側が守ってくれない
1つ目は、医療ミスをした場合に、病院側が守ってくれないというリスクです。
フリーランス医が医療ミスを犯した場合、病院側が弁護側ではなく、被害者として患者さん側につく可能性があります。
その場合、裁判などでフリーランスの医師が勝訴する確率は極めて低く、医師としてのキャリアだけでなく、人生にも大きな影響をもたらす可能性が高いのです。
医師としての学びの場が少ない
2つ目は、医師としての学びの場が少ない事です。
病院に所属している医師ではないため、学会や患者さんの数などに限りがあります。
また、学会などの参加費や経費、医学書などの備品も自腹で購入しなくてはならないという点もあります。
つまり実際にフリーランスで働く場合には、向いている科目や、スキルアップについても困難な条件が多く、勤務医として働くよりも何倍も難しいという見方もあります。
ただし、女性の場合は別です。
先々の事を考えると、フリーランス医になる事でフレキシブルに働ける利点はやはり高く、子供の妊娠、出産、あるいは成人したのをきっかけに転職する先生もいらっしゃいます。
また、最近では女性専用のクリニックも増えていますから、減少傾向にある産科や婦人科においても今後、その需要は高まるでしょう。
まとめ
勤務医がフリーランス医になる事は、日本ではまだ一般的ではありません。
したがって、フリーランスの医師に転職するための正攻法というものはまだ存在していないのが現状です。
若い先生方は特に一人で決断せず、病院の上司やフリーランス医の実例のある転職エージェントといった適切な相手に相談する事をお勧めいたします。
女性医師の中でフリーランス医に魅力を感じている方は、タイミングをよく見て、行動に移しましょう。