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看護師が疼痛緩和内科に転職するメリット・デメリット
終末期の患者さんの痛みを和らげるために尽力し、治療を行う疼痛緩和内科。ここでは患者さんの肉体的な痛みそのものだけでなく、精神的なサポートのほか、場合によっては家族の方へのフォローやサポートも必要とされます。
この疼痛緩和内科では、かなり高度で的確な医療スキルとコミュニケーションスキルが必要とされます。しかしその一方で技術面でも精神面でも他の診療科には無い緩和医療科ならではのやりがいやスキル取得の機会があり、それを求めて転職を希望する看護師も少なくありません。
まず緩和医療科とは、治療を施しても症状の改善が見込めない、治すことが困難であると判断された患者さんが、苦痛を和らげる治療を受けながら快適に過ごせるようサポートすることを目的とした病棟です。
最期の時を、満足できるような環境で迎えることができるようにお手伝いをすることが主な仕事です。なのでいわゆる看護以外の業務を行うこともありますし、ただ世間話をすることもあります。一見すると治療には見えないようなことでも、それで患者さんが穏やかになれるのならば看護の一環となり、それが疼痛緩和内科における重要な仕事でもあるのです。
さらにこういった仕事は患者さん本人に限らず、患者さんの家族へのフォローとしても行われる場合があります。ご家族も精神的に不安定になることが少なくないので、その点のフォローもしっかりと行う必要があります。
疼痛緩和内科に入院している患者さんの中には、末期がんを抱えている人も少なくはありません。末期のがんは患者さんの身体にかなりの重い負担をかけます。その場合、痛みを緩和させる治療を施さないと、患者さんは激痛に苦しめられることになります。
看護師がその処置を的確に、迅速に施すことで少しでも患者さんの痛みやつらさを軽くすることができ、穏やかに過ごすことが可能となるのです。痛みの程度を正しく推し量り、それに見合った処置を行うスキルも重要となります。
看護師が疼痛緩和内科に転職するメリット
そんな疼痛緩和内科のメリットはなにより「理想の看護ができる」ことでしょう。看護師を志したとき、こういった看護を理想とする人は多いのですが、実際の医療現場は常に業務に追われているので、落ち着いた看護ができるところはあまり多くありません。
しかし疼痛緩和内科は、人生の最期を穏やかに迎えるお手伝いをするところです。患者さんひとりひとりとしっかり心を通じ合わせ、その要望に出来る限り応えることが重要な業務になるのです。もちろん最期を看取るのはつらい瞬間ですし、仲良くなればなるほど看護師の悲しみも大きくなります。それでも患者さんの最期のために尽力することで、患者さんのご家族からあたたかい感謝の言葉をいただくことも多いのです。
また、「高いスキルが身につく」のもポイントです。メンタルケアももちろん大切な仕事ですが、疼痛緩和内科では患者さんの痛みを和らげるための繊細な治療行為を行っており、医療スキルに関しても高いレベルを要求されます。患者さんの痛みを推し量るのは看護師にとってとても大切なことであり、それに対する正しい処置を学ぶのも大切なのです。
看護師が疼痛緩和内科に転職するデメリット
一方、疼痛緩和内科で働く際のデメリットのひとつは「死に立ち会う機会の多さ」です。基本的に末期患者さんが最期を迎えるための診療科ですので、患者さんの死に立ち会うことは他の診療科と比べてどうしても多くなるのです。その最期まで穏やかに過ごせるようサポートし、寄り添って過ごしてきた患者さんだからこそ、心にダメージを受けてしまう看護師も少なくはありません。
そして、「家族へのメンタルケアが求められる」ことも無視できません。緩和内科では、患者さんのご家族を対象としたメンタルケアも行います。自分の死を桶入れるのはもちろんですが、死が近づく家族を目の当たりにするのもまたつらいものです。そんなご家族のサポートをし、話を聞いたり患者さんとの接し方をアドバイスしたりもするのですが、これがなかなか難しく、看護師が負担に感じることもよくあります。
最期を見守る診療科ということで、精神的につらい場面も多く目の当たりにすることでしょう。しかしここで学ぶ医療技術やスキルは、看護師をしていく上で決して無駄にはならないでしょう。